2007年10月10日

パンズ・ラビリンス4

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第2次大戦下のスペイン。少女オフェリアは
身重の母と共に新しい父親である軍の
大尉の元に送られる。残忍にレジスタンスを
抹殺してゆく大尉に恐怖を感じるオフェリア。
彼女はある晩、不思議な妖精の導きに
よって謎の迷宮に辿り着く。そこに現れた
牧神パンは、オフィリアこそが魔法の国の
王女である事を告げる。


今年のアカデミー賞で『トゥモロー・ワールド』を抑えて撮影賞他
3部門に輝いた作品。トゥモロー・ワールドがこの作品に敗れたと
聞いた時にはビックリしたものです。そして「トゥモロー・ワールドを
差し置いて撮影賞を獲得した『パンズ・ラビリンス』って一体どんな
映画なんだ!?」
と、ずっと期待して待っていました。

しかしこの映画は凄い。撮影賞以前の話で、映画として実に面白い
内容になっています。
この映画は既存のファンタジーと異なり、あくまで現実世界を土台に
世界観が構築されています。『ハリー・ポッター』のように現実世界
と幻想世界が混同している訳でもなく、現実に耐え切れなくなった
少女の逃げ道が幻想の世界になっている。しかもその幻想世界に
逃げる為にはさらに恐ろしい試練に耐えなければならない。
この多重構造が他のファンタジーには無いダークな深みを感じ
させます。

本作は撮影賞の他にメイクアップ賞と美術賞を受賞しています。
幻想世界のビジュアルは数こそ少ないものの実に印象的で、
アカデミー賞も納得の出来。牧神パンや中盤に登場する顔の無い
怪物のデザインも素晴しいです。

とても良い映画だと思いますが、いくらなんでも話が暗すぎた事、
PG-12とは思えないくらい描写が過激だった事、そして何より
やっぱり撮影技術では『トゥモロー・ワールド』の方が上だと思った
ので星は4つにします。でもDVDは絶対買うぞ。



e5125aspaceodyssey at 21:36│Comments(8)TrackBack(30)映画のレビュー・は行 

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熱で寝込んでいながらも、だいぶ調子が戻ってきて家にいるだけではつまらないので、DVD観始めました。 体調悪い時に選ぶタイトルではないね、これはw。 ******************** 「ブレイド2」「ヘルボーイ」のギレルモ・デル・トロ監督が「デビルズ・バックボーン」に...
27. パンズ・ラビリンス  [ mama ]   2008年11月26日 07:59
PAN'S LABYRINTH 2006年:スペイン・メキシコ 監督:ギレルモ・デル・トロ 出演:セルジ・ロペス、イバナ・バケロ、アリアドナ・ヒル、マリベル・ヴェルドゥ、ダグ・ジョーンズ、マリベル・ベルドゥ 再婚した身重の母に連れられ、山中でレジスタンス掃討の指揮をとる...
28. 供犠・王女  [ MESCALINE DRIVE ]   2009年07月13日 15:35
ギレルモ・デル・トロ監督作品「パンズ・ラビリンス」を観た。本作は同じ監督作品「デビルズ・バックボーン」の時代背景に連なることから、同作の姉妹篇と云われているようだ。私自身は「デビルズ・バックボーン」を観ていないので、それについて云々できないが、「ヘルボー...
29. 『パンズ・ラビリンス』を観たぞ〜!  [ おきらく楽天 映画生活 ]   2009年08月09日 22:31
『パンズ・ラビリンス』を観ました1944年のスペイン内戦下を舞台に現実と迷宮の狭間で3つの試練を乗り越える少女の成長を描くダーク・ファンタジーです>>『パンズ・ラビリンス』関連原題: ELLABERINTODELFAUNO    PAN'SLABYRINTHジャンル: ファンタジー/ドラマ/...
30. パンズ・ラビリンス  [ RISING STEEL ]   2010年12月01日 00:16
パンズ・ラビリンス / EL LABERINTO DEL FAUNO              PAN'S LABYRINTH 独裁政権下のスペイン。御伽噺が好きな少女オフェリアの前に牧神パンが現れる。 パンによるとオフェリ...

この記事へのコメント

1. Posted by ヨゥ。   2007年10月10日 22:52
こんばんは☆
ダークで痛かったんですけど雰囲気は好きな映画でした。
縫うシーンはちょっと直視出来なかったです(苦)
予告やポスターのイメージを大きく覆されました。

2. Posted by えめきん   2007年10月11日 07:03
ヨゥ。さん、コメントどうもです。

僕も予告に騙されたクチです。監督がグロ映画を次々送り出す
グレルモ・デル・トロだという時点でこういう映画だと気付く
べきでした。
でも映画は面白かったので僕は満足です。
3. Posted by ミツ   2007年10月15日 06:38
撮影技術はやはり『トゥモロー・ワールド』に軍配が上がりますよね。確かに『パンズ・ラビリンス』にも、ハッとさせられるようなカメラワークがありましたけど。

観終わった後に知りましたけど、『トゥモロー・ワールド』のアルフォンソ・キュアロンが、『パンズ・ラビリンス』にも関わっていたんですよね(製作)。『ハリー・ポッターとアズカバンの囚人』でもシリーズの雰囲気を変えた人ですし、なかなか良い仕事をする監督ですね。
4. Posted by えめきん   2007年10月15日 21:33
ミツさん、コメントどうもです。

僕も観終わった後にこの作品にアルフォンソ・キュアロンが
関わっていた事を知りました。本作がアカデミー賞を受賞した時は
きっと複雑な心境だったでしょうね。

見事なカメラワークもありましたが、やっぱりダークな美しさを
持つ美術関係に目を奪われてしまいましたね。グロ描写はもう少し
控えてくれた方が好みだったんですが(笑)。
5. Posted by ノラネコ   2007年10月16日 00:45
こんばんは。

色んな意味で、本年度のインパクトNO.1です。
デル・トロの耽美な美学と異形への愛が高度に融合し、テーマ性も高く、ビジュアルセンスも抜群。
内容を知らずに観たらショックを受けそうですが、これはやはり映画史に残る作品だと思います。
6. Posted by えめきん   2007年10月17日 06:52
ノラネコさん、コメントどうもです。

確かにインパクトでは今年癸韻もしれません。美しいビジュアルと
息を呑むストーリー、そして妥協一切無しの残酷描写が融合した
衝撃は忘れられませんね。
7. Posted by ももも   2007年11月05日 13:58
5 こんにちは。TB失礼します。

「トゥモローワールド」と撮影賞で競ってたんですか。知らなかったです。でも私も本作となら「トゥモローワールド」に一票かなあ。

デル・トロのクリーチャーオタクぶりを見に行って、ヒサビサに泣いてしまいました。
いい映画でしたね。またお邪魔させて下さい。
8. Posted by えめきん   2007年11月05日 20:45
もももさん、コメントどうもです。

デル・トロの趣味の悪さ(笑)には毎回感心してしまいます。
クリーチャー大好き人間としては今回のオドロオドロしい造形が
素晴しかったですね。
てのひら魔人が妖精を食い殺す場面はいろんな意味で発狂しそう
でした(笑)。

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