2010年11月17日
ベン・ハー
ローマ帝国が支配するユダヤの地で
暮らすジュダ=ベン・ハー。彼は
ローマから帰還した親友メッサラから
ローマに反抗する同胞を密告するよう
強制されメッサラと仲違いする。
その後ジュダは、総督暗殺の濡れ衣を
着せられて、奴隷となって戦地へ。
ガレー船の漕ぎ手として強制労働を
強いられる。
往年の名作を週代わりで劇場公開する『午前十時の映画祭』。
今回観てきたのは上映時間212分の超大作『ベン・ハー』。
アカデミー賞史上最多の11部門の栄冠に輝いている作品です
(ちなみに『タイタニック』と『ロード・オブ・ザ・リング
王の帰還』も11部門を受賞してます)。
ジュダ=ベン・ハーの半生を凄まじいスケールで描く本作。歴史
大作(フィクションだけど)としてだけでなく、アドベンチャー映画
としても大変見応えがあります。
派手な見せ場である中盤の海戦。ミニチュアで撮影された艦隊戦
は、特撮好きにはたまらないですね。ミニチュア撮影では水や火、
煙の大きさにどうしても違和感が出てしまいますが、それも味
ですよね。それに安っぽさを感じるのはそこくらいで、
ぶつかり合う戦艦なんかは凄い迫力です。
後半の戦車レースは映画史に語り継がれる屈指の名シーン。
CGが無かった時代なので、4頭の馬が牽引する戦車はもちろん
本物。そんな戦車が8騎も入り乱れてガチンコレースをするん
だから、迫力がないはずありません。手に汗握る白熱の戦いを
見せてくれました。
この物語で忘れてはいけないのが、イエス・キリストの存在。
奴隷となって絶望の淵に立たされたジュダを救い、最後には彼を
含む多くの人々を奇跡によって救います。隣で観ていた人は
熱心なキリスト教信者だったのか、キリストが登場するシーンでは
ずっと泣いていました。
キリストが偉大な存在である事や処刑された時に多くの奇跡が
起きた事は解かっているんですが、最後の展開はやはり都合が
良すぎた気もします。母と妹は助かったけど、業病にかかって
いた他の人々はどうなったの?
この映画が大ヒットしたおかげで、当時経営難だったMGMは
業績を立て直せたんだそうです。先日破産申請したというニュース
が報じられましたが、その時のように不死鳥の如く蘇って欲しい
ですね。その鍵を握るのはやはり『ホビットの冒険』でしょう。
一刻も早い完成を期待しています。