2009年08月24日

ボルト4

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様々なスーパーパワーで悪と戦う
ヒーロー犬が主人公の大人気TV
ドラマ。その主人公を演じている
俳優犬のボルトは、ドラマの話を
現実だと信じ込んでいた。
ある時、ドラマは急展開を向かえ、
飼い主のペニーが悪人にさらわれて
しまう。ボルトはペニーを救うために
スタジオを飛び出すが・・・。


ディズニー・アニメの最新作は、自分をヒーローと信じて疑わない
犬のボルトが繰り広げる珍道中。
ディズニーのアニメスタジオは、2006年にピクサーを傘下に
入れてから体制が見直され、ピクサーのトップであるジョン・ラセター
監督がチーフクリエイターに就いています。
本作は、その新体制で制作された最初の作品。アカデミー賞に
ノミネートされるなど評価も上々で、ピクサー以外のディズニーアニメ
の復活を予感させる良作に仕上がっています。
昨今のアニメ市場の例に漏れず、本作も一部映画館で3D上映が
行われています。特に序盤のTVドラマのエピソードは3Dならでは
の迫力を堪能できるので、観れる人は3Dで観るのをオススメします。

僕はてっきり、ボルトはスタジオを出た直後に「自分はヒーロー
じゃない」と気付くと思ってたんですが、彼がそれに気付くのは
物語の中盤。前半は思い込みと勘違いのオンパレードで観客を
笑わせてくれます。後半に入ってからは、無知なボルトが犬の生活を
学習していく姿が描かれるんですが、ここでちょっと疑問が。
ボルトはペニーに貰われてから5年後にヒーローになったという設定。
なのに、普通の暮らし方どころか血を見たこともないっていうのは
ちょっと世間知らず過ぎるでしょう。ヒーローだって腹は減るだろうに、
空腹になったことすらないっていうのも変。まぁ、この辺りの
カルチャーギャップ(?)は、極端な方が面白いからいいんですけど。

普通の犬が自分をヒーローと思い込んでいる、という内容だけでは、
ただのコメディにしかなりません。しかし本作では、「主人のペニーの
愛情もニセモノなのか」というボルトの葛藤を盛り込む事で、話に
深みを持たせています。
流石、ピクサーが絡むと違いますね。
ボルトの旅の仲間、ミトンズの存在もポイント。主人のペニーを
信じるボルトと、主人に捨てられたミトンズの関係が良かったです。
というかミトンズ可愛い!普段からネコ好きなので愛着もバッチリ。
実家のネコを撫でくり回したくなりましたよ(笑)。

概ね高評価なんですが、どうしても気になったのは、ある作品との
類似性です。その作品は、同じディズニー作品でジョン・ラセターが
監督を務めた『トイ・ストーリー』シリーズ。
自分をヒーローだと勘違いしている設定は『トイ・ストーリー1』の
バズ・ライトイヤー、主人への想いで揺れ動く様は『2』のウッディと
よく似ています。ボルトとミトンズの関係も、ウッディとジェシーの
関係に似ているし、冒頭の劇中劇は『2』のバズのゲームと使い方が
一緒。そして悲しいかな、どれも『トイ・ストーリー』の方がよく
出来ている。ボルトが、自分がヒーローでないと悟るシークエンス
(いろんな事態が重なって、徐々に疑惑が広がっていくという感じ)に
若干不満があるんですが、バズが自分がオモチャだと気付くシーン
(いきなりTVで自分のオモチャCMが流れて驚愕し、それでも現実を
受け入れられなくて空を飛ぼうとしたら、階段から落ちて腕が取れて
しまうという展開)は最高。そんな類似点も含め、やっぱりピクサー
作品には一歩及ばなかった
というのが正直なところです。



e5125aspaceodyssey at 22:04│Comments(7)TrackBack(11) 映画のレビュー・は行 | アニメのレビュー

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2. ボルト  [ Akira's VOICE ]   2009年08月25日 10:21
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この記事へのコメント

1. Posted by 由香   2009年08月25日 13:34
こんにちは♪
犬好きのせいか(室内で3匹飼っています・笑)、この映画はツボでした〜
ボルトの仕草がイチイチ可愛かったです!
ネコちゃんも好きなのでミトンズにもハマりました〜

でも、やっぱり「トイストーリー」とかぶりますよね?
えめきんさんの文章を読んで、ますます類似性に気付かされましたよ。
で、、、私も「トイストーリー」の方が断然素晴らしいと思います!!
2. Posted by にゃむばなな   2009年08月25日 17:50
あぁ〜確かに『トイ・ストーリー』シリーズの内容を凝縮してますよね。
その辺り、ジョン・ラセターの脚本力が低下しつつあるということなのかも知れませんね。

でも演出においては、やっぱりさすがジョン・ラセター!でしたよ。
3. Posted by ノラネコ   2009年08月25日 21:39
新生ディズニーの未来が明るく感じられる佳作でした。
設定は借り物感があるとは言え、三匹の主役たちが、上手い具合に性格分けされていて、流石によく考えられているなあという感じでした。
動物たちの人間への想いは、動物と暮らしている人にはちょっとたまらないものがあります(泣
4. Posted by えめきん   2009年08月26日 06:55
犬(ボルト)も好きですが、実家に猫が2匹いる僕としては、やっぱり猫(ミトンズ)が可愛かったですね。ハムスターを飼ってる人は「ライノが可愛い!」って言うんでしょうか?

『ボルト』も面白いんですが、やっぱり『トイ・ストーリー』には敵いませんよね。『2』なんて僕のベスト10に入る大傑作ですし。



にゃむばななさん、コメントどうもです。

>ジョン・ラセターの脚本力が低下しつつあるということなのかも
『トイ・ストーリー』の焼き直しということもありますが、「いいアイデアはピクサーで自分が監督する作品に取っておく」という思惑があったんじゃないでしょうか(笑)。もしくは、このネタでのアイデアは『トイ・ストーリー』で全部使ってしまったとか。『トイ・ストーリー』はそれくらい素晴しい作品ですしね。
5. Posted by えめきん   2009年08月26日 07:01
ノラネコさん、コメントどうもです。

僕もこの映画を観た後、実家の猫に会いにいったんですが、僕の顔などとっくに忘れているようで、顔を合わせたら逃げ出すツンデレ(ツンだけ?)ぶりでした。

設定や構成は近年のディズニーアニメでは一番ですね。今度は久しぶりの2Dアニメが控えているみたいだし、新生ディズニーアニメの今後に注目です。
6. Posted by ミチ   2009年08月27日 20:07
こんにちは♪

ピクサー色が強いなとは思いましたが、それが上手く出ていたかな。
「カーズ」の番外編が付いてくるとは思っていなかったので、嬉しい驚きでした♪
7. Posted by えめきん   2009年08月29日 22:12
ミチさん、コメントどうもです。

『カーズ』の短編も面白かったですね。『ワイルドスピードX3』のパロディになっていたり、『モンスターズ・インク』のキャラがゲスト出演していたりと、ピクサーならではのマニアックさが満載でした。オマケの短編まで3Dにしてくれていたのも高ポイントです。

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