2007年03月11日

善き人のためのソナタ4

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ベルリンの壁によって分断されていた
ドイツ。東の国家保安省局員
ヴィースラーは、劇作家のドライマンが
反政府活動に関与していると睨み、
彼の部屋を盗聴する。冷徹で任務に
忠実だったヴィースラーだったが、
ドライマンを盗聴する内に彼の主義
主張に共感していく。


第79回アカデミー賞・外国語映画賞受賞を受賞した作品。

主人公のヴィースラーのキャラクターが面白いですね。
冒頭から非人道的ともいえる尋問テクニックを見せつけ、上司や
教え子に対しても一切笑顔を見せない堅物な彼が、盗聴用の
屋根裏部屋に篭るといきなりキャラが変わる。ドライマンを
上手く誘導して恋人の不倫現場を目撃させ、二人に生じた亀裂を
横目で楽しもうとしたりします。スパイというより昼ドラ好きの
主婦の発想です。
そんなお茶目な人物ですから、ドライマンと恋人の強い絆に胸を
打たれ、盗聴器から流れる音楽に涙したりするんですね。

映画は中盤から別の面白さを見せます。完全に心変わりをして
しまったヴィースラーと、本格的に反政府活動に乗り出すドライマン。
当然ヴィースラーはドライマンの行動を把握している訳ですが、彼に
同情しきっているので報告書が出せない。ドライマンの行動が
ばれそうになると必死で隠蔽を試みる。この辺りの行動が妙に
滑稽で面白かったですね。

それでも暗い時代のドイツを描いた作品ですから、終盤にはかなり
重い展開が待っています。結構後味の悪い結末なんですが、
この映画はもうちょっと引っ張って数年後の話を描いています。
ここでの主人公の最後の台詞が好きです。



e5125aspaceodyssey at 19:40│Comments(2)TrackBack(23) 映画のレビュー・や行 

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「善き人のためのソナタ」  人間不信からの解放   【原題】DAS LEBEN DER ANDEREN 【公開年】2006年  【制作国】独  【時間】138刮..

この記事へのコメント

1. Posted by とらねこ   2007年03月11日 21:38
5
こんばんは、えめきんさん☆
そうですね、このヴィースラーを演じたウルリッヒ・ミューエ。
あのオヤジが、かわいいんだ、またコレが(笑)
一緒に盗聴していた人も、いつもは遅刻してくるくせにいいところで時間通りに来て、
「まだ聞きたいのに」
って感じでヘッドフォンを押し付けてみたり、仕方なく渡してみたり。
結構笑えるシーンがツボでした♪
2. Posted by えめきん   2007年03月12日 22:44
とらねこさん、コメントどうもです。

この映画の面白さはヴィースラーが結構なウェイトを占めてます
よね。「堅物に見えて実は軽い性格」というのは結構ありがちな
気がしますが、このキャラはその中でもかなり独創的だった気が
します。

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