「威嚇作戦の効用」


アメリカも北朝鮮も相手を威嚇する作戦を演じている。アメリカが空母や原潜を配備して攻撃態勢を整えれば、北朝鮮は海岸に砲列を敷いて火力打撃の様相を見せ付ける。

このような威嚇作戦は自然界でも常套手段である。猛獣が大きな唸り声を上げたり、鳥が羽を広げて姿を大きく見せたり、猫が背中を高くして毛を立てて姿を大きく見せたりするのと同じである。「近寄るな!寄らば切るぞ!」という作戦である。

アメリカも北朝鮮も両方とも戦争を避けようとしている。「寄らば切るぞ!」という姿勢を私はそのように理解している。

当面はお互いに理性が働いてこれ以上の刺激を与えないように動くだろう。だがこれで争いが終わるわけではない。

北朝鮮は、アメリカ本土への打撃能力を持つまで核とミサイルの開発を続けるだろう。それが彼らなりの朝鮮半島統一の道だからである。

アメリカは、北朝鮮が少し民主化して、西欧諸国と共通の価値観を持つ国になることを望んでいるのだろう。少なくともアメリカ本土に核を打ち込むような体制は作らせないだろう。

この相容れない理念を私は「解けない連立方程式」だと理解している。

今のところどのような形でどのように進むのかは予想がつかないが、アメリカも中国・ロシアも南北朝鮮も現状の分裂国家の状態で我慢するのかもしれない。あえて「解けない連立方程式」の解を求めず、時に威嚇作戦を繰り返しながら時を過ごして行くのかもしれない。わが国がするべきことは、威嚇作戦が機能しなくなって「チャンバラ」が始まった時にあわてないように防衛態勢を整えることだろう。

その点では韓国を見習って防空壕や核シェルターの整備をまずしなければならないのではないか。


(2017・4・27 松島悠佐)