【ワシントン=佐々木類】米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の移設問題をめぐって日米関係が悪化する中、ワシントンでは両国の元政府高官や学者らによるシンポジウムが活発に開かれている。今年は日米安保条約改定50周年の記念に当たるが、知日派の元米政府高官からは「民主党は(米国と)同じ概念を持っていない」との発言まで飛び出し、同盟の行方に対する疑問や懸念が噴出している。

 今月2日、日本の5大学協賛による日米研究協会が日米関係について討議した。

 戦略国際問題研究所(CSIS)のマイケル・グリーン日本部長は、現在の鳩山政権が反米姿勢を示していた韓国の盧武鉉政権と似ていると指摘。「民主党の小沢一郎幹事長が問題解決の鍵を握っている」と、日本政府の政策意思決定に関する現状分析を示した。

 会合後、日本の元政府高官は、「鳩山政権が官僚バッシングをやって官僚を排除するのは勝手だが、(首脳会談や外相会談での)無責任な発言がそのまま米政府に伝わり、誤解が誤解を招いている。だれも尻ぬぐいできないのが現状だ」と苦々しく語った。

 1月に行われたCSISと日本大使館共催の「日米安全保障セミナー」では、アーミテージ元国務副長官が日米関係に危機感を込めてこう語った。

 「民主党とわれわれ日米の専門家は異なる言語を使っている。『抑止力』にしても、われわれはその意味が分かるが、民主党には理解できず、同じ概念を持っていない。日本でこの同盟が本当に重要だとみられているのか(米国では)多くの人に疑問が出ている」

 同席したペリー元国防長官も「日米両国は同盟の重要性を最優先に、双方が受け入れ可能な妥協策を模索すべきだ」と鳩山政権に決断を迫った。

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