2009年12月23日
パブリック・エネミーズ
1933年、大恐慌真っ只中の
アメリカ。パブリックエネミー(社会
の敵)潤・Pと言われた男ジョン・
デリンジャーは、大胆な手口で次々と
銀行を襲撃していた。業を煮やした
FBIは、敏腕捜査官メルヴィン・
パーヴィスにデリンジャー逮捕を指示
する。そしてジョンは、運命の女性
ビリーと出会う。
実在した犯罪者ジョン・デリンジャーを題材にしたノンフィクション
映画。主人公ジョンを演じるのはジョニー・デップ。そのジョンを
追う捜査官メルヴィンをクリスチャン・ベイルが、ジョンが愛した
女ビリーをマリオン・コティヤールが演じています。
監督は骨太なサスペンスドラマを得意とするマイケル・マンです。
予告ではジョンとビリーの愛の逃避行みたいな紹介の仕方を
していてメルヴィンがほとんど無視されていますが、そんな愛の
逃避行はほとんど描かれていないので、ジョニデ目当ての女性
ファンの方々はご注意下さい。ではジョンとメルヴィンの対決が
メインとなるかというとそういう訳でもなく、クリスチャン・ベイル
目当ての映画ファンの方にも注意が必要です。
正直に言うと、この映画に見所をあまり見出せなかったんですよね。
好敵手であるメルヴィンは終始ジョンを追い続けるものの、大した
成果も得られない上にジョンとメルヴィンが対面するのもごくわずか。
本来メルヴィンがかっさらうべき最後の見せ場も部下に取られて
しまう始末です。あまりの活躍の無さに、「最後は捜査の進まない
苛立ちで常識外れの大暴走するんじゃないか?」と想像したん
ですが、ビックリするほどの暴走ではなかったです。
ヒロイン・ビリーとの絡みも中盤スッポリ抜け落ちているし、終盤も
ほんのちょっとあ再会するだけ。
ジョンと絡む事で映画のジャンルを決定付けるはずの二人の人物が
とにかく目立たないんですよね。
最後まで観て思ったのは、この映画はジョン・デリンジャーを
題材にした典型的な伝記映画だったということ。サスペンスや
ラブストーリーなんてものはハナから期待しちゃいけなかったん
ですね。
この映画にはジョン・デリンジャーの魅力がたくさん詰まって
います。華麗に銀行を襲撃し、人的被害は極力出さない。狙いは
銀行の金だけで個人のお金や誘拐事件には決して手を出さない。
一途に一人の女性を愛し、女のためなら危険を犯すことも辞さない
行動力を持っている。さらに大胆不敵で、終盤の捜査本部訪問は
とても素敵でした。
ジョン・デリンジャーの人となりはよく解かったんですが、映画
としては派手さに欠ける印象。史実に忠実に製作した結果だと
思いますが、もう少し脚色してもバチは当たらなかったと
思います。
トラックバックURL
この記事へのトラックバック
この記事へのコメント
ジョニー主演という事で、ファンとしてはスゴク楽しみにしていたのですが、、、ちょっとガッカリして鑑賞を終えました(泣)
主要な登場人物以外は誰が誰だかよく分からなかったし、何をどう描きたかったのかも伝わらず、、、もう少し映画なりの派手さや心理描写が欲しかったですぅ〜
もっと派手なエンターテイメントだと思っていたんですが、意外に地味な作品でしたよね。
ジョニー・デップとクリスチャン・ベイルとの対決を期待してたんですが、その点は見事に省略されていてガッカリでした。
デリンジャー自身の魅力を伝える上ではジョニーの起用は確かだったように思うのだけど、それだけで終わっちゃった感じでもありました。
もっと明るくてテンポの良いものと思っていただけに、あらら〜でした(^^;
だから評価もイマイチ上がらないのかと思います。
やはりマイケル・マン監督といえば「男の世界」。これをもっと強調しないと!
面白くないわけじゃなんだけど、期待していたものと少し違っていたためかあまりにもアッサリでしたねー
実際の出来事に基づいているからある程度は仕方ないにしても、えめきんさんおっしゃるようにもうちょっと脚色してドラマティックにしてくれても良かったのに・・と残念です。
クリスチャン・ベイルとの対決もしくは友情みたいなものが欲しかったですね!
この人は元々ストーリーは弱いので、ムードにのれるかどうかで評価は変わりそうです。
私は結構好きですけど、もちょっとラブストーリーに降っても良かったかなと思います。
確かにジョニーの見せ場だけで終わってしまった感はありますね。クリスチャン・ベイルの活躍がもっと観たかったのに。
>もっと明るくてテンポの良いものと思っていた
僕も娯楽性満載のクライムサスペンスだと思っていたので、この淡白さは残念でした。
にゅむばななさん、コメントどうもです。
CMでは「愛の逃避行」とか言っていたので、「どうせ女性客を引き込むための大嘘で、ホントはデップとベイルの男の対決なんだろう」なんて思っていたんですが、まさかベイルまで脇に追いやられているとは思いませんでした。もっと男の汗臭さを出して欲しかったんですけどね。
映画は見世物ですからね。史実に従ってつまらなくなるよりは、嘘でもいいから面白さを追求して欲しいという願いはありますよね。
この映画で一番面白かったのは、デリンジャーが大胆にも捜査本部に乗り込むところです。あそこは多分、嘘の部分なんでしょうね。
ノラネコさん、コメントどうもです。
>もちょっとラブストーリーに降っても良かったかなと
そうですよね、デリンジャー以外の視点をもっと出して欲しかったです。僕としては、FBIとの対決をもっと前面に出して欲しかったですね。
今年一年、お付き合いいただきありがとうございました。
ロンドンに行ってから、あまり映画を観られなくなって、残念ですが、これからもどうぞよろしくお願いします☆
私のようなジョニーファンには、たまらない映画でしたけど、内容があまりに薄くて、残念でした。
どちらかというと、男くさい生き様の方を観たかったですね〜
>男くさい生き様の方を観たかったですね〜
男くささ、足りなかったですよね。ジョニー・デップを起用して、デリンジャー像を綺麗にしすぎたのかもしれませんね。
ノルウェーまだ〜むさん、今年一年ありがとうございました。来年もよろしくお願いします。
それでは良いお年を。