三菱自動車(現三菱ふそうトラック・バス)製大型車のタイヤ脱落事故を巡り、リコール(回収・無償修理)を避けようと国に虚偽報告したとして、道路運送車両法違反に問われた三菱自元副社長で三菱ふそう元会長の宇佐美隆(69)ら3被告の上告審で、最高裁第1小法廷(白木勇裁判長)は9日付で、被告側の上告を棄却する決定を出した。横浜簡裁の無罪判決を破棄し罰金各20万円とした東京高裁の逆転有罪判決が確定する。

 他に有罪が確定するのは三菱自元常務、花輪亮男(あきお)(69)と同元執行役員、越川忠(67)の両被告。罰金20万円は当時の同法で虚偽報告の最高刑(現在は懲役1年、罰金300万円)。

 高裁判決によると、横浜市で母子3人が死傷した02年のタイヤ脱落事故を受け、国土交通省リコール対策室は三菱ふそうに報告を要求した。3被告は02年2月、ハブ(車輪と車軸を結ぶ金属部品)の強度不足が疑われたのに「整備不良による異常摩擦が原因」と虚偽の回答をするとともに、0.8ミリ未満の摩耗量でハブが破損した事故は隠して報告した。

 同法は国交相の報告要求に対して虚偽報告した場合、刑罰を科すと規定している。報告要求したのが国交相ではなく同対策室だった点が最大の争点となり、被告側は「法律違反の成立には国交相の報告要求が必要」と主張したが、小法廷は「(判例違反や憲法違反など)適法な上告理由に当たらない」とだけ述べて退けた。

 横浜簡裁は「国交相の正式な報告要求がなかった」として無罪としたが、東京高裁は「部下らに権限が委ねられ大臣も了承していた」と覆し逆転判決を言い渡した。【銭場裕司】

 ◇ことば・タイヤ脱落事故

 横浜市瀬谷区で02年1月、走行中の三菱自動車製大型けん引車から脱落した左前輪が、歩道を歩いていた神奈川県大和市の主婦、岡本紫穂さん(当時29歳)と長男(当時4歳)、次男(当時1歳)を直撃し、紫穂さんが死亡、2児がけがをした。ハブの破損が原因とされ三菱ふそうは04年、ハブの欠陥を認めリコールを届け出た。

 ◇三菱自動車事故による3事件の刑事裁判◇

◆横浜母子3人死傷事故<道路運送車両法違反>

被告名        1審判決とその後

宇佐美隆元副社長   無罪→2審逆転有罪(罰金20万円)→上告棄却

花輪亮男元常務             〃

越川忠元執行役員            〃

三菱自動車(法人)  無罪→2審逆転有罪(罰金20万円)→上告せず

◆同<業務上過失致死傷>

村川洋元部長     禁固1年6月執行猶予3年→控訴棄却→上告中

三木広俊元グループ長          〃

◆山口運転手死亡事故<業務上過失致死>

河添克彦元社長    禁固3年執行猶予5年→控訴取り下げ

村田有造元副社長            〃

宇佐美隆元副社長   禁固2年執行猶予3年→控訴取り下げ

中神達郎元副本部長  禁固2年6月執行猶予4年→控訴取り下げ

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