NHKで昔のドキュメンタリー番組を見ると驚くことがあります。インタビュアーが道行く人にマイクを向けると、「僕は〇〇だと思います」と自分の意見を明確に話すのです。見たところ、普通の会社員や若者なのに、顔を映し、賛否を問わず気持ちよく話します。最近の取材では、あまりないことです。

 今回取材した作家、藤原智美さんの著書「検索バカ」でも同様の記述があり、ハッとしました。藤原さんは「最近は『~かな、と思う』という言い方が目立つ。解説っぽくて、意思を表明しない」と話していました。

 自分を振り返り、人間関係がいい気分の維持にきゅうきゅうとしている感じがしていました。反省を込めて、違和感を記事にしました。

 読者からは「同調しないで、論理的や冷静に話すとノリが悪いと言われるのがしんどい」「気分よく周りに乗れる人の方が得をするスタイルだから、社会でもそうしてしまうのでは」というメールをいただきました。すごく分かります。

 ただ、藤原さんの言葉にドキリとしました。「人とのかかわりをさぼって大人になると、トータルなコミュニケーションをやりたくなくなる」。大人が大人になっていない。実はとても怖い事態だということを、今後の展開でも考え続けていきます。(記)

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