2013年07月

「防衛計画の大綱」改訂に向けて

防衛力整備に関わる今年の大きな仕事の一つが「防衛計画大綱の改訂」である。

7月26日、防衛省はそのたたき台となる「防衛力のあり方検討に関する中間報告」を発表した。

以前このコラムにも書いたのだが、防衛計画の大綱は、わが国防衛の基本政策を示すものであり、国家戦略目標を明確に定め、独立主権国家として「本来あるべき姿」を追及することを求めなければならない。

 ところが現状は、憲法や政府解釈などの諸制約によってしばりがかけられ、その時の政治と財政状況の影響を受け、言わば政治・財政的に「妥協した姿」になっている。

 昭和51年最初の大綱が作られた時から3回改訂をしたが、いずれも同様にこの流れの中にある。


「基盤的防衛力構想」、「合理化・効率化・コンパクト化」、「多機能で弾力的な実効性のある防衛力」さらには「機動的防衛力構想」と看板はいろいろ変えたが、結局は自衛隊の航空機・艦艇・人員を漸次減らして防衛予算も削減し、専守防衛・非核三原則の大看板をそのままにして、他国を刺激せず、必要最小限の防衛力を堅持するとの方針の下に、核抑止力を含め戦略的な戦力は米軍に依存する姿勢をとってきた。


これによって種々の問題点が指摘されている。

 一例を挙げれば、北朝鮮の弾道ミサイル試射の対応でも、初期の情報は米軍に頼らざるをえず、落下物に対する防衛策すら、迎撃ミサイルをあっちこっちと移動させ何とか態勢をとったが、隙だらけであることが分かった。

幸いに落下物はわが領土を外れたからよかったものの、もし領土内に落ちていたら惨事になった可能性もある。

「情報収集衛星を導入したのに、早期警戒情報が採れなかった」、「1兆円もかけた弾道ミサイル防衛システムも、あまり役に立ちそうではない」と思った人も多かったと思うが、政府が採用してきた情報収集衛星やミサイル防衛システムの整備はその程度の政策的選択だったのだ。

もっと金をかけて濃密な情報収集とミサイル防護システムを作り、国民への警戒警報システムの構築あるいは防護シェルターの準備などを進めておけば、国民の防護力は増大し、多少の安心感が得られたと思うが、国としてはそのような選択をしてこなかったのが残念ながら事実である。

さらに究極の選択肢として相手の基地攻撃能力を確保していなかったことが挙げられる。敵基地攻撃の能力を持っていたら、断りもなくわが国の頭を超えるような無謀な行動を抑制することも出来たかもしれないが、わが国としてはそのような選択肢は最初から放棄してきた。それが現実の「妥協した姿」である。

中国海軍が、尖閣諸島にしつこいほどの干渉と挑発を繰り返し、南西諸島に圧力をかけている様相は、わが国の希薄な防衛力を瀬踏みしている状況といえる。


「本来あるべき姿」としての大綱を策定するとすれば、独立主権国家として次のような事項を明確にしなければならないだろう。

1.戦略的作戦能力の強化(敵基地攻撃能力の確保、シーレーン防護能力の確保など)

2.戦略情報体制の強化(偵察・監視衛星の充実、国家情報機関の強化など)

3.核抑止力の向上(米軍の核抑止力の強化、非核三原則を正し「核を持ち込ませず」ではなく
 「核を配備する」に修正するなど)

4.中国の太平洋進出に備えた南西諸島防衛体制の構築(尖閣諸島はじめ離島に対する防衛
 警備体制の強化など)

要するに、今までアメリカに依存してきた戦略的な作戦能力を自ら保持して、相手の侵攻の意図に応じて「反撃行動」と「防衛行動」を自在に採れる主導性を発揮するとともに、新たな脅威に対応できる防衛力を整備することである。


今回の「防衛力のあり方検討に関する中間報告」にはそのような方向性が伺える。

 どのような装備を、何時までに、どの程度整備するのかは、防衛力整備に携わる防衛省・自衛隊の現職の諸官にお任せしなければならないが、国の安全を危惧する日本人の一人として、向かうべき方向を間違わずに進んでもらいたいと期待して止まない。

 わが国の安全保障上の本質的な問題は、この「あるべき姿」と「妥協した姿」とのギャップをどのようにして埋めるのかということに尽きると思うからである。

(松島悠佐)


参議院選挙の結果

new009_06参議院選挙が終わってメディアの各紙・各局の総括も一通り終わりました。

日本維新の会から比例代表で出馬した「石井よしあき氏」が当選できなかったのは残念でしたが、応援していただいた皆様には心から感謝申し上げます。有難うございました。

4月に自衛隊を退職してからの短い期間でしたが頑張ったようです。これからも政治の道を進みたい意向のようですので、私も応援をして行きます。宜しくお願い申し上げます。

今度の選挙に期待したことは、戦後の歪められた歴史観を元に戻すための体制作りでしたが、自民党の圧勝で形は出来つつありますが、中身はどうでしょうか。

憲法改正を正面に掲げて主張し、当選した議員の数はさほど多くないような気がします。相変わらず、主義主張のよく分からないタレントが票を集めて当選していますが、果たして戦後体制からの脱却にどれほどの働きをしてくれるのでしょうか。

自民党と公明党との与党共闘も、「戦後体制からの脱却、憲法改正」という政治理念を貫いて進めばいずれ破綻が来ると思います。

本当に共闘できる政党と政治家は誰なのか、それをしっかり見分けることが大事になってきました。(松島悠佐)

戦い終わって

参議院議員選挙が終わりました。与党の圧勝でした。

防衛省出身議員は、佐藤正久氏が当選しました。

当研究所の応援した、石井よしあき氏は善戦むなしく落選でした。

応援していただいた皆様方に、厚く御礼申し上げます。

安倍総理大臣は「改憲」「国防軍」に前向きな姿勢を示していますが、自民党政権そのものはどう動くか予想できません。特に公明党との連立政権であることを考えると、今後の推移を見極める必要があるでしょう。

今年は「防衛大綱」を見直し、防衛政策の根本から練り直すと思われます。

当研究所はこれまで「尖閣諸島が危ない」「朝鮮半島が危ない」「極東ロシアの軋轢」「アメリカの思惑」と連続して我が国の防衛政策に大きく影響する国々について分析して参りました。今年は防衛大綱見直しについて注視しつつ、当研究所としての、我が国の進むべき道についてまとめようと考えています。ご期待下さい。

 

また、先日の飛行艇での救難事案から、当サイトへのアクセスが急増し、特に「自衛隊面白はなし」への関心が高いことが分かりましたので、以前にも増して力を入れたいと思っています。

今後ともよろしくお願い申し上げます。

ネット選挙、防衛代表議員

現在、参議院議員選挙の真最中です。みなさんも街宣車からの呼びかけを一度ぐらいは耳にされていることと思います。

今回、初めてインターネットによる選挙運動が可能になりました。これまでは、選挙期間中、関連するホームページなどは閉じなければなりませんでした。

今回はメールやツイッターなども使用して選挙運動が出来ます。

 

防衛関係では、佐藤正久氏が自民党から、石井よしあき氏が日本維新の会からそれぞれ出馬しています。

佐藤正久氏は「防衛を重視することを内外に示すため、大量得票する必要がある。40万票以上のご支持をいただきたい。」と訴えられています。

自民党への追い風もあり、トップ当選も可能かもしれません。

002 

石井よしあき氏は、この4月に退官されたばかりですので、選挙運動を全国規模で実施できる体制にはありませんが、田母神元航空幕僚長とタッグを組んで戦っています。当研究所の、松島悠佐代表も途中参戦ですが全力で支援しております。佐藤氏の言われるように、一人が大量得票するのも有効ですが、自衛隊出身議員が二名誕生すれば、もっと有効だと思います。さらに、与党、野党両方に自衛隊出身議員が居ることも国会審議を活性化できます。

安倍総理大臣は国防に熱心な発言をしていますが、今までの半世紀、我が国の国防を今の状態にしたのは自民党です。自民党・公明党政権が絶対多数を占めた場合、国防に対して、憲法改正に対して、今、安倍総理が言われていることが実行に移されるかは非常に疑問です。

こんな時、防衛専門家である石井よしあき氏が議員として発言できることが重要なのです。

 

当研究所は参議院議員選挙、比例代表(全国区)は、石井よしあき氏を是非とも当選させていただきたいと思っています。皆様のご支援をお願い申し上げます。

livedoor プロフィール
カテゴリ別アーカイブ
QRコード
QRコード
  • ライブドアブログ