2010年10月09日

十三人の刺客5

13弘化元年。明石藩主・松平斉韶の
暴虐な振る舞いに、民や家臣は苦悩
していた。大炊頭は、斉韶が江戸に
上がる前に暗殺する事を決意。
御目付役の島田新左衛門に斉韶の
暗殺を指示する。島田は自分を
含めた十三人の刺客を集め、
参勤交代の途中に立ち寄る宿場町で
斉韶を急襲する。

 

三池崇史監督による痛快時代劇。1963年に公開された同名
作品のリメイクだそうです。そんな事を全く知らずに観に行き、
エンドロールで初めてそのことを知りました。ホラーからアニメの
実写化、さらには時代劇のリメイク。三池監督はホントになんでも
やりますね。

オリジナルに敬意を払っているからか、普段の三池映画のような
ぶっとび振りは鳴りを潜め、かなり本格的な時代劇になって
いました。加えてクライマックスの大乱闘は極力CGを使わずに
作られていて、本物の迫力を存分に見せてくれます。
バトルは若干ゴチャゴチャし過ぎてて見辛い場面もありますが、
十分許容範囲でしょう。個々の殺陣も非常にしっかりしてます。

刺客勢だけで13人、さらに敵側や他の主要人物も合わせると
メインキャラクターは20人ほどにもなります。これだけの数の
キャラクター一人一人を深く描くのは不可能で(『7人の侍』だって
3時間20分かけて7人のキャラを掘り下げたんだから)、主役
となる刺客達も何人かはほぼ背景キャラ。主要人物はもちろん
しっかりと性格付けされていますが、個人的に一番感情移入
したのは刺客達ではなく斉韶を守る側近・鬼頭半兵衛。極悪非道
な主人に困惑しながらも、「主のために命を捨てるのが侍の本分」
という信念のもと、刺客達と互角以上の戦いを繰り広げます。
島田とは旧知の仲という設定も魅力的で、最後の一騎打ちは
とにかく燃えました。
とはいえ、劇中一番のインパクトを見せてくれるのは紛れもなく
暴君・斉韶を演じた稲垣吾郎。「SMAPがこんなことして
いいのか!?」
と突っ込まずにはいられない、極上の悪役っぷり
です。刺し殺した男の首に刀を三度(!)叩きつけて首を落とし、
悦に入った表情で「山猿の骨は硬いのぉ」と吐き捨てた瞬間は
本気でシビれてしまいました。ファンになっちゃいそう。
そんな素敵な人たちの中で、唯一世界が違っていたのが伊勢谷
友介。こいつだけはいつもの三池ワールドが全開で、真面目
一辺倒の雰囲気の中で良いアクセントになっていたと思います。

ゴローちゃん最高!熱い漢(おとこ)たちも最高!汗臭くて
泥だらけで血まみれの、正しく漢の映画。
ジャニーズファンの皆さん、今一番旬なのは二宮じゃなくて
ゴローちゃんですよ!



e5125aspaceodyssey at 23:17│Comments(6)TrackBack(10)映画のレビュー・さ行 

トラックバックURL

この記事へのトラックバック

1. 十三人の刺客  [ LOVE Cinemas 調布 ]   2010年10月10日 00:05
1963年に公開された工藤栄一監督の『十三人の刺客』を『クローズZERO』、『ヤッターマン』の三池崇史監督がリメイク。悪逆非道な暴君を天下万民の為に討つべく集まった十三人の刺客の命がけの戦いを描く。主演は役所浩司だが、共演にも稲垣吾郎、松方弘樹、市村正親...
2. 十三人の刺客  [ Akira's VOICE ]   2010年10月10日 10:52
痛快と興奮と切なさに満ちた男たちの生き様!  
3. 十三人の刺客・・・・・評価額1700円  [ ノラネコの呑んで観るシネマ ]   2010年10月12日 23:38
「十三人の刺客」と言えば、1963年に工藤栄一監督、片岡千恵蔵主演で封切られた、所謂東映集団時代劇の傑作。 リメイクしたのが全く作家性の??..
4. 「十三人の刺客」万民のため殺された者たちの無念を晴らすため暴君と戦った刺客たち  [ オールマイティにコメンテート ]   2010年10月12日 23:46
9月25日公開の映画「十三人の刺客」を鑑賞した。 この映画は1963年に公開された 「十三人の刺客」を再び映画化した作品で、 暴君により殺された人々のために命を懸けて 暴君を討とうと13人の刺客を集めて 暴君を討とうとする仇討ストーリーである。 映画に登....
5. 十三人の刺客  [ シネマをぶった斬りっ!! ]   2010年10月13日 14:49
【監督】三池崇史 【出演】役所広司/山田孝之/伊勢谷友介/沢村一樹/古田新太/六角精児/石垣佑磨/高岡蒼甫/波岡一喜/近藤公園/窪田正孝/伊原剛...
6. 『十三人の刺客』  [ こねたみっくす ]   2010年10月13日 18:11
斬って、斬って、斬りまくれっ! これぞ日本映画史に残る息抜き知らずの壮絶なる死闘を描いた傑作。もうラスト50分に興奮しまくりでしたよ。 活劇時代劇の傑作と謳われたオリジナルに「これぞ三池!」色を見事に融合させてこの映画。やはりこの作品を高く評価したQTの映....
7. 十三人の刺客  [ ★YUKAの気ままな有閑日記★ ]   2010年10月13日 18:29
『悪人』を観ようか、コチラにしようか迷ったんだけど・・・【story】罪なき民衆に不条理な殺戮を繰り返す暴君、松平斉韶(稲垣吾郎)を暗殺するため、島田新左衛門(役所広司)の下に13人の刺客が集結する。斉韶のもとには新左衛門のかつての同門・鬼頭半兵衛(市村正親)ら...
8. 十三人の刺客■マカロニ・ウエスタン的チャ...  [ 映画と出会う・世界が変わる ]   2010年10月28日 08:54
「斬って、斬って、斬りまくれ!」と叫ぶ役所の姿が予告編のポイントであり、この作品のキャッチコピーのようなものであるが、まさにその通りの作品である。63年に公開された同名作...
9. 十三人の刺客  [ 銀幕大帝α ]   2011年05月13日 22:02
10年/日本/141分/時代劇アクション/PG12/劇場公開 監督:三池崇史 原作:池宮彰一郎「十三人の刺客」 出演:役所広司、山田孝之、伊勢谷友介、沢村一樹、古田新太、六角精児、伊原剛志、松方弘樹、吹石一恵、谷村美月、斎藤工、神楽坂恵、岸部一徳、松本幸四郎...
10. 『十三人の刺客』 映画レビュー  [ さも観たかのような映画レビュー ]   2011年05月20日 02:48
『 十三人の刺客 』 (2010)  監  督 :三池崇史キャスト :役所広司、市村正親、山田孝之、沢村一樹、吹石一恵、高岡蒼甫、松方弘樹、松本幸四郎、稲垣吾郎、古田新太 1963年に公開された工藤栄一...

この記事へのコメント

1. Posted by メビウス   2010年10月13日 14:50
えめきんさんこんにちは♪TB&コメント有難うございました♪

なんだかこういった時代劇モノを次第に敬遠してる自分ではあるのですが、本作で描かれてる落合宿での襲撃シーンにはじまり、幕末の世でくすぶっている武士の本分といったドラマ性も見応えがあって、自分も想像してた以上に面白く観れたとこがありましたね。ちょっとしたユーモアも入れてるから、若い層にも結構受け入れ易いんじゃないかとも思いますね。

豪華な出演陣の中で一番の敢闘賞は自分もやっぱりゴローちゃんwああいった冷酷な表情やセリフはSMAPの他の4人でも引き出す事は出来ないんじゃないでしょうか?三池監督の目利きは凄いと言うか・・^^;


そんな三池監督の次回作を調べたら今度は『忍たま乱太郎』になってましたww
2. Posted by にゃむばなな   2010年10月13日 18:10
SMAPの中で演技派にもコメディ路線にも進めないゴローちゃんなんて言われていた時期もありましたが、もうそんなことなど誰にも言わせない!というくらいの悪役ぶりでしたね。
あれは凄いインパクトでしたよ。
3. Posted by 由香   2010年10月13日 18:33
こんにちは〜♫

おお〜!!満点だ!!
・・・・・スミマセ〜ン(汗)私の辛口感想においで頂いて(恐縮・汗)
私はどうもダメだったんですよ〜
ちょっと生理的に合わなかったようで、映画を長く感じてしまいました。

ゴローちゃんは、あんな役をやって良かったんでしょうかね?(笑)
マズイくらいにハマっていたので、配役を決めた方はスゴイな―と思いましたよ。
4. Posted by ノラネコ   2010年10月13日 21:14
まさに少年漫画のような熱血映画でした。
徹底的なエンタメでありながら、侍の生き様の精神性もちゃんと描いてるのも良かったです。
ゴロちゃんは演技賞ものですね。
これ一本で映画史に残りました。
5. Posted by えめきん   2010年10月15日 22:10
メビウスさん、コメントどうもです。

時代劇モノでありながらも、どこか漫画っぽい部分があったり、正統派アクション映画顔負けの派手なシーンもあったりと、時代劇の枠に収まらないパワフルな作品でした。

>今度は『忍たま乱太郎』
『乱太郎』もいいですが、『大魔神』のリメイク企画はどこに行ってしまったんでしょうね?




にゃむばななさん、コメントどうもです。

ゴローちゃんは助演男優賞総なめ確実の素晴しい存在感でした。これほどの狂気はジョーカー以来ですね。日本の名悪役として僕らの心にしっかりと刻まれました。
6. Posted by えめきん   2010年10月15日 22:22
由香さん、コメントどうもです。

この映画はやはり好き嫌いが分かれますよね。三池監督がいろんな意味で暴走している作品でしたから(そんな暴走っぷりが好きです)。
ゴローちゃんは何だかんだで今まで「華」がなかったので、ここで「悪の華」を咲かせたことはきっとプラスになっていくと思います。




ノラネコさん、コメントどうもです。

>侍の生き様の精神性
ライバルの鬼頭は、正に侍の生き様を体現した存在でしたね。そんな鬼頭と、己の正義を貫いた島田の一騎打ちはとても見応えがありました。信念のぶつかり合いでしたね。

この記事にコメントする

名前:
URL:
  情報を記憶: 評価: 顔