トランプ大統領

日本の役割を見直そう

「日本の役割を見直そう」

 

アメリカのトランプ大統領が中東を訪問したり、G7やNATOの首脳会議に出て外交を展開している。トランプ流のアメリカ・ファーストを主張し欧州各国とギクシャクしているが、安倍総理はアメリカの同盟国としてそのとりなしに努力している。

アメリカの経済は衰退が指摘されているが、2016年の統計ではGDPは約1800億円で世界1位であり、世界のGDPに占める推定比率も24.5%、一人当り国内総生産では550万円で11位だが、世界を動かす経済力は優れている。

これに軍事力を考慮すれば、アメリカはNATO・日本・韓国・フィリピン・オーストラリアなど40カ国との安全保障条約を結び、核弾頭約8000発を保有する軍事大国であり、国際紛争解決の力は強くその影響力も格段に強い。

国際・国内を問わず、事態を動かすには総合力(外交力・軍事力・経済力・問題解決力・信頼性等)が必要だが、アメリカは主役となって世界を動かせる力を持っている。

日本は経済や科学技術には優れているが、軍事力は殆ど無く国際紛争解決の力もない。日本は主役にはなれないが脇役となって主役であるアメリカを助けることは出来る。

「脇役は主役の足りぬところを補って、主役を引き立てるもの」それを実行に移しているのが安倍外交だろう。

主役のアメリカが混乱している今こそ、脇役としての日本の役割が求められている。

私は「安倍政権でよかった」と思っている一人だが、安倍総理の外交力を発揮するためには、国内の安倍たたきの問題から開放してやるべきではないかと思っている。

誰だって叩けば少しぐらい埃は出るだろうが、今はそんなことをしている時ではない。

アメリカとの連携を強化し、「主役を立てるが跪かず、脇役の存在感を認識させ」、アメリカの孤立を支えてやる施策が求められている。これがわが国の安全保障政策の基軸である。

今「売りの外交」の時期ではないのか。

(2017・6・4 松島 悠佐)

 


握手と棍棒


「握手と棍棒」

国際間には色々な人種や国家がある。信じる宗教や考え方も違うのだから争いもある。だが、争いをなるべく避けて協調を主にすべきだと思っている人も多い。したがって、握手と棍棒が欠かせない。どちらか片方だけだと効果が発揮できない恐れがある。

握手だけだと「力の後ろ盾のない盟約は何の意味も無い」と言われるように、いくら約束を交わしても守られない恐れがある。棍棒を振り回すだけでも解決は難しい。

シリアや北朝鮮をめぐる動きを見ているとそのことがよくわかる。

数年前にシリアで化学兵器が使用された時にオバマ大統領は制裁を口にしながら棍棒を使うことをためらった。北朝鮮に対しても「戦略的忍耐」を掲げて棍棒をためらってきた。そのことがシリアで再び科学兵器が使用され、北朝鮮が核とミサイルの開発を堂々と続ける結果を生んだ。

トランプ大統領はシリアに制裁を加え、北朝鮮にもその態勢を整えようとしている。それだけではない。シリアにはロシアを通じて、北朝鮮には中国を通じて協調を求めようとしている。

これからの成り行きを見なければならないが、外交は「片手に棍棒を持って握手する」ことから始まると教えられた。今度は「握手と棍棒」の両方がそろっているので何らかの成果が上がると期待している。

(2017・4・13 松島 悠佐)


組織犯罪処罰法改正案(テロ準備罪法案)の国会審議

 「 組織犯罪処罰法改正案(テロ準備罪法案)の国会審議」


テロ対策の一環として国会で審議されていた「テロ準備罪法案」が、いよいよ終盤の審議に入ってきた。

この問題については、2月に「トランプ大統領のテロ対策」でも少し触れたが、テロを未然に防ぐには性善説で検討するには限界があり、性悪説に立って対処しないと出来ないことも多いと思う。

この審議では、「対象を拡大して捉えないとテロを捕捉出来ない」とする意見と、「あまり広げると一般の人や労働組合などまでが対象になりかねない」と警戒する意見があり、対象組織を絞り込むのが難しかったようである。

具体的な検討は難しいが、テロを阻止しようとすれば「一般の人や組織」もまず疑って掛からなければならないのではないかと思う。

つい先日ロンドンで起きたテロも事態の直前まで「一般の人」として車を運転していた人が、突然歩道を暴走し市民を跳ね警察官を殺害した。

街に据えられた監視カメラも「悪い人も一般の人」も分け隔てなく監視している。それがプライバシイの侵害になると言う人もいるが、その位のことは我慢すべきだと思っている人が殆どだろう。

イスラエルに旅行した時のことだが、飛行機の手荷物検査は徹底していた。出発の2時間前に空港に来いと言われてそのとおりにしたが、荷物を全部あけて調べていた。

「俺は怪しい者ではない」と言いたかったが、敵性国家に囲まれたイスラエルだから仕方のないことだと思って諦めた。


9.11事件や地下鉄サリン事件、あるいはアジア・ヨーロッパで起きている爆破事件などどれを見ても、平常の生活では考えられないことが起きている。

テロを阻止するという視点から見ると「一般の人や組織」もまず疑って対応してもらう方が、安心なのではないだろうか。

“疑ったらきりがなく、普通の人まで疑われるようになる”として人権侵害を盾に、主張する政党や政治家もいるが、テロの本質はそこにつけこむのが狙いだろう。

テロ組織はあらゆる機会を利用して実行の機会をうかがっている。テロに備えるためには「性善説ではなく性悪説」、「一般の人や組織も多少の犠牲や不便を強いられる」ものだと理解することが大事だろう。

(2017・3・24 松島悠佐)


トランプ大統領のテロ対策

「トランプ大統領のテロ対策」
 

トランプ大統領はテロ対策の一環として、中東など7カ国からの入国を緊急的に阻止する大統領令を発した。これが憲法に違反するとして連邦司法裁判所から提訴されている。

この混乱は暫く続きそうだが、日本のメディアはトランプ大統領が独断と偏見で決定したことで、国際的な視点に欠けているとの意見が強いようだ。

確かに、コンピューター業界をはじめ各界ではグローバル化が進み、緊急的に阻止された中東7カ国からの人の出入りも多く、活躍している人も多いようで大統領令には問題ありとの意見も強いようだ。

だが、テロを阻止するという視点から見るとどうだろうか?

テロ組織はあらゆる機会を利用して実行の機会をうかがっている。

2月15日、北朝鮮の金正男がクアラルンプール国際空港で暗殺された事件が起きた。小説まがいの出来事だが、要人暗殺や破壊活動など、テロ組織はわれわれの普段の常識では考え付かないことを仕掛けてくる。テロ阻止という視点に立てば、アメリカも国際協調を重視し性善説を掲げて中東からの移住を受け入れるわけにはいかないのだろう。

9・11テロからすでに16年が経っているのに、テロ組織を完全に阻止する有効な手立ては出来ていない。トランプ大統領から見れば、今までやるべきことをやっていないとの思いが強いのだろう。

トランプ大統領が目論んでいるのはテロ組織侵入を阻止する緊急対処である。テロを阻止する施策を作るまでの緊急措置として3ヶ月ほど移入を禁止するというものである。

3ヶ月ほどでどれだけのことが出来るかわからないが、トランプ流に進めれば有効なものが出来るかもしれない。

わが国でも、テロ組織認定の幅を少し広げるだけでいろいろと議論が起きている。テロはもともと合法的なものではないので、性善説で検討しても限界がある。

危機管理、特にテロに対する緊急事態の対応などを考える際には、時に常識の枠にとらわれず、時に性悪説に立って対処しないと出来ないこともある。

トランプ大統領が考えている施策は、わが国のように国家緊急事態という認識が薄い国にとっては特に貴重なものになるだろう。


テロが起きれば被害を受けるのは国民であり、それに対処するのは政府・警察・軍(自衛隊)等である。司法関係者が法律論を語っても対応は出来ないだろう。

日本は国際的には安全に疎い国と見られているが、テロへの備えはわが国にとっても重要な事案である。

トランプ大統領令は強引な手法かもしれないが、その強引さを批判するだけではなく、テロ対策を万全にするという視点からどうすればよいのかを考えるよい機会にすべきだろう。

(2017・2・16 松島 悠佐)

 

中国人の「2・5・8(リャン・ウー・パー)」の感覚

「2・5・8(リャン・ウー・パー)」はマージャンの時によく使われる言葉だが、これを使って中国人の力に対する感覚を説明してくれた人がいた。

中国人の力の評価は結構控えめで、相手と対等の力を持っていても相手より劣っていると感じるのが中国人だという。

2倍の力を持つと対等と考え、5倍の力になると小競り合いなら勝てると考え、8倍くらいになると十分に戦えると思うようになるというものだった。

数値は正確かどうか知らないが、日清戦争やシナ事変・共産革命戦を見てもその傾向はあるだろう。

中国軍はこの20年に亘って海空・ミサイルの戦力を強化してきた。

1996年の台湾総統選挙の時に、台湾独立を標榜していた当時の民進党党首・李登輝氏が優勢になったので、台湾周辺にミサイルを撃って選挙妨害にでた。しかし逆に米軍の空母群が進出し、「公正な総統選挙をミサイルで妨害するな!射撃を止めなければ基地を叩く」と迫られ、射撃中止を余儀なくされた。以来その意趣返しに、沿岸防衛型だった海空軍を強化し、わが国の南西諸島から台湾・南シナ海を防護できる海洋戦力を強化してきた。

空母「遼寧」を整備し、昨年(2016)12月宮古海峡から台湾を一周したのは、ここまで出来たぞというアメリカに対するデモンストレーションだったのだろう。

しかし、「2・5・8」の感覚から見れば、やっと米軍に近づいた程度の戦力であり、日米防衛協力がしっかりしていれば、何か行動を起こすには不十分だと思っているだろう。

しかし、日米共同体制が不十分で米軍があまり機能せず、日本の自衛隊だけになったら、「今の戦力で小競り合いなら出来るかな?」と思うかもしれない。中国にそのような感覚を持たせてはならない。

わが国が自ら島嶼防衛能力を強化し、さらに米軍との共同防衛体制を強化しているのはそのためである。

中国人は慎重だが隙を見せてはならない。

これから日米の政治交渉が始まるが、トランプ大統領に言われなくてもしなければならないことがある。中国から手出しをされないように抑止力として日米の防衛能力を強化することである。

(2017・2・1、松島 悠佐)


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