エターナルバースデイ

美少女ゲームの感想を書くブログ

2023-09-12-2254-12
やがて起こる悲劇的な因果と向き合い、最高の未来を求めて各人物が奔走する物語。

「天文学会」という組織に所属しているが、実態は生徒会の補佐、暴走する学生の鎮圧を役割とする実働部隊的な役割が強い。
暴力的な柔道部との殴り合いや、日常シーンで友人キャラのケニーが頻繁に殴られるなど、とにかく蹴る殴るの描写が多い。
ほとんどのキャラクターの思考と行動が不快になるほど傍若無人で、掛け合いもきわめて冗長で日常シーンは非常につまらない出来に仕上がっていた。特に副会長のヒスり&他力本願は何度殴りたくなったことか。本作の致命的な欠点である。

七難八苦と思えるシナリオを耐え忍べば古川 ゆいという最高のヒロインを中心とした秀逸な物語が待ち受けている。
彼女のいじらしさ、懸命な姿には心が打たれるし、求めたくなる未来が一つに定まっていく物語構造に感嘆とした。

★ネタバレ注(クリックで展開)★中でも、最終ルートの一つ前で重大な決断をした奏に心を打たれた。
自らの幸せを置き去りにしてゆいだけの幸せを希い、別の世界に託す姿が何より格好いい。
『動かないエレベーター』に背中を預ける一枚絵をよく描いてくれたものだ。
あのシーンと、全力で佳織を守るゆいのシーンがあったことが救いだった。
自分には合わないと感じながらも投げ出さなくてよかったなと。少しは本作を愛することができたのかなと思えたのだ。

2023-09-12-1955-54
情欲や劣等感といった負の感情を「命ごと殺して食べる」悪魔・エネミと、「性的な快楽で救済する」天使・カナタの物語。

人外ヒロインが人々に対して繰り広げるお話ということで、特異な行動の数々が目立つ。とりわけ、人間を自らに依存させるカナタの思考回路については全く理解不可能だった。「人ならざるもの」への畏怖によって、Hシーンにもイマイチ気持ちが入らなかった(獣姦は神)。

かといって恣に生命を脅かすエネミの行動に同意できるわけでもなく、エネミとカナタに芽生えた関係にも良さを見出すことも出来なかった。
人外ヒロインは人には存在し得ない魅力を持っていることも多いが、人間の価値観から大きく逸脱してしまうと愛せなくなってしまう。本作は残念ながら、後者にあたるものだった。

2023-09-09-1410-39
フルダイブ型の電脳世界と現実世界を行き来して、ヒロイン達と交流を深めていく物語。

現実と電脳世界で人格が分裂している設定が、キャラクターの良さを引き出すわけでもなく
シナリオの面白さにも活かしきれなかった印象を受ける。
また全体的に会話のテンポが悪く冗長な印象を受ける。ダラダラとつまらない会話を繰り返す光景は悪い意味で『キャラゲー』らしいところがあった。

キャラクターデザインが素晴らしいのは勿論のことだが、特に久遠√はシナリオとしてかなり楽しめた。終盤の家族愛溢れるエピソードは思わず泣けてしまったし、「生きよう」と力強く思わせる結末に大満足だった。

★ネタバレ注(クリックで展開)★エレナ(久遠の母)が生前に、将来、嘉人君と久遠が結ばれるように取り計らってくれたこと。
自らの死期を悟り、久遠の結婚が決まった際に贈与されるオルゴールに久遠と久遠の父を幸せに導くメッセージを仕込んでくれたこと。
死してなお一家を包み込む暖かさ、慈愛の精神が本当に尊く、全身に感じられて涙が出てくる。

また「自分を産んだことで身体が衰弱してしまった」と責任を感じる久遠に対して、
久遠の父は「生まれたことを不幸と思わないでほしい」との願いから毎年、誕生日を盛大に祝い続けてくれていた。父親として最高の行動ではないだろうか。
だからこそ久遠は反出生主義的な思想に傾くことなく前を向いて生きてこられたのだと思うし、今まで歩み続けた、幸福に繋がる道を途絶えさせなかったのだと思う。

何にせよ、死してなお3人の心を救ったエレナさんの人としての素晴らしさが光る最高のシナリオだった。

次点で妹の鈴√も彼女のいじらしさを感じられるもので良かったが、他2人は惨憺たる出来だった。
ルート間のクオリティにかなり差があるので評価が難しい作品ではあるが、
久遠√という宝物を見つけられた私にとっては思い出に残る一作となった。

2023-09-09-0916-33
コスプレイヤーとして本屋を街頭宣伝するアルバイトに採用されたJK・結衣を露出させて、エロを楽しみつつ集客をする話。

調教というより、ひたすら結衣ちゃんが責め苦に耐えているだけなのでタイトルが根本的に間違っている。
逆に「AkiBa JK 露出」と「ナニすんのよッ、信じらんなぁい!! 勝手にあたしの○○○見ないでよ、このヘンタイオタク!! マジでサイッテ~!!」はタイトル通りで強気な女の子がひたすらに痴態を晒す場面を堪能できる。

「調教ではない」齟齬とやや古めの絵柄さえ気にならなければ楽しめるのではないかと思う。
露出で何よりも大切なのは羞恥心という灯火を消さないこと。その灯りさえ健在であるならば、いつまでだって輝きを放つことができるのだ。

2023-09-09-0330-39
結婚相手・沙希の連れ子・珠音との肉体関係を描いた物語。

珠音は義父を一目見た時から強い恋心を抱いており、彼女から強烈なアプローチを受ける。
「娘に手を出して堕としていく」タイプの作品とは真逆のタイプなので注意が必要。
見た目の割にマセていて性知識もあるが、間接的に誘惑させて襲わせることはせず短絡的に迫ってくる。そこに年相応の拙さが現れていたかなと思う。

選択肢がいくつかありエンド分岐は一応あるものの、話とあまり噛み合っていなかった。
とりあえずいくつかエロシーンを作って安く売っておけばいいだろう、みたいな雑さを感じた。世に出すものを適当に作らないで…。

2023-09-09-0831-19
珠音の健気さを象徴している一幕が好き。
風呂場でふらつく主人公を懸命に支える献身の姿勢が嬉しくて、思わず笑みを浮かべてしまった。

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