北朝鮮の金正恩は防衛功労賞に値する。

このところ金正恩がミサイル防衛のニュースに毎日出てくる。この人に防衛功労賞を進呈してはどうかと思う。

防衛功労賞は、わが国の防衛に功労した人に与える賞だから、わが国に脅威を与えている人物に与えるようなものではないが、今回のミサイル騒動でわが国は少なからず真剣にミサイル防衛に向き合ったのは事実であり、そういう意味からすれば金正恩は防衛功労賞に値する。

かつて90年代半ばに、北朝鮮が弾道ミサイルの試射を繰り返しわが国に脅威を与え、それが動機となってわが国がミサイル防衛に乗り出した時にも、金正日は防衛功労賞に値すると思ったことがある。私は当時まだ現役の自衛官だったが、時折防衛講話に招かれた時など、冗談交じりにそんな話をした。

わが国は戦後の長い間アメリカの保護下で国の復興と経済発展に専念し、平和ボケと揶揄されるほど脅威認識が欠落してしまった。自衛隊は職務柄、ソ連・中国・北朝鮮などの周辺諸国の脅威を分析し、国の防衛を考えなければいけないと機会あるごとに訴えてきたが、「この平和な時代にどこの国が日本に侵略するというのだ!」と、まるでわれわれを狼少年と言わんばかりの評価をする政治家や学者もいて、防衛力整備はなかなか進まなかった。

そのような中での北朝鮮のミサイル発射は、国民の平和ボケを覚ましてくれた。当時の国民世論調査では、北朝鮮を脅威と思う国民が約6割にも達し、そのような輿論に押されて、わが国も遅ればせながらミサイル防衛体制の整備に腰を挙げた。

われわれが正面から揺り起こしてもなかなか目覚めなかった平和ボケの眠りを覚ましてくれた金正日の功績は大きかった。

今回の弾道ミサイル騒ぎで、沖縄本島や先島諸島(石垣・宮古・与那国)に迎撃ミサイルを配備し、東シナ海にイージス艦を展開したことは、南西諸島の防衛を考えるための一つのきっかけになるだろう。もし何もない時に訓練でこのような展開をしようとすると、反対運動をする人が大騒ぎして、関係閣僚や自治体の長も慎重・消極的になり実行できないものである。
沖縄本島は勿論のこと、先島諸島や尖閣諸島の防衛は、これからわが国の喫緊の課題となってくる。今回のミサイル防衛部隊の展開は、限られた規模でしかも一時的なものだが、それでも今後の防衛体制を考える上で大きな参考になっただろう。金正恩のお陰で多少なりとも南西諸島防衛、なかんずく島嶼への自衛隊配備の先鞭をつけたことの意味は大きい。

そういう意味から、金正恩は防衛功労賞に値する。(松島悠佐)

北朝鮮のミサイル問題

今日411日、当研究所では北朝鮮のミサイル問題で議論が二分した。

1. 発射はしないという意見

発射をぎりぎりで中止し、その見返りとして食糧支援を確保するのが北朝鮮のもともとの目的である。付加価値を吊り上げるために、あたかも発射するような姿勢をとっているが、仕組まれた演技である。ミサイル発射実験はいずれ必要だが、今回はまず食料を確保し、その後夏か秋頃に試射すればよいことである。

金日成生誕100年の式典で発射を中止したことについては、金日成・金正日両将軍様の国民に対する深い慈悲の心と、世界の平和を愛する寛容な大御心の然らしむることと説明するのだろう。

 

2.発射するという意見

金日成生誕100年の式典の重要な行事であり、しかも新指導者の強さを国内外に示す絶対の好機であり、発射中止はあり得ない。

アメリカの脅威にならないように、わざわざ南にコースを選定して、しかも各国の報道陣に発射を公開して、批判を和らげる措置もとっている。

 

結果は間もなく出るが、果たしてどうなる事だろうか。

因みに私は1案である。金正恩に確かめるわけにはいかないが、北朝鮮の指導層はしたたかであり、ミサイル発射という商品価値を最大限に利用するのではないかと思うからである。(松島悠佐

北朝鮮ミサイル発射・・・本当の脅威を知るべきだ

各国の発射阻止の努力にもかかわらず、北朝鮮はミサイル発射を強行しようとしている。北朝鮮は人工衛星と主張しているが、各国は弾道ミサイルの発射実験とみている。

これに対し、我が国は南西諸島にペトリオットミサイルPAC3を配備し、また周辺海域にイージス艦(ミサイル防衛用SM-3搭載)を派遣した。

しかし今回の北朝鮮のミサイルは、わが国を狙ったものではなく、弾頭も付いていない。

あくまでも、不時落下や発射失敗による部品の落下に備えてである。

 我々は通常、非常に大きな縮尺の地図を見ながら考えている。あたかも、どこにでも落下物があるように考えてしまうのである。しかしながら、実際にはミサイルの大きさは直径で数メートル、長さ数十メートルでしかない。さらにその部品となると、まことに小さなものである。もちろん人間に直接当たれば負傷または死亡するであろう。しかしその確率は極めて小さいものである。

 確かに人命は尊重されるべきであり、万全を期すべきである。しかしながら、単なる破片に一発数億円もするミサイルを発射して対応するのが適切であろうか。

コンクリートの建築物の中に避難していれば、ほぼ安全である。

 前のブログでも述べたが、防衛省の言う「動的防衛力」の実行動として、防衛大臣の発した「破壊措置命令」に従った今回のペトリオットPAC3の移動は意味があったと考える。しかしながら、本当の脅威に対して、どう対応するかについて、もっと真剣に考える必要があるのではないか。今回のペトリオットPAC3の移動について事細かに報道している各報道機関も、「本当の脅威」について真相を報道すべきである。

北朝鮮についての「本当の脅威」とは、北朝鮮が200発程度を保有し、北海道の一部を除いて、  我が国の本州、四国、九州のすべてを射程圏内に置くノドンミサイルである。

このノドンミサイルは、着弾地を破壊する弾頭(爆弾)を装備し、正確性には若干疑問があるものの、狙った場所の数キロ以内に着弾することは間違いないし、しかもそこで爆発するのである。破片が落ちてくるのとはわけが違うのである。

 本来、イージス艦やペトリオットミサイルは、この種ミサイルを迎撃し、破壊することを目的に整備されているものである。

 ノドンミサイルは、移動式も含めて、すぐにでも発射できる状態にある。発射されれば10分以内に我が国に到達する。

 今、この瞬間、北朝鮮でノドンが発射されているかもしれないのである。その場合、数分後には我々の頭上に到達し、爆発するかも知れない。

 このことを十分認識し、防衛力の整備を行っておかなければならない。防衛力の整備には時間と経費がかかる。法律の整備も必要である。

しかし、ノドンミサイルは数分で我々の安全な生活を根本から破壊するのである。

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