音屋さんによる編曲のTips。

「4リズム+ストリングス+ブラス」といった編成は、アレンジの基本であり、
アレンジャーにとっては必修項目と言っても過言ではない。

習熟していく過程で各楽器の特性や、
和声や対位法の感覚を身につけていけば、
ポップスだけではなく、あらゆる音楽に応用していくことができる。

常識にとらわれない最先端の音楽を作るためにも、
改めてアレンジの基礎は見なおしておきたい。
ブラス&ストリングス・アレンジ自由自在 完全版 (CD-ROM付)


1: ドレミファ名無シド 03/12/23 23:11 ID:hIMJ0xEy
みんなアレンジどうしてる?

20: 音屋さん ◆SKATED5YVU 04/01/20 08:18 ID:YjI56BUK
お初。
俺、アレンジに興味持ち出したのが音楽始めるきっかけなような
ものだから、こんなスレ待ってました。
バンド経験も皆無だから、ひたすら作りたいジャンルの曲を聴き
まくって、応用が利くまでフレーズを脳内に溜めていったなあ。

15年以上音楽やってるけど、未だにまともなオケ作れている
自信ない。菅や弦の譜面も書いているのに半ば演奏者任せ。
情けない…。

21: 音屋さん ◆SKATED5YVU 04/01/20 08:19 ID:YjI56BUK
生録りもの(DTMでもか?)のアレンジで気を付ける点

オーソドックスなんだけど、
ドラムとベースは重要なのでなるべく丁寧に作る。自分はパーカス
パートまでとりあえず作って後で抜いている

・フルスコア上のコードと各パートが鳴らすコードは違う。
ピアノや ギターが全部テンションバリバリのコードで演奏したら
エライ騒ぎに なっちゃう

ボイシングに気を付けて仕事を分散させてやる

・忙しくしているパートがあったら他は暇にする。ビッグバンドなんか
聴いてても、木管隊と金管隊は対話するような形で交互にフレーズを
演奏して、土台を4rhythmが支えている。

・リズム隊とコード楽器が揃って動く『キメ』は「ここぞ」という時
のみにしないとクドイ

・聞こえにくい音、あってもなくてもどうでもいい音、耳障りに聞こえる
音は全て不要なので削る(自分はこれが下手。48chあったら全部使いたく
なるタイプ)

メロディとベース(あるいは弦の内声部)は、
なるべく違う方向に 動くようにする

・音のぶつかりと不快な音程(ルート以外で-9thになっている所とか) は、
出来れば他人に聴いてもらったり、日を改めてチェックする


24: 音屋さん ◆SKATED5YVU 04/01/20 17:33 ID:rLWW8A81

忘れてた、もう一つ。

Lower Frequency Interval Limit(という用語で私は覚えている)
要するに、音程の低いところでは、完全5度以外の協音程もぶつかって
聞こえるということ。
ベース(orコントラバス)、トロンボーンの下パートとピアノの最低音が
ぶつかりやすい。あと、トロンボーン×4で下の2音が6度とか3度
でボイシングされていたり。

仮に曲全体がディミニっシュ基調で、ベースラインも半音で登り下り
するような珍奇な曲でない限り、やるべきではありません。
音大行ってきちんと理論やったような人でも時々やらかすので、油断は
禁物でし。

25: 音屋さん ◆SKATED5YVU 04/01/20 17:34 ID:rLWW8A81
>>24に補足。

だから、ベースやバスドラなどにはリバーブを深く掛けない
わけです。ミックスの際にも注意が必要ですね。


47: ドレミファ名無シド 04/01/29 06:26 ID:ksCH93Ck
アレンジについて詳しく説明のあるサイトや本知ってます?
大抵は基本的なこと以外載ってないですよね。

48: 音屋さん ◆SKATED5YVU 04/01/29 06:41 ID:0Q3AoQvr
>>47
まずは基本が大事なんだと思います、やっぱり。でないと、
ついついストリングスを平行5度で動かしちゃったり、ブラスの
クローズドボイシングで-9th作っちゃったり、些細なミス

頻繁にしてしまいます(私もそうです^^;)

私が勉強したアレンジ本は、

Don Sevesky『コンテンポラリーアレンジャー』(CD付き)
・Daryl Runswick『ROCK,JAZZ POP ARRANGING』(和訳本も出てる
らしいが詳細不明)
・平野 孝幸『JAZZ & POPS THEORY -編曲-』
実践コードワークシリーズ(全3巻)
・実用ジャズ講座の2巻目
・DTMの達人(だっけ?)のストリングス、ブラス打ち込み編
・その他、中学~高校にかけて読んだ本も数冊あったが、内容はゴミw

意外と役に立つのが、個別のジャンルについて書かれている本、
・石川 武『パーカッション奏法&リズム・アンサンブル』
これ+その辺のCDでラテン系のリズムワークを勉強しましたし、
ラグタイムの曲を作らなきゃならなかったときには、素直に
スコットジョプリンのピアノ譜買って解説読み&アナリーゼで
特徴を掴みました。

ドン・セベスキー コンテポラリー・アレンジャー 【CD付】

52: 音屋さん ◆SKATED5YVU 04/01/29 06:58 ID:0Q3AoQvr
オケは、全ての楽器を自分が手に出来るわけないので、楽器各論の本と
管弦楽法の本を数冊読みました。
ウォルターピストン『管弦楽法』
伊福部昭『管弦楽法』
この2冊はオススメ。必要最低限のことは書いてあるし、引例も有名曲が
多い。

管弦楽法/ウォルター・ピストン 完本 管絃楽法/伊福部昭

71: 音屋さん ◆SKATED5YVU 04/01/31 13:08 ID:YExu/bdT

私自身もポップス中心の曲作りをしていますが、和声の本をやったのはコード
理論を学んだ随分後でした。目的は、自分の知識を体系的に整理したかった
のと、他の曲で使用されている曲(民族音楽やジャズフュージョン)の
コード進行を自分なりに和声的に解釈していきたいと考えたからです。

で、その目的が達成出来たかどうかは甚だ怪しいのですが、ポップスの
曲作りやアレンジにおいて、いろいろと役に立つ効果がありました。
特に大きかったのは

ボイシング、各パートの内声の並びなどに気を使うようになる。
伴奏パートの仕事の振り分けと、音がぶつかるようなパッセージを
避けることが出来るようになる


前者は、特にストリングスパートやブラスのパートを作るのに有効でした。
コードしか知らない場合、転回形程度は使えてもオープン/クローズドで
効果的な音の積み方をするまでには至らないのではないかと思います。
たとえば同じG7というコードをピアノで弾いたとして、低い方からDFGBと
するのと、FGBDとするのとでは音の響きが随分違いますよね。
吹奏楽部などに入って他の人と同じパートで違う音を出しながら演奏した
という経験の持ち主なら、こうしたボイシングや内声部の違いに耳が自然と
いく場合が多いのですが、バンドレベルでは難しいと思います。

72: 音屋さん ◆SKATED5YVU 04/01/31 13:24 ID:YExu/bdT
>>71の続き
ということで、DTMでよくありがちな、パッドみたいな役割しかしていない
ストリングスやリズム隊と同じようなことしかしていないブラスパート
というのからレベルアップして、より幅の広いアレンジが出来るようになります。

ストリングスパートでは平行5度、平行8度を避けつつ、斜行、反行を意識
してゆっくり動かしてやるだけでも本物っぽくなりますし、ブラス
では、ジャズやビッグバンドなどでクローズドボイシングのパートを
組んだ場合、テンションノートが入れやすく格好よい音の積み方を選んだり
出来るようになります。

また、そういったことから、いろいろな音楽を聴いても自然と音の積み方に
耳が行き、それがさらに自分のアレンジの抽斗に繋がることになります。

後者は、すっきりとしたアレンジに欠かせません。
コード理論だけだと、各パートにいろいろなことを同時にやらせ過ぎて
しまい、かつボイシングにも気を使わないものだから、音が濁ったり
ぶつかったりするオケを作ってしまったりします。そして、性質の悪い
ことに「コード自体は合っているから、なんとなくこれでいいように
聞こえてしまう」のです。

私の場合、ゲームの会社入社早々にブラスバンドの曲を作ることになり
ましたが、案の定そんなオケを作ってしまい、ディレクターに注意
されました。
最終的には自分の「耳」が頼りにもなってくるのですが、多数のパートを
使って無理なく効果的なアレンジをするのに自分の場合は有効でした。

で、ギターやキーボード、ベースでは和声はほぼ意識しないで大丈夫
です。並行5度や平行8度がギターやベースでも適用されたら、大概の曲は
アウトになってしまいます。
まずはピアノパートのボイシングに多少気を配ってやるだけでもだいぶ
違うと思いますよ。

73: 音屋さん ◆SKATED5YVU 04/01/31 13:41 ID:YExu/bdT
また>>71の続き

あと、あまり良くないとされる進行もポップスでは意識しなくて大丈夫です。
II→IVやVI→V、V→IV、IV→I※管理人注:たぶんVI→Iのこと、ポップスでは良く出てきますよね。
私もとあるゲームのエンディング曲でわざとII→IV→IV→Vって進行にさせ
ました。メロディがシンプルだったので、ちょっとスムーズじゃなくても
その進行を使うことで印象的にしたいという思惑があったので。

#最近、その曲がリアレンジされたCDが出ましたが、その部分、II→IVの
間にきちんとIIIが入っていました。

アートガーファンクル『愛への旅立ち』の最初の曲"I Believe"のサビは
V→IV→I→V(コード自体はセブンスすら付かないシンプルなもの)ですが、
非常に美しく印象的です。ちなみに作曲者は若きスティーヴィーワンダー。

あと、そうですね、プログレ系の曲をやりたい方などにも和声はお勧めです。
様々な転調の仕方を体系的に学べますし。ソナタ形式っぽく、中間部でぐる
ぐる転調しつつ、かつテーマを広げたり縮めたりしている曲もあったりします
から。

最後に、音楽を仕事にしている人の中では、アーティストや芸術音楽で
飯を食っている人と、ゲームやカラオケ、CMなどで飯を食っている人とでは
圧倒的に後者の方が多いと思います。つまり『商業音楽』と呼ばれる分野に
従事する機会が多いということです。
限られた時間の中で回り道をせずに、
クライアントの意向に沿った曲を 作るためにも和声の勉強は効果的でしょう。

総合和声―実技・分析・原理
74: 音屋さん ◆SKATED5YVU 04/01/31 13:55 ID:YExu/bdT
>>73
訂正。4と6は打ち込みよく間違える(^^;

正:II→IV→VI→V



88: ドレミファ名無シド 04/02/04 23:01 ID:cTJh55/9
ピアノでコードを弾く時ってベースがある場合、一般的に左手のパートは省略した方がスッキリ
するんでしょうか。それとも無いとしょぼくなります?

93: 音屋さん ◆SKATED5YVU 04/02/06 20:18 ID:DWGzJobo

>>88
パート割やメンバー構成にもよるので一概には何とも言えません。ただ、
ベースとユニゾンでギターがリフを奏でるような曲では、ピアノは中~高音域
でカンカン鳴らすのがセオリー
ですし、オルガンもしかり。
逆に、ピアノがベースとユニゾンや5thで低いグルーヴを出すような場合
クラビネットがベースラインを補強しつつ細かいフレーズを弾いているような
場合は、ギターが高いポジションでカッティング刻んでいたりしますよね。

それぞれの音域に効果的に楽器を配置すると、小編成でも音の厚みが出ます。
ある音域に音が集まりすぎていないか、あるいは、ある音域はスカスカじゃないか

とか、チェックしながら編曲していくと良いと思います。

裏技としては、DTMの人なら全パートを絶対音(音色によってはオクターブ違って
アサインされているものもあるので)に直してひとつのパートに全部貼りつけて
みるという方法があります。そして色んな音色で聴いてみたりピアノロールで
チェックしてみたりする。パート全部じゃなくても、ストリングスとブラスの
コンビネーションや音のぶつかりを見つけたりするには有効です。


95: ドレミファ名無シド 04/02/07 07:33 ID:vhzt5nZ0
一つの曲で平均どのくらいの楽器を使いますか?
あと、最大で何個くらいの楽器が同時に鳴ったりしますか?
もちろん曲によって違うのでしょうけれど、自分のオケ聞いてると
音に迫力がないように聴こえてしまうです。
よろしくお願いいたします。

96: 音屋さん ◆SKATED5YVU 04/02/08 14:32 ID:HtRH5Lzs
>>95

>>88で言ったことと被りますが、平均でどのくらいという考えはあまり
しません。どうしてもこの楽器が必要だから使う、って感じです。
ギター一本、あるいはピアノ一本だって十分迫力のある演奏は可能です。

20年くらい前、歌謡曲が生演奏で歌われていたときの編成では、
Drum、Bass、Piano、E.Guitar、そのほか、キーボード(シンセ)が1~2人、
ギターが1~2人、ストリングスはVi6/Va4/Vc2(/Cb2 ※ベースが既にいるので
コントラバスはほとんど使われなかった)か、Vi8/Va4/Vc2、
ブラスはTp4/Tb4/Sax2か、あるいはビッグバンド編成+チューバ、という形
でした
。かなりの大編成です。

現在は、マルチティンバーのシンセが普及しているので、場合によっては
もっと多くの楽器が同時に鳴る可能性があります。私もシーケンサーで60
トラック以上使ってしまってスクロールさせないと全貌が読めないなんて
こともありました。

ということで、『音に迫力がない』というのは、楽器数の関係よりも、
メリハリのある演奏になっているかどうかをチェックするのが良い
と思われます。
どこで盛り上げたいのか、どこで押さえるべきなのか、など。
Aメロのはじめから、サビや間奏で演奏しているような数の楽器を鳴らした
のではのっぺりした感じになって迫力を欠く
でしょう。
またDTMであれば、ベロシティやゲート長がベタ打ちになっていないか
チェックするのも良いかも(但し、あまり凝りすぎると途方もないので、
作業量対効果を見極めた上で)。

 


133: ドレミファ名無シド 04/02/26 09:52 ID:vdW0qzTh
イントロとかエンディングとかもそうだけど、メロとメロの間の音を作るコツってなんれしょう?

135: 音屋さん ◆D7skAteIN6 04/02/26 10:08 ID:lsbs4Y1C
>>133
やり方はいくらでもあります。メロディの一部分のコードやメロディ
ラインを使い回す場合が一番多いでしょう。そのまま使う場合もあれば、
転調させて(キーを変えて)使う場合もあります。すんなり元に戻せる
自身があればどんどん転調させると印象的ですね。

あるいは、そこ専用に耳に残るリフを作って繰り返してやるのもいい
でしょう。
全くオリジナルのフレーズを作る手もあります。メロディに迎合
するものを作るのが一般的ですが、あえてメロディと全然違う
フレーズを当てはめてみるのも面白いです。
コツの答えになってなくてすみませんが、そんな感じでしょうか。



143: ドレミファ名無シド 04/02/28 20:46 ID:nOMB0JJl
サビを特徴づける方法ってなんでしょう
楽器の数を増やすとかしか思いつかない

147: 音屋さん ◆D7skAteIN6 04/03/02 09:51 ID:+tPYtS1J
>>143
サビを印象付ける、というよりも1曲の中でどうメリハリを付けるかって
ことを考えると良いと思います。
楽器配置なりフレーズ配置、リズムの当て方、ブレイクなど、曲を印象付ける
やり方は沢山あります。

手っ取り早くは、登場する楽器が曲の中で同じように活躍しちゃっていないか
どうか。手近のCD聴いてみても、1コーラス目のAメロなんて本当に必要最小限の
楽器しかいないはずです。フィル入れられるのに入っていないとか。
そこから、次第にPadが入って和音感を感じやすくさせたり、楽器の数を増やし
たり、メロディを支えるようなフィルやオブリガートが入っていき、サビに繋がる、と。

逆のパターンもありますよね。例えばそういって盛り上げていった曲の
2コーラス目のサビでは突然リズム抜きで弦だけ、とか。この場合は楽器数を
減らしたことでサビが印象付くことになります。

また、ミディアムテンポの曲なんかで、2コーラス目の後のDメロを盛り上げ
たいがために敢えて淡々としたアレンジにするなんてこともあります。


159: ドレミファ名無シド 04/03/03 15:32 ID:z+td+bKp
>>158
ということは作曲者ってのはメロディのみ書いた場合で、十分クレジット
されるってことですか?

160: 音屋さん ◆D7skAteIN6 04/03/03 16:33 ID:V21xuUgA
>>159
されます。例え鼻歌であろうと、それを譜面起しして他人がメロディを
変更したり付け足したりしない限りは、その人の作曲になります。
作曲者がコードも書けてデモテープも作れて、編曲家なりプロデューサー
なりに自分の意向を伝えられるのが本当は理想なのでしょうが。

逆に、編曲のみに携わった人間には、通常著作的権利は与えられません。
1曲いくらでの買取り制が大半
を占めています。


183: ドレミファ名無シド 04/03/08 17:16 ID:FMd5u5L5
>>181
良スレ発見で便乗質問させて下され。
アレンジ時、各楽器のトップノートの兼ね合いは考慮するものなのでしょうか。
例えばコードがCメジャーの時KEYのトップノートがE、ギターがG、ベースがCである、とか。
いつも適当に揃えてるだけなのですが。

184: 音屋さん ◆D7skAteIN6 04/03/08 17:43 ID:i4rpUJp4
>>183
別に、各パートのトップにコードの構成音を振る必要はないです。結果的に
全てのパートを演奏させた時にそのコード感が出ればいいだけで、ベース、
キーボード、ギターの全てがCとGの音だけしか出していなくても、
ボーカルにEの音が含まれていたり、Cメジャーのスケールで唄ってさえ
いれば、コードはCです。

トライアド(三声和音)の場合、メロディライン(ボーカル)と、それに近い
音域の楽器が近い音程でぶつからないようにするくらいでいいと思います。
例えば、男性ボーカルとギターカッティングのパートが音域的に近い場合、
メロディが♪レドレミレドシド~などと動いていて、ギターのトップが
低めのEだったりすると、レの音とぶつかってあまりいい響きでなくなります。

セブンスやテンションを使う場合は、トップよりも内声部の響きに注意して
やる必要があるでしょう。
バッキングのトップの音は、ボーカルでもインストでも、メロディラインに
干渉するような流れを避ける
。そうすれば、下3度でコーラスやハモリを
支えるスペースも自然と生まれてきて、小編成でも厚みのある演奏が可能に
なると思います。


元スレ:●アレンジ●-●編曲●