「2・5・8(リャン・ウー・パー)」はマージャンの時によく使われる言葉だが、これを使って中国人の力に対する感覚を説明してくれた人がいた。

中国人の力の評価は結構控えめで、相手と対等の力を持っていても相手より劣っていると感じるのが中国人だという。

2倍の力を持つと対等と考え、5倍の力になると小競り合いなら勝てると考え、8倍くらいになると十分に戦えると思うようになるというものだった。

数値は正確かどうか知らないが、日清戦争やシナ事変・共産革命戦を見てもその傾向はあるだろう。

中国軍はこの20年に亘って海空・ミサイルの戦力を強化してきた。

1996年の台湾総統選挙の時に、台湾独立を標榜していた当時の民進党党首・李登輝氏が優勢になったので、台湾周辺にミサイルを撃って選挙妨害にでた。しかし逆に米軍の空母群が進出し、「公正な総統選挙をミサイルで妨害するな!射撃を止めなければ基地を叩く」と迫られ、射撃中止を余儀なくされた。以来その意趣返しに、沿岸防衛型だった海空軍を強化し、わが国の南西諸島から台湾・南シナ海を防護できる海洋戦力を強化してきた。

空母「遼寧」を整備し、昨年(2016)12月宮古海峡から台湾を一周したのは、ここまで出来たぞというアメリカに対するデモンストレーションだったのだろう。

しかし、「2・5・8」の感覚から見れば、やっと米軍に近づいた程度の戦力であり、日米防衛協力がしっかりしていれば、何か行動を起こすには不十分だと思っているだろう。

しかし、日米共同体制が不十分で米軍があまり機能せず、日本の自衛隊だけになったら、「今の戦力で小競り合いなら出来るかな?」と思うかもしれない。中国にそのような感覚を持たせてはならない。

わが国が自ら島嶼防衛能力を強化し、さらに米軍との共同防衛体制を強化しているのはそのためである。

中国人は慎重だが隙を見せてはならない。

これから日米の政治交渉が始まるが、トランプ大統領に言われなくてもしなければならないことがある。中国から手出しをされないように抑止力として日米の防衛能力を強化することである。

(2017・2・1、松島 悠佐)