2011年11月

2011年11月20日

スクライド・オルタレイション 前編 TAO2

スクライドロスト・グラウンド。謎の
大隆起現象によって日本から
隔絶されたその大地では、
周囲の物質を自らの意志の形に
再構成する「アルター使い」が
存在していた。自らの本能の
ままに生きるカズマ。無秩序な
大地に正義を示す劉鳳。二人の
男の戦いが、ロスト・グラウンド
に新たな争乱をもたらす。




僕の心のアニメの一作である男のためのアニメ『スクライド』。
TVシリーズ放送から10年。新作カットを加えた総集編
2部作として、まさかの復活を果たしました。ファンとして
これほど嬉しい事はありませんが、監督の谷口悟朗は
「同じ事を2度やるほどつまらないことはない」
と公言していましたから、本作がただの総集編であるはずが
ない。そう思っていたのに・・・。

本作はTV版のストーリーのターニングポイントである13話
までを再構成しています。新作カットは決して多くはなく、
ストーリーの変化はほとんどありません。そのくせ話の大胆な
省略もやっていないので、ストーリーはかなり駆け足になって
しまっています。特に酷い扱いを受けているのが、ホーリー
隊員の橘あすか。カズマとの2度の戦いを経て大きく成長する
役所だったのに、戦闘を1回に省略されてしまって、気持ちの
変化がかなり強引になっています。

追加された主なシーンは、冒頭のカズマとかなみの出会い、
カズマと兄貴分のクーガーとの出会い、後の宿敵である
無常矜侍の暗躍などでしょうか。正直どれもファン向けの
追加シーンで、あまり必要性を感じません。そんなシーンを
追加するくらいなら、カズマと劉鳳の殴り合いを全て新規で
作って欲しかった。
この二人のぶつかり合いこそが作品の
核なんだから。

この映画は元々映画作品ではないようで、さらに10年前の
作品を作り直すということで制約も多かったと思います。
予算もかなり厳しいものだったでしょう。それでも谷口監督
なら、『スクライド』なら簡単に超えてくれると思っていた
壁を超えてくれなかったのは非常に残念です。谷口監督、
もっと反逆してくれ!それとも日和ったのか!?日和り
やがったのか!!?
後編の『QUAN』ではもっと立派な
反逆を見せてくれるのを期待してるからな!!!

ちなみに今回一番の収穫は、エンディングで流れた主題歌の
アレンジバージョン。あれだけは手放しで誉められる。
やっぱり『スクライド』の主題歌は「Reckless fire」
じゃなきゃ。

2011年11月13日

機動戦士ガンダムUC episode4 「重力の井戸の底で」4

デルタプラスガランシェールと共に地球に
落下したバナージとユニコーン。
砂漠で身動きの取れなくなった
ガランシェールをサルベージ
するため、バナージとジンネマン
は砂漠越えを敢行する。一方、
ダカールを襲撃したジオン残党軍
はラプラスプログラムの示した
新たな座標・トリントン基地を
強襲する。




『機動戦士ガンダムUC』のアニメシリーズ第4段。今回は
原作の6巻と7巻前半をミックスし、細かなエピソードを
かなり大胆に削っています。パッと思いつく限りの変更点を
書き出すと、
・ダカールとトリントンの戦闘を一つにまとめる。
・バナージとロニの絡みが大幅カット。
・バナージがダカールに行かない。ラプラスプログラムの
 目的地からもダカールは外されている。
・ロニの家族は既に死亡。家族で動かしていたモビル
 アーマー・シャンブロはロニの一人乗りに。
・以上の変更によって、バナージとロニの関係が原作から
 大きく変更となり、戦いも結果もまるで違うものに。
 これまで原作にかなり忠実だったわけですが、ここにきて
これだけ変更が増えたということは、やはり残り三話で
物語の後半を描ききるのは無理だと判断したんでしょうね。
しかしこの変更によって、ラプラスの箱の中身に関わる
「アレ」が出てこなかったんですが、大丈夫なんでしょうか。
薄々感じていたけど、やっぱり箱の中身を変えてくるのかな?

今回の見せ場は、なんといってもマイナーモビルスーツの
大博覧会。
マニアック過ぎるモビルスーツが次々登場し、
ファンの胸を熱くしてくれます。特にバイアランは、
ぶっちゃけユニコーンやデルタプラスといった主役級MSを
凌ぐ凄い活躍。またプラモが欲しくなっちゃう!まぁ発売
するかは解からないけど、もし発売したら絶対買うぞ。
しかし今回は、この過剰とも言えるファンサービスが裏目に
出てしまったのも事実。ファンサービス力を入れすぎた
ばかりに、メインキャラたちの出番がことごとく減って
しまっています。
今回初登場のトライスター隊と新型
モビルスーツ・ジェスタは、やっと出番が回ってきたのに
活躍はほとんどなし。原作であんなに頑張ったリディと
デルタプラスも、見せ場はかなり減ってます。
主役のユニコーンは印象に残る活躍はするものの、
出番自体はやはり少なめ。ユニコーンとデルタプラスの
合体攻撃はもっと沢山観たかったのになぁ。

ガンダムUCはガンダムファン以外には非常に取っつき
にくい作品だと常々思ってるんですが、今回は輪をかけて
ファンオンリーな内容になってましたね。
勿論、一介の
ガンダムファンとして今回のエピソードは大満足だった
訳ですが、原作を知っていた分、作品を客観的に
観てしまったのも事実。原作を知らなかったら、評価は
もっと上がっただろうなぁ。

2011年11月12日

ミッション:8ミニッツ4

8分米軍ヘリのパイロット・スティーブンス
は、走行中の列車で突然目覚める。
状況を把握できずに混乱する
スティーブンス。その時、列車が突然
爆発し、彼は次の瞬間には謎の
カプセルに閉じ込められていた。
スティーブンスは、列車爆破テロの
謎を解くために、テロで死亡した男の
最後の8分間を延々と繰り返し体験
していたのだ。



『月に囚われた男』のダンカン・ジョーンズ監督が手掛ける
SFサスペンス。一人の男の、人生最後の8分間を延々と
繰り返す、実に斬新な映画です。
「死んだらちょっと前に戻って、そこからまたやり直し」
というのはTVゲームの感覚に近いですね。生き返っても
死ぬ前の記憶は残っていて、それを頼りに間違いを回避する、
というのも実にゲーム的です。

この手のアイデア勝負の作品は、そのアイデアに頼りすぎて
物語が後半からお粗末になっていく事が多々ありますが、
この映画は話の持って行き方が上手くて最後まで飽きさせ
ません。爆弾の所在や主人公の置かれている状況が徐々に
明かされて行くのが良かったですね。

物語の結末も好きです。「映画通ほど騙される」という
キャッチコピーは大袈裟ですが(ビックリさせるような結末
じゃないし)、なかなか小気味よい結末でした。

(ネタバレ反転)今回の列車爆破は存在しないものとして
解決しましたが、テロが防がれた世界では装置に
繋がれた主人公はまた次の凶悪犯罪が起きた時に酷使
されることになるはず。そんな彼を、主人公から
メッセージを受けたオペレーターが助け、その事件を
解決した主人公が分岐した世界でまたメッセージを
残すんでしょうね。

8分間の無限地獄の先にあるもう一つの無限地獄から
主人公が解放されるのは何時になるのでしょうか。


2011年11月08日

がんばっぺ フラガール! 〜フクシマに生きる。彼女たちのいま〜3

震災で甚大な被害を被った
東北地方。福島県最大の
リゾート施設・スパリゾート
ハワイアンズも、営業が
不可能になるほどの被害を
受けていた。リゾートで踊る
フラガールたちをはじめとした
リゾートの面々は、再生の
ために新たな一歩を踏み
出そうとしていた。



東日本大震災から半年。被災した福島県を舞台にした映画
『フラガール』で登場したリゾート施設「スパリゾート
ハワイアンズ」も甚大な被害を受けて長い間休業している
状況でした。そんなハワイアンズが新たな一歩を踏み出す
姿を描いたドキュメンタリー映画。これからどんどん
出てくるであろう震災を題材にした映画の先駆けという
ことになるのかな?

タイトルの通り、物語のメインはフラガールの女性たち。
踊る舞台を失った彼女たちが再生のために行ったのが、
全国を回る45年振りのキャンペーン。デパートや野外
ステージ、野球場などで踊るフラガールたち。本来の
ステージではないけど、彼女たちの踊りに対する情熱は
しっかり伝わってきました。
フラガールたちとは対照的に、自分たちの本来の役割で
ハワイアンズに貢献することの出来ないのがファイヤー
ナイフダンサー。炎を使った豪快なダンスパフォーマンスは
実に派手ですが、その危険さ故に多くの施設で
パフォーマンスに規制が入り、ダンスを披露する事が
できません。我が家同然のリゾートの危機に、自分の力を
発揮できないのは悲しいですね。

ハワイアンズの面々だけでなく、被災した福島の実状も
しっかりと描かれています。フラガールのサブリーダーは
実家が福島第一原発のすぐそこという立地。避難したことで
離れ離れになった家族。隔離地域となり戻れなくなった家。
消息の解からないペットたち。彼女の視点で被災した人の
苦しみがひしひしと伝わってきました。

映画の最後、ハワイアンズはプレオープンという形で
新しいスタートを切ります。ハワイアンズが再生したように、
被災地の人々も一日も早く元の生活を取り戻して欲しい
ですね。



2011年11月02日

三銃士 王妃の首飾りとダ・ヴィンチの飛行船3

3理想に燃える青年ダルタニアンは
銃士になることを夢見てパリに
やってきた。しかしパリでは、
リシュリュー枢機卿による王座
転覆計画が進行していた。
ダルタニアンはリシュリューの
野望を止めるべく、フランス
最強の三銃士、アトス・アラミス・
ポルトスと共に戦う事を決意する。




誰もが知っている冒険活劇『三銃士』が、『バイオハザード』
シリーズのポール・W・S・アンダーソン監督の手によって
3D映画化。大胆に飛び出す3Dや空飛ぶ船など、とにかく
派手な内容になっています。

お話は、まぁ可もなく不可もなくといったところ。典型的な
冒険活劇で、いろいろ派手になっている以外は実に
オーソドックスな内容になっています。
そんな中、個人的に気に入ったのが若きフランス国王と
王妃のロマンス。
ちょっと馬鹿っぽくて頼りない王様は、
政略結婚によってそれまで顔も知らなかった女性を王妃
として迎えています。だけど、そんな気まずい状況で
スタートした夫婦生活の中で王様は真剣に王妃に恋を
してしまった。結婚と恋愛が逆に訪れてしまった状況で、
自分の気持ちをどう伝えればいいのか解からない。
実は王妃の方も同じ気持ちなんですが、そんな事とは
露知らず、一人で焦っている王様。情けないと思いつつ、
自分に通じるものも感じるお茶目な王様を応援したく
なっちゃいました。
そんな王様に対して、ダルタニアンの方の恋愛はなんとも
お粗末。王妃の従者に一目惚れしてアタックするも全く
相手にされない。にも関わらず、彼女の方は「国のピンチを
救ってくれたらあなたのこと好きになってあげる」と言わん
ばかりに、都合のいい時だけ猛烈アプローチ。いつの間にか
ホントにラブラブになってるし。王妃同様、自分も相手の事が
好きというところを事前に見せて欲しかったです。

いかん、アクション映画なのに恋愛話だけで結構な文章量に
なってしまった(笑)。
3D映像を効果的に使ったアクションも勿論見所。奥行き
よりも飛び出す感じを重視する辺りが、派手なアンダーソン
監督らしいですね。空飛ぶ飛行船やトンデモギミックの数々も
飛び出す3Dを強調するいい素材になってました。

飛び抜けた面白さはないけれど、期待していたものは
しっかり見せてくれる作品。アメリカでは大コケしたらしいけど
日本では結構ヒットしてるみたいだし、この軽い感じが
日本人受けするのかもしれませんね。