「日米防衛協力のための指針」(ガイドライン)の検討がいよいよ実質的に動き出すことになり大いに歓迎したい。

アメリカは昨年の初めにアジア太平洋を重視する新たな戦略を発表したが、2期目のオバマ政権下でもこの新戦略を継承するようである。

中国の軍事的な台頭とアメリカの財政逼迫の事情が背景にあるようだが、経済的にも軍事的にもアメリカの外交施策の重点をアジア太平洋正面にシフトする戦略である。

防衛体制については、従来までの韓国~日本~台湾~フィリピン~東南アジア諸国の共同防衛体制をさらに広げて、マリアナ諸島(グアム)~マーシャル諸島~ソロモン諸島~オーストラリアの共同体制を強化し、インド洋・西太平洋を一体として対応する体制を模索しているようである。

アメリカにとっても関係諸国にとっても相当大きな変革が予想される。

 

18日、小野寺防衛大臣はアメリカのパネッタ国防長官との電話会談で、アメリカの新戦略に連携して自衛隊の役割強化を考えたいと意思表示されたと伝えられている。これを突き詰めていくと集団的自衛権の問題にぶつかり、これを解決することも必定になってくるだろう。

このような大きな環境の変化の中で、安倍政権が実質的な動きを開始したことに大きな期待を寄せたいが、同盟国アメリカは自国の国益を中心に動いているので、そのことをしっかりと念頭において対応してもらいたい。

日米安保に限らず他国との同盟関係は、自国の利益のために他国をいかに活用するかが中心になっている。アメリカにはアメリカの思惑があり、それを中心に動くのは当然である。TPPの交渉も同様である。

 

今、当研究所では「アメリカの思惑」をまとめているが、それはアメリカの考えていることを少しでも正確に把握する手立てになればと思って始めたことである。

今年の最重要課題は、日米安保の実質的な深化になるだろうと年頭にも書いたが、今年1年は多分具体的な検討が続くだろう。その際、「アメリカの思惑」をいかに判断するかが今後の大きな課題になる。2月には発刊をしたいと思っているので参考にしてもらえば幸いである。(松島悠佐)