2008年08月07日

スカイ・クロラ The Sky Crawlers3

a03837f7.bmp

戦争がショーとなった世界。戦場に
駆り出されるのは、「キルドレ」と
呼ばれる歳をとらない少年少女だった。
日本人部隊の基地に新たに配属と
なったキルドレの函南優一は、
基地指令の草薙水素と出会う。彼女も
またキルドレの一人だった。戦争
という日常の中で、二人の関係は
徐々に変化していく。


押井守監督の最新作は自身の作風をガラリと変えたラブストーリー。
押井作品の重厚さが好きな僕としては、今回の作風を受け入れ
られるかがポイントでしたが、結果は微妙なところ。悪くはないん
だけど、文句を言いたくなる面も多くありました。

まず、監督が描きたかったものが少々ぼやけている感じがしました。
一緒に観に行った友達が、観賞後に「戦争の中の日常を描いて
いる」
と言っていましたが、それを聞いて初めて「ああ、そうなのかも」
と思う程度。戦場に出て行く函南と、それを見守るだけの草薙の
日常を同時に描いたのが失敗だったのではないでしょうか。いっそ
物語を完全に草薙の視点にして、戦闘場面を一切描かず、基地の
中だけの物語にしてしまった方が良かったんではないでしょうか。

キルドレの秘密はなかなか面白かったです。見世物としての代理
戦争。その駒として生きるキルドレという存在は、実に興味深く
面白い設定だと思いました。しかし、代理戦争を行う世界観の説明が
乏しいので、それを土台にしているキルドレの設定が、地に足の
着いていない状態になっていると感じました。
戦争を見世物にしているというのは現代社会を表しているのかも
しれませんが、アメリカならともかく、戦争しているという自覚が微塵も
ない日本人には、そういう感覚は持ちにくいのではないでしょうか。

戦闘シーンに迫力はありましたが、さっき戦闘の存在自体を否定して
しまったので感想は書けません(苦笑)。
とりあえず『エースコンバット』をやりたくなりました。



e5125aspaceodyssey at 21:57│Comments(14)TrackBack(23)映画のレビュー・さ行 | アニメのレビュー

トラックバックURL

この記事へのトラックバック

1. スカイ・クロラ(評価:◎)  [ シネマをぶった斬りっ!! ]   2008年08月08日 01:00
【監督】押井守 【声の出演】菊地凛子/加瀬亮/谷原章介/栗山千明/山口愛/平川大輔/大塚芳忠/安藤麻吹/兵藤まこ/西尾由佳理/竹中直人/榊原良子 ...
2. 「スカイ・クロラ The Sky Crawlers 」映画感想  [ Wilderlandwandar ]   2008年08月09日 04:59
攻殻機動隊やイノセンスなど、大好きな作品を手がけてきた、「押井守」監督が、すべてがFになる等、好みでない(どちらかと言う
3. スカイ・クロラ  [ Akira's VOICE ]   2008年08月09日 10:45
茨の空で生きる。  
5 「スカイ・クロラ The Sky Crawlers」は押井守監督4年ぶりの劇場作品で、平和な世界で繰り広げられる空での戦闘機同士による戦争が描かれそこに登場する人物は戦死しない限り永遠に生き続ける人たちの戦いのループを描いたストーリーである。人生を生きる意味を問い、その生...
5. 映画 【スカイ・クロラ The Sky Crawlers】  [ ミチの雑記帳 ]   2008年08月09日 22:16
映画館にて「スカイ・クロラ The Sky Crawlers」 森博嗣による全5巻完結の小説の第1巻を押井守監督が映画化。 おはなし:もうひとつの現代。“キルドレ”と呼ばれる子どもたちが“ショーとしての戦争”で戦闘機に乗って戦っていた。そんなキルドレの一人カンナミ・ユーイ...
6. 「スカイ・クロラ」ジャパンプレミア  [ アートの片隅で ]   2008年08月10日 21:43
「スカイ・クロラ」のジャパンプレミアで国際フォーラムに行って来ました。 座席は中央通路付近でしたが一番端の方でがっかりしていたのですが、なんとすぐ後ろの扉からキャストが登場するというある意味ラッキーな場所でした。 少し遅れ気味で、やっと音楽が流れ始めると...
7. スカイ・クロラ 2008-44  [ 観たよ〜ん〜 ]   2008年08月10日 22:40
「スカイ・クロラ」を観てきました〜♪ 函南優一(声:加瀬亮)は、ロストック社に所属するパイロットだった。函南は前線基地の兎離洲(ウリス)に配属され、伝説のエースパイロット草薙水素(声:菊池凛子)と出会う・・・ 人気Blogランキング      ↑ ...
8. 「スカイ・クロラ」  [ お楽しみはココからだ?? 映画をもっと楽しむ方法 ]   2008年08月11日 01:17
(2008年・ワーナー/監督:押井 守) アニメ界の鬼才、押井守監督の最新作。 今回は、森博嗣の原作を、若手の女性ライター・伊藤ちひろが脚色。という事は、これまで自由奔放に自己の作
9. 「スカイ・クロラ The Sky Crawlers」「青空ポンチ」映画館レビュー 遠い  [ 長江将史〜てれすどん2号 まだ見ぬ未来へ ]   2008年08月11日 21:49
「スカイ・クロラ The Sky Crawlers」「青空ポンチ」
10. スカイ・クロラ  [ 悠雅的生活 ]   2008年08月11日 22:25
僕は、大人にならないんだ
11. 「スカイ・クロラ The Sky Crawlers」 10代の抱える閉塞感  [ はらやんの映画徒然草 ]   2008年08月12日 21:16
"キルドレ"、それは外見が思春期の少年少女でありながら、年をとらず、大人になるこ
12. 殻を打ち破ると決めた時、もう殻は破られている●スカイ・クロラ  [ Prism Viewpoints ]   2008年08月13日 16:39
どこか、日本とよく似た国に 大人にならない子供達がいる そして、彼らは僕たちに良く似ている ――― (公式キャッチコピー) 『スカ??.
13. 『スカイ・クロラ The Sky Crawlers』@新宿ミラノ座  [ 映画な日々。読書な日々。 ]   2008年08月16日 00:40
ショーとしての戦争が行われる、仮初めの平和の時代。永遠に年をとらない「キルドレ」のユーイチは、新たに兎離州基地に配属となった。過去の記憶のない彼だが、初めて乗る機体も身体に馴染み、エースの座に着く。基地司令のスイトはそんなユーイチを複雑な眼差しで見つめて
14. 『スカイ・クロラ The Sky Crawlers』2008・8お盆休みに観ました  [ 映画と秋葉原と日記 ]   2008年08月18日 16:43
『スカイ・クロラ The Sky Crawlers』  公式HPはこちら ←クリック ●あらすじ 平和を実感させる為のショーとしての戦争が行われている世界・・・。 其処には、思春期の姿のままの人員で構成されている“キルドレ“だった・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
下記のポニョ編の続きです。 http://d.hatena.ne.jp/Gaius_Petronius/20080822/p5 <<『スカイ・クロラ』(The Sky Crawlers) 押井守監督>>  評価:★★★★星4つ (僕的主観:★★★★星4つ) ■CGの俯瞰的な空中戦闘シーンは、秀逸〜宮崎駿とはまた別次元の空の
16. 【2008-184】スカイ・クロラ The Sky Crawlers  [ ダディャーナザン!ナズェミデルンディス!! ]   2008年08月24日 02:17
3 人気ブログランキングの順位は? どこか、日本とよく似た国に 大人にならない子供たちがいる そして彼らは、僕たちにとてもよく似ている。 キルドレ 永遠の子供たちの物語 もう一度、生まれてきたいと思う?
17. スカイ・クロラ 評価:★★  [ 20XX年問題 ]   2008年08月26日 20:01
レビューを更新しました。 当HP↓からどうぞ。 Review→映画レビュー、から見れます
18. スカイ・クロラ  [ 映画、言いたい放題! ]   2008年08月29日 00:24
脚本ゼミの友人で作っている映画を観る会。 最近はなかなか良いペースで開催されている。 本当は「崖の上のポニョ 」を観る予定だったのですが、 私が先に観てしまい、 アニメつながりということでこの作品になりました。( ^ _ ^; 永遠に生きることを宿命づけら...
19. 『スカイ・クロラ The Sky Crawlers』(2008/押井守)  [ 愛すべき映画たち ]   2008年08月30日 13:25
押井守監督最新作、『スカイ・クロラ The Sky Crawlers』観て来ました。 少し前に書いた10ジャンルNo.1映画バトン!で、アニメのNo.1に『イノセンギ..
20. スカイ・クロラ The Sky Crawlers<ネタバレ感想>  [ お萌えば遠くに来たもんだ! ]   2008年09月04日 00:33
観てきました。 <池袋シネマサンシャイン> 監督:押井守 演出:西久保利彦 原作:森博嗣 脚本:伊藤ちひろ 脚本監修:行定勲 企業によって、ショーとしての戦争が行われている世界。草薙水素が司令を務める前線基地に、戦闘機パイロット函南優一が赴任してくる。...
21. 『スカイ・クロラ』 2008年66本目  [ 映画とJ-POPの日々 ]   2008年09月12日 22:56
4 『スカイ・クロラ』 2008年66本目 8/11(月)MOVIX利府 押井守監督の最新作。 小説を映画化。 押井監督は今年で56歳。 この映画を作ってる最中は55歳。 いいおっさんですが、アニメ映画界には宮崎監督や、冨野監督と云った大御所が居ますので「若手ではないけれど...
22. 【映画】スカイ・クロラ The Sky Crawlers…の記事&新型インフルエンザとか  [ ピロEK脱オタ宣言!…ただし長期計画 ]   2009年06月09日 20:53
{/hiyoko_cloud/}{/kaeru_fine/} まぁ色々あったこの数週間もちょびっと落ち着いて{/face_yoka/}普通の週末を迎えているピロEKです{/face_yoka/} まずは、ここんところブログに書き損ねていた近況(?)報告、思い出しながらダラダラと綴ってみます{/ase/} 少し前(2週ぐ...
23. No.186 スカイ・クロラ The Sky Crawlers  [ 気ままな映画生活 ]   2009年07月12日 11:02
監督自ら、若い人たちに生きる意味を見出して欲しいとの 大きなテーマを掲げていた。 若い人たちが、この映画を鑑賞して生きる意味を 感じとる事ができるのだろうか?

この記事へのコメント

1. Posted by めびうす   2008年08月08日 00:59
えめきんさんこんばんわ♪

原作が結構長編みたいなので、やはり本作だけでスカイ・クロラの世界観を全て出し尽くすと言うのは難しかったのかもしれませんね。ティーチャーの存在や代理戦争を起こしている2つの会社の事などにもあまり触れてはいませんでしたから、部分的に地に足が着いていないというのも分かる気がします。
2. Posted by えめきん   2008年08月08日 07:51
メビウスさん、コメントどうもです(何故にひらがな?)。

そういえば小説は全5編でしたね。1篇だけの映画化では
さすがに全てを説明するのは無理だったという事ですか。
ティーチャーのことも全然説明がなかったですよね。「キルドレ
が大人になる事を妨げる大人」という存在なんでしょうか。
3. Posted by ミチ   2008年08月09日 22:19
こんばんは♪
確かに、代理戦争を行う世界観の説明が少ないのが残念でした。
ただ、私は初押井作品だったので、映像の美しさにビックリしましたし、「平和の大切さを実感するにはどこかで戦争が起きている事実が必要」という部分にいたく共感してしまったのです。
4. Posted by くまんちゅう   2008年08月10日 00:45
まいどどうもです
映像は素晴らしい物がありました
背景説明不足もさることながら
キャラ設定がどうも半端な感じがして
結局誰にも感情移入できないまま終わってしまいました。
5. Posted by えめきん   2008年08月10日 08:01
ミチさん、コメントどうもです。

映像は美しかったんですが、少々刺激不足だったんですよね。

>平和の大切さを実感するにはどこかで戦争が起きている
>事実が必要
あまり認めたくないけど、それはあるかもしれませんね。
僕の好きな『パトレイバー2』でも、それに類似したことを
提示してましたし。



くまんちゅうさん、コメントどうもです。

映像面はみなさん絶賛してますね。でも肝心の中身が中途半端
だったんですよね。
たしかに誰にも感情移入出来ませんでしたね。一番人間に近いで
あろう水素に感情移入すべきなんでしょうが、そのためにも
やはり水素の視点をもっと増やして欲しかったですね。
6. Posted by ノラネコ   2008年08月10日 22:30
私としてはかなり好きな作品です。
確かにぼんやりした作品なんですけど、これっていわばキルドレたちの心象風景的な世界を描いた作品なので、個人的にはこれで良いと感じました。
むしろ台詞での説明が唐突に感じたくらいなので、もっとぼかしてもくれても良かったのにと思ったくらいです。
この映画の世界って、ある種のパラレルワールドなんでしょうが、生きているでもない、死んでいるでもない、常世の世界なのではないでしょうか。
これは常世の霧の中にある、現世への幽かな光を感じる映画だったと考えるとなかなかに今を感じさせる力作であったと思うのです。
7. Posted by はっち   2008年08月10日 22:46
お邪魔します〜♪

小説からファンだったので、押井監督がどれくらい
小説の世界を映像化してくれるか!?期待半分で観に
行きました〜♪

期待以上の出来! あの小説を良くぞここまで・・・
って感想です。

小説は5巻モノ、まだ4巻分残ってるんだよね・・・
次作期待したらアカンのかなぁ・・・
8. Posted by Ageha   2008年08月11日 06:24
いつもなら読まない原作を読んで(コラ)
えらくハマってしまった自分にとっては
そうじゃなくって・・の連発でした。
原作と映画は別物やと言うてたくせに
原作がすきなひとほど、映画に対して
過剰な期待をして評価が厳しくなるのを
今回自分でひしひしと感じちゃいました。(泣)
もちろん押井作品だからという
過剰な期待もプラスされてしまったせいで。

ただ、さすがに3DCGは圧巻。
これはもう皆さん口をそろえて言うてます。
ここだけの映像で十分満足しちゃったりする。

あ〜でもぉ・・・(泣)

PS:最近TBがうまく入りません。残念ですぅ〜・・。
9. Posted by えめきん   2008年08月11日 17:58
ノラネコさん、コメントどうもです。

パラレルワールドとして捉えると、また違った見方ができますね。常世の世界という考え方も興味深いです。押井作品は、何度も観ると面白さが変わるので、DVD化の際に再見してみようと思います。



はっちさん、コメントどうもです。

個人的には説明不足だったので、次作以降も映画化して、世界観をより深めて欲しいですね。
残り4巻はTVシリーズというのも面白そうですね。
10. Posted by えめきん   2008年08月11日 18:01
Agehaさん、コメントどうもです。

原作を読んだ方でもやはり評価が分かれるみたいですね。
CGは綺麗だったんですが、僕はXBOXのゲーム『エースコンバット』とダブってしまったんですよね。ゲームであそこまで出来るんだから、映画ならあれくらいやって当然だろう、なんて思ってしまったんですよ。
まぁそれは『エースコンバット』が凄過ぎるだけなんですが。
11. Posted by 健太郎   2008年09月12日 22:55
4 こんばんは。遅くなりましたが観てました。
今までの押井監督なら喜んで飛びつく「戦争」をあえて語らず、キルドレに象徴されていたように「大人になるとは?」に終始徹していたのは驚きました。
大変失礼な言い方ですが、押井監督自身が「大人になった」ように感じてしまいました。
「大人になるとは?」の答えは人それぞれだと思うのですが、映画の中でそこかしこに「答えへの道しるべ」が示したあったように感じました。
私は特に、栗山千明が声を当てたキルドレの女性パイロットの独白に強く感じるものがありました。
12. Posted by えめきん   2008年09月13日 06:40
健太郎さん、コメントどうもです。

この作品は、ヴェネチアでは酷評だったみたいですね。
一緒に行った『ポニョ』と『アキレス』は高評価だっただけに
押井監督としては結構ショックでしょうね。

>「大人になるとは?」に終始徹していた
そのせいで世界観がしっかり描かれず、僕にはそこが不満
でした。
13. Posted by 健太郎   2008年09月20日 00:20
2 遅くなってしまいましたが又来ました。
TB&コメントありがとうございまいた。

状況や世界そのものの説明を極力排除していたのが際立っていました。
特に今までの押井監督なら「犬を見たら餌をあげたくなるパプロフ博士状態」になる「戦争」についてあっさりと流していました。

私はここを非常に評価しています。
「戦争を流してまで書きたかったものがある」
と感じました。
14. Posted by えめきん   2008年09月20日 07:09
健太郎さん、コメントどうもです。

戦争描写もそうですが、押井作品はある種の「マニアックさ」が
魅力だと思っています。そんなマニアックさをあえて抑えた
本作なので、戦争描写をあっさり流したのは必然かもしれません。
ただその結果、説明不足な点が増えてしまったのは失敗だったと
思います。

この記事にコメントする

名前:
URL:
  情報を記憶: 評価: 顔