2013年02月

中国への備え

尖閣諸島に対する中国の執拗な干渉が続いている。前にも書いたがこのような行動はしつっこく続くだろう。1年や2年ではなく、10年~20年のスパンで対応を考えなければならない。

中国のように古来から民族が争って戦国時代を体験してきた国は、ヨーロッパでも同じだが、力の信奉者である。

「力を信奉する」というのは、むやみに武力を行使するということではない。力の弱い時にはじっと我慢し、力をためて、十分な力を持った時に打って出る考えである。

中国には古くから16字戦法というものが言い伝えられている。

「敵進我退、敵駐我擾、敵疲我打、敵退我進」。すなわち、敵を撹乱して、疲れるまで待って、しかる後に打って出るという戦法である。

尖閣諸島では、今さしずめ、わが国を撹乱し疲れるのを待っているところだろう。

わが国としては、疲れない体制をとって、中国に「勝機が来た」と思わせないようにすることが大事である。

そのためにやるべきことは、海上保安機能を抜本的に強化して、疲れないような警備体制をしっかり作って、自衛隊の対応戦力を強化して、付け入る隙を与えないことである。それは、わが国が十分にできることである。

今、安部政権が遠慮がちに進めようとしている政策は、もっと大胆に進めるべきだろう。中国との衝突を避けるためには、それが必須の政策だからである。

反対に、中国が「敵疲我打」という判断をした時に戦争が始まるだろう。

自衛力を強化すると戦争が起き易くなるという理屈は間違っている。

抑止力の意味をしっかりわきまえて、道を誤らないようにして欲しいものである。

(松島悠佐)

日本と中国の交戦規定・判断基準の違い

中国艦艇による射撃用レーダー照射が問題になっている。

現役の防衛大臣まで狩り出されて、種々のコメントが語られているが、根底には日本と中国の交戦規定と領土に対する判断基準の違いがあることを理解しておかないと判断を誤ることになる。

射撃用レーダー照射は政府が命じたことなのか、現場の判断によるものか、と言うような問題の捉え方も愚問である。

レーダー照射をするのかしないのかまで、中央政府が命じるはずもないだろう。中央政府が命じているのは「尖閣諸島を含む東シナ海は中国の領海であり、それを脅かすものには厳正に対処せよ」という指令だろう。

これを受けた軍中央司令部や艦隊司令部は、それぞれの任務に照らしてそれを具現化して対応要領を命じていると思われ、最終的に警戒に当たる個々の艦艇が、さらに具体的な措置を命じるのが普通の軍隊のやり方である。中国艦艇も多分そうしているのだろう。

現場の艦艇にして見れば、相手が敵対行動を採るような気配があれば、ただちに撃破する体制を整えるのが当然であり、そのための措置として射撃用レーダーを照射して攻撃体制を整えていたと思われる。

射撃用レーダー照射は、言わば「領海を守れ」と命じられた艦艇が当然に行う行動と理解しておくことが肝要である。

わが国にはそのような交戦規定はない。海上保安庁が警戒に当たっているが、漁業の不法操業や海上交通の安全確保が主目的であり、武力によって領海を守るというような任務もないし、従って交戦規定もない。

自衛隊はさらに防衛出動が下令されるまで領海警備を命じられることもない。もしこのような平時に中国艦艇から攻撃を受けたら、自衛艦はどう対応するのか。自衛隊では艦艇などを守るために「武器等防護のための武器使用」ができることにはなっているが、これは正当防衛・緊急避難以外には相手を傷つけてはならないというような制限が加えられていて、とても戦闘の用には供しない。

テレビの解説者の中には、中国の挑発に乗らずに我慢するのが得策などと言う人がいるが、それを続けてきた結果が今のような不安全な状態を作ってしまった。

日本が何もしないことがわかれば中国はさらに圧力のラダーを上げてくる。

射撃用レーダー照射が問題ではなくて、中国政府が尖閣諸島を自分の領土だと主張し軍に防衛の任務を与えている、そのことが問題なのであり、それを改めさせることが肝要である。

そのためには、わが国が領土として認知できるような施設を作るなり、人を常駐させるなりして、実効支配を確実にすることが大事である。

日本と中国の領土に対する交戦規定や判断基準の違いをよく理解して対応を誤らないようにしなければならない。(松島悠佐)

中国海軍艦艇による火器管制用レーダー照射

2月5日、1月19日と30日に我が国の海上自衛隊艦艇と、搭載ヘリコプターに対する中国海軍艦艇による火器管制用レーダー照射について、大々的にニュースとして取り上げられた。

艦艇は通常捜索レーダーにより周辺を監視している。これに比べ射撃する場合は目標をピンポイントで補足する必要がある。倍率の高い双眼鏡は広い範囲から小さな目標を発見するには適していないので、全体から見当を付けて範囲を絞って探すということは一般の方でも理解できることであろう。

艦艇も捜索レーダーで目標を探知し、そのデータを火器管制用レーダーに送り、火器管制用レーダーは、より正確なデータを兵器管制システムにインプットする。

ただし、この動作は通常交戦を前提にしているケースにおいてなされる。訓練を除き、通常は公海上で、他国の艦艇に照射するのは正気の沙汰ではない。

全般情勢にもよるが、交戦規定(ROE: Rules of Engagement)で火器管制用レーダー照射を受けた場合、その時点で反撃しても良いとされている場合も多くあると思われる。

我が国は「専守防衛」を掲げているので、相手方が実際に兵器を発射または発砲してからしか反撃しない。そのことを分かって中国艦艇が火器管制用レーダー照射を行ったのかどうかが問題になっているが、対ロシア海軍、対米国海軍の艦艇に対しては絶対にこのような行為は取らないであろう。

中国政府が認識していたかどうかは別にして、現場中国海軍は上記のことを十分理解していたと思われる。

防衛大臣が、緊急記者会見を行ったが、記者の質問に直接答えず、メモを繰り返し読むだけだったのが印象に残る。また、事案のあったのが先月19日と30日だったことも、少し遅い発表のようである。

しかしながら、このような電波情報については各国とも極秘事項であり、中国海軍も、情報戦の一環として実施した疑いもある。これに敏感に反応すれば、我が国の海上戦力の実態をさらけ出すことになり、これは避けなければならないことである。

記者の質問には一般の事案と同じセンスのものがあり、軍事上の常識を理解していないのも甚だしいことである。

このような軍事上の常識をしっかりと理解しているかどうかは、いわゆる軍事専門家もそのコメント内容で判断できる。さすがに、元自衛官の場合は、言って良いことと、言ってはならないことの仕分けがはっきりしていたように思われる。

 (島本順光)

肩透かしの所信表明演説と代表質問

内閣の所信表明演説と各党の代表質問が終わったが、肩透かしの感じがする。

27日の日曜日に、力の入った横綱相撲を見た後だからだろうか?

憲法改正を視野に入れてこの国を正すのだと言う思いが聞かれずに残念な気がした。経済の建て直しはもちろん大事だから,思い切ったやり方でアベノミクスを貫くと言う意識は大いに歓迎する。経済も抜本的な施策が必要だからである。

ただ、中国や朝鮮半島の目前の脅威からも目をそらして、その内うまく収まるのではないかと思っている国民の感覚を、早くもとに戻さないと大変なことになる。

そのためには憲法を改正する、あるいは新たに設けるという施策が避けられないと思う。戦後の日本がここまでだらしなくなったのは憲法に原因があると思うからである。

質問者の方でも、この点に触れたのは維新の党の平沼赳夫議員だけだった。

安部総理は7月の参議院選挙までは安全運転に心がけているのだろうとの見方が大勢だ。確かに、少し真っ当なことを言うと「右傾化だ」と騒いで足を引っ張る左傾化したメディアが多いから致し方ないのかもしれない。

情けない日本になってしまった。

しかし、近々憲法改正が今年の主題になってくる。どこをどう直さなければならないのか、それぞれの立場で考えておくことが大事である。今度こそ自分達の手で作らなければならないからである。

(松島悠佐)

やはり官僚主導か!

昨年、安倍晋三新総理は「自衛隊の予算を1000億円、人員を1000人増員する」と述べられました。しかし結局は財務省の抵抗にあい400億円の増額と、270人余りの増員にとどまりました。

総理大臣が宣言したことを、実現できないとはなんということでしょう。

特に海、空の約3倍の人員規模を持つ陸上自衛隊は、海・空とほぼ同じ90人程度の増員となっています。対中国、南西諸島防衛などを考えれば、陸上自衛官の増員は喫緊の課題であり、最低でも旧防衛大綱以前の水準まで人員を増やす必要があると思っています。

本年度は、新防衛大綱を白紙撤回して、新たな防衛大綱を策定することとなっています。

予算的配慮から、国を滅ぼしてしまっていいものでしょうか。軍事力というものは国家が頼るべき最終的、絶対的な力です。

また、今であれば国民の理解を得ることもできます。そして何より考えてほしいのは、防衛力というものは、その整備、機能発揮まで時間がかかるということです。

財務官僚の諸氏にも、国が滅びてしまっては元も子もないことを理解してほしいものです。

                                  (島本順光)

livedoor プロフィール
カテゴリ別アーカイブ
QRコード
QRコード
  • ライブドアブログ