朱儒庵にて

絵画論を中心に、愛犬るな号(ゴールデンレトリーバー)との生活、薔薇の育成等

制作した作品の掲示と、その説明、また関連した芸術論を思いつくまま述べます

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  つるアイスバーグ、昨年は20Fにも描いた。つるバラは、枝を少し描き入れることで構図に変化を与えられるが、同じような花ばかりなので色彩的にも形態的にも単調になりがちだ。この作品では、フェンス越しに透けて見える光を入れることで工夫をしてみた。


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  ピンクの大輪、典型的なバラだが、当たり前すぎてあまり面白みがない。少し日当たりの良い場所に移植したので遅れて今頃咲き始めた。ほとんどのバラがなくなったので有り難い。他のバラは1月末から2月にかけてだが、暮れになったら剪定をして、少しだけ早めに咲かせるつもりだ。


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  ローラというバラは朱色の大輪で一際目立つ。形も良いが、我が家では日当たりが悪いので花付きが今一だ。今シーズンは10輪ばかり咲いた。いつも半逆光になってしまい描くのが難しい。


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 これも少し小さく扱ったので、どうかと思い放置していた(8F~10F号が適切か)が、とりあえず加筆して完成させた。一番花の多い時に描いたので花だらけで形に面白さが足りない。十数輪を固まりとして捉えることで繰り返しを避けた。


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  ヴァージンキャンバスに描いたジャルダンドゥフランスの二日目終了。地塗りしたものに比べキャンバス目がしっかりとしていて力を込めて描くのが楽なものの、絵の具が浅く一回では出来上がらない。特に透明な絵の具は浅くなるので、中間色で濁った色合いで、しかも後でかぶせる絵の具のことも考えて描かなければならない。花の形が変わってしまうので、最初からある程度は描き込むのだが、二回目を描くまでに絵の具の乾きを待たなければならず、結局遠回りになる。大きな作品ならどのみち絵の具により厚みが必要なので、地塗り無しで描き始める方が良い様にも思う。ただし、新しいやり方で苦労しているうちに、思わぬ効果も発見できることもあるので、手際よく描くことだけが正解とはいえない。鈍った色彩、暴れた絵の具、フレッシュな色彩、落ち着いた階調、どれが良いとも言えず、うまく調和すれば色々ある方が良いのであって、計算通りにできてしまうと軽い絵になりがちだ。
  この作品は、もう一回暴れた絵の具を少し押さえて発色を良くする必要があるだろう。


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  4F号は少し小さかった反省で、6Fに描いた。前作で描いた花の下に咲いていた花たちだ。なので上部も葉だらけ。左端に犬小屋があり、入れかけたものの、これは省略した。立体感が足りないかも知れない。中央の花は少し開きすぎ、あと2日位で終わるだろう。花摘みしなければならないが、フェルゼン伯爵は香りが良いのでもったいなく、いつもだらしない姿になるまで花摘みを躊躇ってしまう。



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  3輪の花が重なっていて、一見何が何だか分からない。上下ひっくりかえしても構わないくらいに思えるかも知れない。葉をもっときちんと描けばなんとかなるのだろうが、説明的になるのを避けてこれでよしとしている。

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  ジャルダンドゥフランスが遅れて咲き出した。つるバラ(新雪)の下で日照条件が悪く生育が良くないので、今年の冬に移植しようかと考えている。朱に近い、柔らかいサーモンピンクの花が気に入っている。3点描いた。地塗りした3F号と、地塗りが間に合わず、ヴァージンキャンバスの4F号、それに別のバラが描いてあった古キャンを使った。この作品は古キャン利用のものだ。塗りつぶさないで元の色を活かしながら描いてみた。形を無視することはないが、とにかく絵の具を置いてみただけ、思わぬ色合いになり30分足らずで筆を止めた。もっと描きたいが、現状を残したい。今後の制作のヒントになりそうな気がしている。

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  今年はマチルダの次に一番描いた。蕾から開花までは時間がかかるが、花保ちも良くなかなか沢山咲く。まだ少し絵の具が浅く水彩画的だ。葉の部分が大きいので説明的かもしれない。


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  今年一番沢山綺麗な花をつけたブルー系のバラ。庭だけでなく辺りに素晴らしい香りをふりまいた。「ベルサイユのばら」から付けられた名前なのだろうが詳細はわからない。ブルー系のバラは育てにくいと言われていて、購入に躊躇したが、これほどに育ってくれてうれしい誤算だ。我が家には、他にデオレサンスとノバーリスが元気に育っている。デオレサンスは少し明るく青みが強い、形も良いが花が開ききるのが少し早い。ノバーリスは一番丈夫だが、花びらが小さく密集した花で、絵にはあまり向かないように思う。やはりフェルゼン伯爵が一番だ。
  4F号では小さ過ぎた。8P号位に描けば良かったと思う。ブルー系のバラは育てにくいだけでなく描きにくい。実際には濃いピンク、あるいは紫と言うべきだが、ピンクのバラとは区別した色合いにしたいと思ってしまう。

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  全面花と葉だけで、大雑把に言えば2色で構成してみた。うまくいっているとは言い難いが、それなりには描けた気もする。写真よりも実物はコバルトブルーが強い。ほとんどモノクロムの絵だが、画面に同じ要素は無いようにということを一番に心がけた。
  全開のアイスバーグはもっと派手な感じがするが、10Fではこの位の花数が適当だろう。私は大体実物大に描くことにしているので・・・



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  アイスバーグの連作。前作を制作したので、その反省で初めから計画ができ、途中で変更することがなかった。手際よくできたが、その方が良いとばかりとは限らない。変更のため新鮮さが無くなることの方が多いものの、手際よくいきすぎると絵が軽くなる。上手すぎる絵は綺麗だが、何か伝わるものが少ない気がする。微妙なところだ。

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  真黄で本当に美しいが、描くのはいつも苦労だ。もっと色々な描き方もあるのだろうが、どうしても強い黄色で描かないではいられない。学生の頃、よくローカルカラー(固有色)にとらわれない様にと先輩の画家に言われ、その通りと思うがやはり先ずはこの黄色を表現したいという思いから始める。我が家では、狭い庭で20種類のバラを育てているが、様々なバラを描いているとなお一層その思いが強くなる。

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  暑くなって、外で描くのは厳しい。30分以上だと辛い。あれほど咲きほこったマチルダもほとんど花殻つみの対象となってきた。花殻を摘めばぽつぽつだが返り咲く。11月までずっと咲いてくれるので健気に感じる。
  アトリエでは僅かな加筆にとどめた。

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  二つの花が重なっていて判然としない形だが、この方が新鮮さがあるように感じる。何枚も何枚もバラばかり描いていると、花の一輪一輪を描くのは面倒になる。横着なのかも知れないが、人物を描く時も花を描く時も二つの対象を描く場合は一つにして描かないと、お互いの関係がでたらめになりがちだ。ここからさらに二輪の関係をきちんとさせる方が良いのだが、あまり描き込むと花が堅くなる(実は単にテクニック不足なのかも知れないが)。
  細部はどの程度に描くべきなのか?書には、楷書の他にも行書、草書、隷書・・・沢山ある。徹底して実物に迫る画法を絵における楷書とすれば、私の作品には楷書と呼べるものは、古いものだけだ。先日描いたコンスタンツェモーツァルトでは、花の細部を含む形に引かれて、かなり楷書に近いが、実物とは大いに違っている。現在は亀甲文字等の絵とも文字ともいえないような古代文字に興味を持ち、良い形を求めて光の悪い朝8時半頃まで書の勉強をしているが、そんな形の絵を描きたいと思っている。書と違って二度塗りは避けられないが、形を失わない様に心がける毎日だ。

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