血縁関係など親族間での提供を原則としている生体臓器移植について、面識のない人同士でも提供できるよう、日本移植学会が新たな制度の検討を始めることが、3月17日までに分かった。5月9日に開かれる同学会の理事会で提案、審議される見通し。

 国内での生体臓器移植は、原則として親族に限られており、いわゆる「ヤミ仲介業者」の関与や臓器売買を防ぐことなどを理由に、面識のない人同士での臓器提供は事実上認められていない。

 今回、新たな制度の検討が行われることになったのは、レシピエントを特定せずに臓器提供をしたいというドナーの申し出があったため。「病気に苦しむ人のために、自らの健康な腎臓を役立てたい」との理由だったが、移植学会が移植の可否について審議する倫理委員会でも、レシピエントが不特定のケースは過去に例がなく、生体臓器移植のあり方について新たな指針が必要になった。
 ただ、▽本人の意思のみを根拠に、健康な人の体にメスを入れることが医学的・倫理的に妥当か▽日本臓器移植ネットワークの登録者の中から誰をどういう基準で選ぶか―など、極めて慎重な議論が必要な検討課題も多く、関係者は「新制度が実施に到るまでには、相当の時間を要するだろう」と話している。


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