「中国軍の軍備強化」


中国は8月1日、軍建設90周年を迎え異例の軍事パレードを行い、「戦える軍隊」「世界一流の軍隊」を目指すことを宣言した。この10数年海・空軍・ミサイル部隊の戦力を強化しわが国の南西諸島への圧力を強めているが、長期にわたって核戦力やサイバー戦・宇宙戦の能力も強化してきた。

核戦力や宇宙の軍事利用については60年も前に毛沢東がアメリカに負けるなと檄を飛ばして戦力開発を宣言した。あれから半世紀以上の努力の蓄積で、有人人工衛星を打ち上げ、月面軟着陸を成功させるなど今ではアメリカ・ロシアに次ぐ宇宙開発を遂げた。

核戦力、ミサイル戦力、宇宙利用、陸・海・空軍の強化を遂げた中国はそれを今回の軍事パレードで内外に示した。

今中国軍が目指しているのは、ネットワークを中心にした戦いNCW(Network Centric Warfare)である。

一昨年末(2015・12)に軍の大改革を行って、今迄持っていなかった「戦略支援部隊」を新設したが、これがネットワーク中心の戦いを実行する司令塔になるのだろう。

NCWは革新的な戦い方で米軍は10数年前から模索しているがいまだ完成していないようで、2030年ごろには実用化できると見られている。中国はそれに遅れること約20年で2049年の中華人民共和国建設100周年を目指して実用化を模索しているのだろうと想像する。NCWは、あらゆる戦力をネットワーク化して迅速な状況判断と指揮機能を高め最適の戦い方を決めるものだが、細部はまだわからないことも多い。しかし、情報収集分析・指揮命令・戦力運用の分野で画期的な効果を発揮すると思われ、これが完成するととても従来の手法では太刀打ちできないのではないかと危惧する。

中国軍の強化はここに焦点が当てられている。わが国もこれを見据えて対応を考えなくてはならないだろう。

中国は軍事技術的には未熟なところも多々あるが、核・ミサイル・宇宙開発など長い時間をかけてじっくり取り組む力は十分にある。それは歴史が示している。

このNCWも侮らずにしっかり見ておくことが必要だろう。(2017・8・9 松島悠佐)