「語彙(ごい)」「捻挫(ねんざ)」「妖艶(ようえん)」……。文化審議会国語分科会の漢字小委員会が23日、現行の常用漢字表に新たに196字を追加する新案を示した。

 30年ぶりとなる見直しでは、パソコンや携帯電話での「変換文化」を背景に多くの難しい漢字が登場、「読んで書ける」という趣旨に、「読んで変換できる」という考え方も加わった。同小委はふりがな使用も勧め、学校現場からは「書くのも基本、丁寧に教えたい」との声が上がった。

 「学校では手で書いて覚えるのが基本。完全には無理でも書くことを意識して丁寧に教えたい」。横浜市立西中学校の阿部康彦教諭(45)はそう話した。

 来年以降に実施される新学習指導要領では、中学2年までに小学校の「配当表」にある1006字が読み書きでき、3年までに常用漢字の「大体」が読めるのが目標だ。「社会で定着しつつある漢字を習うのは大事。新聞や本を活用して触れられるようにしたい」と見据える阿部教諭だが、「淫(いん)」や「艶(えん)」などの漢字については「どういう例示を出したらいいか」と戸惑っていた。

 高校の指導要領は、「主な常用漢字」が書けるように、とされている。東京都立野津田高校の佐藤和彦副校長(47)は「大学入試で『鬱(うつ)』『彙(い)』などが出題される可能性がある。読めても書くのは大変で受験生には負担だろう。大学には良識ある出題を期待したい」と話した。

 小学生向け辞典を手がける小学館(東京都千代田区)では、新入生用に今年秋以降の販売を目指し、急ピッチで改訂作業を進める。約2900の漢字を掲載している辞典に新漢字を約80字追加するといい、編集者がゲラ刷りに一つ一つ直しを入れる作業に追われる。同社の松中健一・国語辞典編集長(49)は「正式な発表後の発売になるので告示時期が気になる」と話した。

 三省堂(同)も小学生用辞典を改訂する予定で、担当者は「30年ぶりの節目。全ページ見直す」と意気込んでいた。 

 一方、教科書検定を控え中学の新教科書作りが佳境の教科書会社。東京書籍(東京都北区)の林雅也・中学国語編集長(46)は「文部科学省の指示次第では、補充資料を作ることも考えられる。新たな費用や手間がかかるかも」と予想する。

 新常用漢字表では196字が新たに加わる一方、「匁(もんめ)」など使用頻度の低い5字が削除されるため、現行の1945字から2136字になる。6月の文化審議会で文科相に答申された後、早ければ今年11月に内閣告示され、一般に使われるようになる。

 ◆携帯やパソコンでの使用頻度など重視◆

 常用漢字の趣旨は、「一般の社会生活での漢字使用の目安」とされる。パソコンや携帯電話の急速な普及を背景に、今回の新案では「変換して書く」ことを強く意識した。

 2005年からの見直し作業では、新聞、書籍、インターネット上などで目にすることが多い約3500字を選定。この中から使用頻度が比較的高い字や、「堆積(たいせき)」のように漢字の方が意味が伝わりやすい字などを中心に絞り込んだ。

 結果、新しい案には、29画もある「鬱(うつ)」など読み書きとも難しい字が多数入った。文化庁によると、「鬱」の出現頻度は1803位。現行の常用漢字には3000位以下の字もあった。ただ同庁の調査では「読みにくい」という意見も半数を超えており、小委ではこうした漢字について「場合によってはふりがなの活用を」と提案している。

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