埼玉県飯能市の山林に犬など約100匹の死体が捨てられていた事件で、同県三芳町のペット葬儀業者が投棄に関与した疑いが強まり、県警は7日、経営者の元町議の男(71)から廃棄物処理法違反(不法投棄)の疑いで事情聴取を始めた。

 容疑を認める供述をしており、逮捕する。ペットブームを背景に葬儀業者が急増する中、悪質業者による「不適切な死体処理」の横行が指摘されてきたが、刑事事件に発展するのは初めて。法規制やルール作りを求める声が高まりそうだ。

 捜査関係者によると、元町議は3月30日頃、飯能市坂元の正丸峠を通る道路沿いのがけ下に、ごみ袋に入れた犬1匹の死体を不法に投棄した疑いが持たれている。県警は7日午前5時過ぎから約2時間にわたり、元町議の自宅などを捜索した。荷台部分に位牌(いはい)や仏具を積んだワゴン車などを押収。台所からは金属製のバケツに入った大量の動物の骨が見つかったという。

 住民や葬儀の依頼者らによると、元町議は10年ほど前から葬儀業を始めていた。葬儀は10分程度で、料金は3万円ほどだったという。電話帳の広告には「御引き取りから納骨・霊園まで」「火葬5000円~」「火葬炉完備」と記されていた。

 事件は3月上旬、「犬や猫の死体が多数投棄されている」との通報で発覚した。県警は3月26、31の両日、約100匹の死体や骨など約660キロ・グラムを回収。この中にあった居住地が記された布類から飼い主を割り出し、元町議に葬儀を依頼していたことを突き止めた。

 市が現場近くに設置した監視カメラには、ごみ袋をがけ下に投げ込む元町議とよく似た人物が映っており、県警が映像の解析を進めている。

 回収された死体の多くは、マルチーズやシベリアンハスキーなどの純血種やリボンや服を身に着けたペットだった。狩猟関係者が「5、6年前から犬や猫の死体が捨てられていた」「毎週のようにごみ袋を見つけた時期もある」と証言しており、県警は、長期間にわたって不法投棄が繰り返されていたとみて捜査を進める。

 元町議の自宅近くの住民によると、元町議は数年前、燃えるごみに小型犬の死体を出すなどして近所で問題になっていた。近くの畑でペットの死体を焼いたなどとして騒動になったことがあったという。

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