防護の基本は「穴ごもり」


北朝鮮がミサイルを撃ってきたらどうするのか?

国や自治体は「なるべく強固な建物に入れ」とか「窓の無い建物に入れ」などと言っているが、要するに「穴ごもり」を薦めている。だがわが国にそのような施設は整っていない。

弾道ミサイル攻撃に備えるために「防空壕や核シェルター」は必需施設だと思うのだがわが国では無関心に過ごしてきた。

それでも30年程前には「核シェルター」を整備すべきだという考えがわが国にもあった。シェルターの構築・販売を手がける企業が中心だったが、国や地方自治体の協賛が得られずいつの間にか消滅してしまった。

この事業は民間の企業が旗を振って進められるようなものではない。言わば国家の防衛施策として進めなければならないものだと思う。

1980年代、東西冷戦のさなかに私は西ドイツで防衛駐在官として勤務していたが、当時の西ドイツは、核シェルターに関心が高く、それを推進する「民間防衛庁」もあり、言わば民間防衛先進国だった。日本からも視察に訪れる人もあり私は何度か案内役を勤めた。

  • 個人住宅建設の際に地下にシェルターを構築する事を奨励し、その費用は国が援助する。
  • 学校、公民館などの公的施設の建設に際しては地下に相応のシェルターを構築する事を義務付ける。
  • 地下施設には水・食糧・医薬品を準備し最低1週間は外界と遮断して生活できるようにする。

概要このようなことが決まっていた。

当時首都だったボンの地下鉄駅は2000人ほどの避難所が準備され、水や食糧も倉庫に収納されており、ここが見学のポイントにもなっていた。

残念ながらわが国にはそのようなものは無い。こういうことを整備するには時間が掛かる。しかし何時かやらないと国民の安全は守られない。

2020年にはオリンピックが開催されるが、「穴ごもり」の施設を整える良い機会ではなかろうか。             

(2017・4・28   松島悠佐)