2006年11月13日

スカボロー・フェアを聴きながら

村上春樹ワールドが好きだという

素敵なご婦人から、一冊の本を頂いた

「もし僕らのことばがウィスキーであったなら」 著者 村上春樹

もちろん、名前は知っている

ノーベル文学賞の候補の1人と目されたことについても知ってる

だが、今まで一度も彼の作品は読んだことがなかった


なんとも摩訶不思議なタイトル

「もし僕らのことばがウィスキーであったなら」

フォト&エッセイ集

村上春樹氏と奥さんによるウィスキー探訪記である

スコットランドのアイラ島というシングル・モルト・ウィスキーの生産地と、

アイルランドにおけるパブを訪問した時の記録

この本の冒頭、「前書きのようなものとして」の中に

「僕らはことばがことばであり、ことばでしかない世界に住んでいる
 僕らは全てのものごとを、何か別の素面のものに置き換えて語り、
 その限定性の中で生きていくしかない
 でも例外的に、ほんのわずかな幸福な瞬間に、
 僕らのことばはほんとうにウイスキーになることがある
 そして僕らは
 いつもそのような瞬間を夢見て生きているのだ。
 もし僕らの言葉がウイスキーであったらな、と。」

他の作品も読んでみたくなるような

なんともカッコいいセリフではないか

これが村上ワールドなのか?  


本文の中で、一番興味深かったのは、

アイラ島の牡蠣は大変美味であったとある
「生臭くなく、小ぶりで、潮っぽい
 つるりとしているが、ふやけたところがない
 そこにシングル・モルトをかけて食べると旨い
 それがこの島の独特の食べ方なんだ
 一回やると、忘れられない

 牡蠣の潮くささと、アイラ・モルトの個性的な海霧のような煙っぽさが
 口の中で和合する、これがたまらなくうまい 至福である

 人生とはかくも単純なことで、かくも美しく輝くものだ」
 
村上春樹氏も絶賛していた

早速、店でまったく同じ事を試してみた

アイラのシングル・モルト「ボーモア15年 マリーナ」と
牡蠣は国産だが「宮城県気仙沼、三陸牡蠣」


ボーモア














殻の中の牡蠣にモルトを垂らし、そのまま口に運ぶ

殻の中に残った汁とモルトの混じったものを、ぐいと飲む

「美味しい、確かに美味しいんだが・・・・・・・・・・・」

何かが足りない、レモンを絞ってみたがダメである

本文の一節で

「ウィスキーの味にはその地方の風土や気候といった

“雰囲気のようなもの”が

 大きく影響してくるということが感じられた」
とある

その土地の特産物はその土地で味わうのが一番美味しいのかもしれない

フランスでもパンやワインはその土地独特の“素朴な美味しさ”があり、

そしてその“美味しさ”を作るのは、職人の郷土に対する誇りと、

その積み重ねによる“伝統”なのだろうという気がした


結論、同じ味を求めるのであるならば、アイラ島に行くしかない


この本を読んでいる最中に

サラ・ブライトマンが歌う「スカポロー・フェア」が流れてきた

なんだか不思議と溶け込む

ご存知、サイモン&ガーファンクルの名曲であるが

元々はスコットランドに伝わる民謡だというではないか

納得!

手軽に読めた作品であるが、味わい深い一冊でもあった


「もし僕らのことばが村上春樹であったなら」

あっ〜 もっと世界が広がるはずなのに


dumas_1996 at 16:22│Comments(0)TrackBack(0)お酒 

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