2010年06月24日

孤高のメス5

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大学病院から出向している医師が
幅を利かせ、手を抜いた手術が
問題になっている地方の市民病院。
そこに新たに赴任した医師・当麻は
そんな病院の体制を意に介さず、
患者第一の姿勢で困難なオペを
次々成功させていく。そんな中、
当麻は日本では違法とされている
脳死肝移植に挑む事になる。


漫画『メスよ輝け!!』を原作とした医療ドラマ。同じ作品を原作とした
小説『孤高のメス−外科医 当麻鉄彦』というのもあり、そちらを
原作としているのかもしれません。
かなり評判が良い作品で、期待して観に行きました。期待に違わぬ
素晴しい映画でしたね。

主人公・当麻鉄彦はとにかく格好良い男。名声やお金には全く
興味がなく、「助けを求める患者を救う」ことだけに心血を注ぎます。
普通ならそんな漫画のヒーローみたいな人(漫画が原作だけど)、
リアルな医療ドラマに出てくると違和感があると思うんですが、
堤真一の好演のおかげで全く違和感がありません。演歌が大好き
という点も好感が持てていいですね。

映画の前半は当麻先生の人となりと医師としての腕を存分に見せて
くれます。そして後半からは、いよいよ本題である脳死肝移植の
話が始まります。
脳死と診断された患者から臓器を取り除き、他の患者に移植する
という行為には賛否両論あります。心臓も動いているし脳以外の
機能は正常に働いている。もしかしたら目を覚ますことがある
かもしれない人の身体から心臓や肝臓を取り出す行為は、いくら
他の人を助けるためとはいえ殺人と変わりはしないのではないか。
そんな葛藤を抱きながらも、当麻先生は信念を持ってメスを
握ります。ここもまた格好良い!
息子が脳死状態になった母親の苦悩もよく描けていました。「優しい
息子なら自分の身体を役立てて欲しいと言うはず」と、臓器提供を
申し出る場面は感動しました。しかしなにより感動したのは
移植手術の直前。オペ室でスタッフ全員が視線を向けた先に置いて
あるクーラーボックス。そこに入った肝臓、それを提供した少年も
患者の命を救う仲間だと感じた時は涙が溢れました。

もし自分が重い病にかかったら、当麻先生のような医者に診て
もらいたい。本気でそう思える作品でした。もちろんあんな素晴しい
お医者さんがそうそういるとは思えませんが、ああいう志を持った
人が医療の世界にもっといたら、日本はもっといい国になるに
違いありません。



e5125aspaceodyssey at 22:15│Comments(3)TrackBack(9)映画のレビュー・か行 

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1. 『孤高のメス』 腹の中まで見てください  [ 映画のブログ ]   2010年06月25日 14:37
 医療を扱った映画で、手術シーンは珍しくない。  『白い巨塔』の冒頭でも手術シーンがあり、スクリーンに臓器が映し出された。  私は尮..
2. 『孤高のメス』  [ めでぃあみっくす ]   2010年06月26日 15:19
命を繋ぐ。想いを繋ぐ。それが移植手術の本当の姿であり、医療に携わる者の本来あるべき純粋な姿。 当初は全く興味のない映画でしたが、原作者であり現役医師でもある大鐘稔彦先生が淡路島の方だと聞き、同じ選挙区の映画好きとしては是非見なければと思い映画館に足を運び....
3. 孤高のメス  [ そーれりぽーと ]   2010年06月29日 22:59
いろんな意味でネームバリューの大きな話題作が目白押しだった週末、上映館数も回数も少なくないし、個性派俳優で固めたキャスティングも面白そうなのに、埋もれそうになってた『孤高のメス』を観てきました。 ★★★★★ 本を読まなくなって久しいもので、この映画の原作も...
4. 『孤高のメス』  [ 京の昼寝〜♪ ]   2010年06月30日 08:26
  □作品オフィシャルサイト 「孤高のメス」□監督 成島 出 □原作 大鐘稔彦 □脚本 加藤正人□キャスト 堤 真一、夏川結衣、余 貴美子、柄本 明、吉沢 悠、中越典子、松重 豊、成宮寛貴、平田 満、生瀬勝久■鑑賞日 6月13日(日)■劇場 チネチッタ■cyaz...
5. 孤高のメス  [ 映画鑑賞★日記・・・ ]   2010年06月30日 11:00
2010/06/05公開 日本 126分監督:成島出出演:堤真一、夏川結衣、吉沢悠、中越典子、松重豊、成宮寛貴、矢島健一、平田満、余貴美子、生瀬勝久、柄本明1989年のある地方の市民病院に赴任した外科医の当麻は病院の体制に不満を感じながらも医師としてやるべき仕事にまい進して...
6. 孤高のメス  [ 象のロケット ]   2010年06月30日 17:55
1989年。 さざなみ市民病院にアメリカ帰りの外科医・当麻が赴任する。 そこは簡単な手術さえすぐ大学病院送りにする、やる気のない地方病院だった。 だが、設備も整っていないオペ室で、彼は次々と困難な手術を成功させていく。 ある日、議会中に倒れた市長が搬送されて...
7. 命をつなぐ〜『孤高のメス』  [ 真紅のthinkingdays ]   2010年06月30日 18:31
 急死した看護師の母の葬儀のため、新米医師の弘平(成宮寛貴)は寂れた漁 師町に帰って来る。母の遺品を整理するうち、彼は「1989」と書か...
8. 「孤高のメス」 命を繋ぐ、志を繋ぐ  [ はらやんの映画徒然草 ]   2010年07月19日 07:32
ルールというのは難しい。 なぜならばルールを定めた時に、どうしてもどこかに線が引
9. 孤高のメス  [ 映画、言いたい放題! ]   2011年04月26日 00:04
堤真一主演の硬派な医療モノ。 気になりますね。 看護師の母・浪子の葬式を終えた新米医師の息子・弘平は、 整理していた母の遺品から一冊の古い日記帳を見つける。 1989年。 浪子が勤めるさざなみ市民病院は、大学病院に依存し、 外科手術ひとつまともにできない地

この記事へのコメント

1. Posted by にゃむばなな   2010年06月26日 15:18
脳死した息子を移植のため手術室へ送り出す母親の姿まで描いているところが凄かったですね。
脳死というものを用いて「生」と「死」を描くとは・・・。
本当に素晴らしい映画でしたよ!
2. Posted by えめきん   2010年07月02日 19:54
にゃむばななさん、コメントどうもです。

脳死肝移植の困難さだけでなく、移植を受ける側、肝臓を提供する側、そしてその人を送り出す人の決意までを描いていたのは凄かったですね。
派手さはありませんが、日本映画の得意なところがしっかり出ていた秀作でした。
3. Posted by ��������眼��   2013年08月17日 07:32
2 1 ����������������c��罩≪�����������

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