2012年08月

領土問題の解決に必要なのは、力の備えと国民教育である

尖閣諸島・竹島問題で政府は揺れているが、遺憾の意を主張するだけでは解決できない。こんな事は百も承知なはずなのに相変わらずである。

824日、野田総理の意向で領土保全の記者会見が開かれ、「毅然とした対応、冷静な態度、不退転の決意」が述べられたが、何時ものように言葉の遊びだけで中身は何もない。

これが民主党の看板なのか。

鳩山元総理の頃から「友愛の海にしたい・・・、アメリカと対等の立場で・・・、海兵隊の移駐は少なくとも沖縄の県外へ、出来れば国外へ・・・」など、言葉だけが踊ってきた。

不退転の決意とは、「決して後へ引かない決意」を意味するが、領土を守るという不退転の決意ではなく、これまで民主党が基本にしてきた「過剰な配慮外交」の態度を変えないと言う決意だったようでがっかりした。

冷静な態度とは、相手が間違った行為をしているのに、冷めた態度で見過ごす事をいっているようで、これもがっかりである。

「義を見てせざるは勇なきなり」と言う古の教えを忘れてしまったのだろうか。

「力の備え」については、このコラムでこれまで何度も書いてきたので繰り返さないが、24日産経朝刊1面に曽野綾子さんが「領土奪還に必要な力」を書いておられた。

「国民教育」については、中国や韓国が自国民に教育している内容を少し認識しておく必要がある。中国や韓国では尖閣諸島や竹島を自国の領土だと学校で教育し、国民はそう信じている。だから当然のこととして強い反日行動に出る。

わが国ではそれが行なわれていない。それどころか、相手を刺激にないようにと無用な気遣いをしている。

東京都が尖閣諸島購入に際して土地調査のため上陸を申請したが、政府は相変わらず政府関係者以外の上陸は認可しない方針だと言う。それが毅然とした対応だろうか?

それなら、政府関係者である国土交通大臣・防衛大臣がまず上陸して、尖閣諸島は日本の領土であり警備・防衛には万全を期すると声明を出したらどうか。

それがわが国の明確な意志の表示となり、国民への啓蒙になるはずである。

領土問題解決のためには「力の備えと国民教育」が不可欠であり、その責任を背負っているのが政府なのである。

東京都の関係者の上陸を認めるのが最小限の筋である。そうすれば国民は初めて政府の意志を理解するだろう。               

(松島悠佐)

自衛隊富士総合火力演習(総火演) 見学会

昨8月21日(火)、「士気の集い」と共催での「自衛隊富士総合火力演習(総火演)見学会」に、当防衛システム研究所 副代表として参加してまいりました。

参加人員は44名で、新宿駅西口集合、バスによる移動でした。「総火演」見学が初めての方が大部分でしたので、適宜「総火演」のシナリオ概要、見学要領などを解説しました。

「戦車砲の発射時は大きな音がしますので、気持ちを引き締めてください」とか、「戦車が赤旗を揚げているときは射撃しますので、その方を注意してください」などです。

 座席が大変いい場所でしたので、オーロラビジョンもよく見えました。現場における自衛隊の解説も適切ですので、慣れている方は、どこを見ればいいのかが分かりますが、やはり専門用語が続きますので、一般の方には、ちょっとしたコツが必要だと思いました。

 特に見学会場から離れた場所からの榴弾砲射撃や迫撃砲射撃は「弾チャーク 今!」というアナウンスがあると、遠方で炸裂するため、見逃す方が多かったように思います。

炸裂音は数秒たった後に聞こえますので、その時見ても白煙などしか見られません。

 しかし、最後の総攻撃場面では、息つく暇もなく戦車などが射撃しながら、突撃しますので、皆さん息をのんで見学されていました。

帰りのバスの中で、感想を聞きましたら、みなさん実弾射撃の迫力に感激されているようでした。

私は日頃、自衛隊については海外派遣や、災害時の活動についての報道がありますが、自衛隊の本来任務はこのような「戦闘」であること、戦争時には、敵対勢力からの戦車火力等がこちら側に向かって発射されること、特に現在のシリアでは民衆に向けられた攻撃などが行われている事等についてお話ししました。

 防衛システム研究所は、自衛隊の行う各種イベント情報をお知らせすると共に、機会があれば今回のような企画をしていきたいと思っています。

「百聞は一見にしかず」自衛隊の真の姿を見られることをお勧めします。

(島本 順光)

尖閣諸島への対応

819日、わが国の地方議員など10人が魚釣島に上陸した。

香港の活動家の上陸に対する対抗心と言うより、政府の腰の引けた対応に、「これでは困る」という思いが強かったのだろうと思う。

これまでにも何度か石垣市議などが数人で上陸したこともあった。

最近では、「頑張れ日本」行動委員会が漁船員の訓練と称して船を借り上げ尖閣諸島の周辺を巡航している。老若男女の有志が「一人の日本人として、何とかしなければいけない」との思いから参加していると聞くが頭の下がる思いがする。

このような事実について、NHKはじめわが国のメディアは中国への気遣いからかほとんど報道もしない。

石原都知事が尖閣諸島購入を計画したり、地方議員や民間の有志わが国の領土であることを国際的にアピールするために少しずつは行動しているのだが、肝心の政府自身が相変わらず慎重な姿勢をとり、同島への国民の立ち入りさえも原則禁止している。

今わが国がやるべき事は、海上警備や防衛の担当大臣である国土交通大臣・防衛大臣が尖閣諸島を視察して、領土・領海を警備し防衛することの重要性を国内外に認識させることから始めなければならないだろう。さらに、国民の上陸を許可し、周辺で操業する漁船の一時避難場所として利用できるようにするなど、積極的に尖閣諸島活用の方法を進めるべきだろう。

20日のNHKニュースのアナウンサーが「日本の首相が、どこかの国のように問題のある島に上陸する行為をしなくて良かった」と言っていたが、これこそ事なかれ主義の代表みたいな考えである。

何もなければそれでよしとする考えであり、少なくとも日本を立て直そうと言う意識は見当たらない。それが今の体たらくを作ってしまったという反省もなさそうで残念である。                           (松島悠佐)

尖閣諸島への中国活動家の上陸

815日、香港の活動家が尖閣諸島に上陸した。我が国の領土を侵害する違法な行動であり、上陸を阻止するためにもっと毅然とした対応をすべきだったと思うが、手荒な対応は控えろという政府の方針で致し方なかったようである。

注意しなければならないことは、これは単なる民間活動家の行動ではないことである。中国のような活動・報道に対する統制の厳しい国では、この種の行動を事前に止める事は簡単である。今中国国内では政府の政策に反対するデモが1100件近く起きていると言われているが、これらは直ぐに弾圧されほとんど報道もされない。

尖閣諸島上陸の行動が計画通り進められた事は、政府の意向に従ってやっているか、あるいは少なくとも政府の意向に反していないものと見るべきである。

この種の事件を利用して中国は尖閣諸島が自国の領土であることを公式に発信し、国際的な認識を高めることに利用する。

尖閣諸島周辺での海洋調査や漁業活動を頻繁に行い、何か日本との間にトラブルがあれば声高に「自国領である」ことを主張し、トラブルが起きなければ行動をエスカレートさせるのが常套手段であり、南シナ海の南沙・西沙諸島などで長期にわたり繰り返してきた行動である。

尖閣諸島占領に向けて中国が合法的と考えている新たな作戦の段階に踏み込んできたと見ておくべきであり、放っておくとどんどんエスカレートしてくるだろう。

これに対抗するわが国の行動としては、国土交通大臣と防衛大臣が速やかに尖閣諸島に上陸して、領土領海の安全と防衛を全うする事の重要性を国内外に認識させることであろう。それがわが国としての毅然とした対応ではないだろうか。

(松島悠佐)

韓国大統領の竹島訪問で考えるべき事

8月10日、韓国の李大統領が竹島を訪問し、日本の国家主権に対するあからさまな侵略行為を行なった。これに対してわが国は厳しい対応をするとは言いながら、日本大使の召還や国際司法裁判所への提訴が精々だろう。

一昨年尖閣諸島沖で海保巡視船に中国漁船が衝突した時の政府の不可解な対応以来、領土主権に曖昧な対応をすると北方四島や竹島でも同様の事態が起きると危惧されていたが、残念ながらそのとおりになってきた。
尖閣諸島事件の2カ月後の201011月にはメドベージェフ大統領(当時)が北方四島を視察し、今年になってからも首相として再度訪問し日本への返還などあり得ないと気炎を上げた。

当研究所の論文でも度々触れているが、領土問題の解決には力を背景にした粘り強い交渉をする以外に方法はないようである。

今回の竹島も北方四島の問題も、長年それを怠ってきたツケが回ってきたと言える。

現行の民主党政権の対応は極めて拙劣だが、今に始まったことではなくて自民党の時代から続いてきた腰の引けたわが国の外交姿勢がもたらした結果である。

竹島については、日本の主権回復の直前1952128日、当時の韓国大統領が突然「李承晩ライン」を設置し、日本の漁船の締め出しを始めてから問題が生じた。その時日本はまだアメリカの占領下にあり、かつ自衛隊もなく毅然たる対応を望むべくもなかったが、その後自衛隊を逐次整備した後でも、相手を刺激しないとの方針のもとに毅然とした対応をしてこなかった。

韓国は19546月に竹島に警備隊を配備し、その後1957年に接岸施設を建設し、この頃から日本の漁船が拿捕される事件がしばしば起きている。このような事件の解決に際して、主権国家として毅然とした対応をすべきだったのだが、わが国としては国際司法裁判所への提訴を提案するのが精一杯だった。それも韓国側の拒否によって実際には提訴も出来なかったのが事実である。

その後、1965年には日韓国交正常化を図るのだが、その時にも竹島問題を棚上げにして、紛争解決に関する交換公文を交わしただけで、日本側が相当に譲歩した日韓漁業協定が結ばれた。

 韓国はその後も有人灯台・埠頭・居住施設などの建設を続けており、199911月には500トン級埠頭が完成され、2005年からは一般市民に上陸が許可されている。

これらの事実に対してわが国政府の対応が生ぬるいので、20053月には島根県議会が「竹島の日」を条例に定め、領有権を主張しようと努力するのだが、ほとんどのメディアも報道を控えて、政府の事なかれ主義を擁護してきた。

その結果が今日のような体たらくを生んだのだと言える。

野田総理や玄場外務大臣・森本防衛大臣の対応がお粗末だという批判もあるが、わが国の領土問題に対する対応はそんな問題ではなく、もっと根本の問題がある。

それは戦後60年にわたって政治家・学者・メディアが国会と学校と茶の間で国民に啓蒙し続けた間違った平和主義の結果である。

平和は願望だけでは守れない。必要な時には血を流してでも守るという決意が必要である。領土を守る事も同じであり、願望と交渉だけで領土が守れるならば、世界に軍隊はなくなっているだろう。

今となっては竹島も北方四島も相当の戦争を覚悟しなければ還ってこない。だが、尖閣諸島はまだ間に合う。竹島から学ぶ事は、尖閣諸島で竹島と同じ間違いをしないことではなかろうか。
大臣の言質など瑣末な問題に関わらずに、もっと本質的な問題に取り組んで欲しいものである。                

(松島悠佐)
livedoor プロフィール
カテゴリ別アーカイブ
QRコード
QRコード
  • ライブドアブログ