2014年6月、日本中がディズニー「アナと雪の女王」の興奮覚め止まぬ中、東京ディズニーリゾート(以下、TDR)を運営するオリエンタルランド(以下、OLC)は、1匹の新キャラクターをひっそりディズニーシー(以下、TDS)に投入した。ダッフィーの新しいお友達・ジェラトーニである。

ダッフィーの新しいお友達ジェラトーニ


何の知識も無い、一般のディズニー好きからしたら、きっと何の違和感も無いことだろう。
「アナと雪の女王」で絶好調なディズニーが、また新キャラクターを出したんだろうなと。。

厳密に言えば、この理解は間違っている。

何故なら2014年6月時点で、TDRは「アナ雪」で絶好調どころか、アナ雪のグッズをただ1つも販売できていなかったのだから。それどころか、OLCは苦悩していた。当時「30周年のアニバーサリーの翌年は売り上げが下がる」というジンクスが存在したからである。


おそらく契約でそうなっているのだろうけれど、TDRをライセンスで運営しているOLCは、どうしても本国ディズニーの動きとの時差に悩まされる。ディズニー関係者ではない私に、詳細を確かめる術は無いのだが、しかしひとつ確かに言えることは、OLCはアナ雪の大ヒットを想定していなかった。そもそもパーク内導入の予定すら無かったのだろう。日本で映画が公開された直後、本国ディズニー直営のディズニーストアでは、オラフのプラッシュ(ぬいぐるみ)は売り切れが続出。長らく入荷未定で店頭に並ばない状態が続いた。

一方の東京ディズニーランド(以下、TDL)。パーク内ショップに並ぶオラフの顔は、どこか垢抜けない。驚くことにディズニー社製品でもOLC社製でもない、タカラトミー社製の「市販」グッズが長らくパーク内で売られていたのである。それ以外の商品も、何かがおかしい。アナ雪グッズなのに、アナ雪と書いてない。代わりに商品タグには、こう書いてある。「FROZEN」と。おそらく香港ディズニーランドからの輸入商品だった。


ディズニー超大作「FROZEN」は、2013年11月にアメリカで公開された。その後、日本では2014年3月の公開となったわけだが、その際に邦題が「アナと雪の女王」と改められて公開となった。実はこれがTDRにとって、非常に厄介だったのだ。

即ち、アナと雪の女王という名称は、あくまでウォルトディズニーカンパニーの手で日本における映画のコマーシャルのために名づけられたものであって、パークにおける商品販売のことなど念頭に無かったわけだ。

いくら運営が違うとはいえ、同じディズニーでそんなことがありえるのか?それが、実際そうだったのである。確かに日本のパークは、アナと雪の女王という名称で商品の販売を行っていない。では、2015年冬に売られていた商品には何と書いてあったのか?

「FROZEN FANTASY」って書いてあったんだよ。これは、その季節のデイショー「アナとエルサのフローズンファンタジー」に由来するものなわけだが、もうおわかりだろう。「アナ雪」でもなく「FROZEN」でもなく、「フローズンファンタジー」。つまり、これはOLC苦肉の策であったわけだ。なんだか泣けてくるだろ?

そして、この程度のレベルの話まで、情報共有がされないくらいに、OLC(日本のディズニーパーク)と本国ウォルトディズニーカンパニーの関係は冷え切っているということだ。それは、日本における様々なディズニーサービスに対し、深刻な摩擦を引き起こしている。話を冒頭に戻すと、即ちジェラトーニのような日本のOLC開発のディズニーコンテンツが生まれることを、ウォルトディズニーカンパニーは穏やかに見守っていないということだ。むしろ、昨年あのタイミングでジェラトーニを投入したことに対し、両者に深厚な地割れを引き起こしたんでないか、と私は推測している。(PART2に続く)

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