二年前〈20113月〉「朝鮮半島が危ない」を刊行してから、朝鮮半島とそれを取り巻く情勢が大きく変化し、北朝鮮は金正日から金正恩に、韓国では李明博から朴槿惠に指導者が代わり、中国も習近平の新たな体制が始動した。

アメリカはオバマ大統領が2期目に入ったが、外務・国防大臣をはじめ主要な閣僚が一新しこれまでとは違った体制になった。

  北朝鮮の若い指導者・金正恩も金日成・金正日の遺訓を受け継いで、核とミサイルを重視した軍事力強化の姿勢を継承しており、国際的な批判を無視して核実験や弾道ミサイル試射を強行し、さらには韓国をはじめアメリカ・日本への武力攻撃も辞さないとの挑発的な発言を繰り返している。

 

韓国初の女性大統領になった朴槿惠大統領も、北朝鮮の威嚇や挑発に屈することなく、武力行使に対しては断固たる反撃の姿勢を明示しているが、他方で中国との連携も模索している。

金正恩国家主席も朴槿惠大統領も、北の経済復興を実現し、南北の安定した状勢を作り出したいと思っているのが本音と思うが、互いに主義主張を認めるというのは、言葉は簡単だが実行はきわめて難しい。この点をどう捕らえるのかが朝鮮半島情勢を考えるポイントになるのだろう。

このような視点から、改訂版をまとめ10月はじめに発刊することになった。

前刊で記述した内容のうち、朝鮮半島情勢を考える際の「地政学的に見た意義」、「北朝鮮の誕生」や「統一の戦略」に大きな変化はないし、「半島有事とわが国への波及」あるいは「わが国への脅威と採るべき施策」も基本的に変わりはないが、朝鮮半島を中心とした新たな情勢の変化を付加し、合わせて全体の構成をまとめなおした。

 

弊研究所の資料、「尖閣諸島が危ない(2012年改訂)」、「極東ロシアの軋轢(2011年)」、「アメリカの思惑(2013年)」と合わせて読んでいただければ、わが国周辺の情勢とわが国がしなければならないことが明らかになると思う。情勢を正しく理解するうえで参考になれば幸いである。

〈松島悠佐〉