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前作から面白さが一切色褪せていないだけに留まらず、新展開もガッツリ楽しめる”正統続編”。今作から正ヒロインに昇格したSS組は無論のこと、前作のヒロイン・NLNS組も今作で垣間見える新たな一面があった。

大ボリュームのテキストで常にプレイヤーを楽しませ続けてくれるので、語ろうものなら枚挙に暇がない程、魅力溢れる作品に仕上がっている。前作感想は当たり障りないものとなってしまっていたので、今回は全キャラの感想と共にぬきたしワールドを振り返っていきたいと思う。

▽奈々瀬
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ビッチオーラを醸し出しながらも、その内面は将来良妻賢母になることを確信させられる「ダメ男製造機」。登場するキャラクターの中でもかなりの良識派であり、その牙城が崩されない点は非常に良かったと思う。

ただ家事全般が文乃に役割を与えられる機会が増えたり、他の色濃い個性を持つキャラクターの意味不明な言動に妨害されてツッコミ役に徹してしまうなどある意味美岬よりも影が薄くなっている現状は可哀想でもある。ただでさえ今作では淳之介が他の女とくっつくパターンが多岐に渡っているので、印象としても「幼馴染負けヒロイン」の烙印を押されてしまった。

そんな中でどの女と結ばれようと淳之介の良き理解者であろうとする姿勢は変わらないのは彼女の素晴らしいポイントだ。そう、何度ビッチ扱いされ、誤解を重ねられても処女を守り通す純情さと愛の深さは決して忘れてはいけないのだ。

▽ヒナミ
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ロリじゃないですけど!?の決め台詞でお馴染みヒナミちゃん。ロリであることを認めればこの作品の存続に関わるので否定を重ねないといけないのも致し方ない。致し方はいくらでもあるが。

年上×甘えさせロリ(❌)という属性は「幼少期に甘えさせてくれたお姉ちゃん」を郷愁させてくれるものである。それはつまり、歩くバブみ幼稚園と呼んでも差し支えないのではないだろうか。ルートによっては保母さん関係の職に就くというのも頷ける。

ヒナミの存在および言動ではそういった邪な感情を湧き上がらせるだけでなく、特に文乃との絡みでは小動物的可愛さを味わうこともできる。そういったマスコット的役割を二文字で表すなら「象徴」であり、ぬきたしのタイトルに組み込まれる理由はそういったものから来ているのだろうなと思える。

淳之介が常々言っているように誰一人として欠かせないNLNSのメンバーの中でも特に欠かせない存在であり、ヒナミが居ないぬきたしなど考えられないのである。

▽美岬
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キチガイデブ。
前作で尻上がりにその個性を色濃くしていったヒロインだが、今作では特にぶっ壊れ度が全開であった。

さんざんな扱いを受けているが、人を陥れたり傷付けるような策略を企てることもしないとても良い子である。だからこそ支離滅裂な言動で幻滅されながら大切なメンバーの一員として最低限のラインで守られているのかもしれないが……。

そんな彼女とのルートは前作に続いて楽しい。本当に楽しい。

特に淳之介の美岬に対する愛が他のルートとは別人のように乖離しており、それに様々な形で巻き込まれるアサちゃんは可哀想だったが、盲目的な愛で意味不明な言&行動を連発するシナリオは読んでいる間常に笑わせてくれた。こんなに笑ったのは小学生の時「ボボボーボ・ボーボボ」を読んだ以来かもしれない。

楽しさと笑いだけを追求して他の全ての判断する境界線を曖昧にしてしまう。何もかもがどうでも良くなってしまうような素晴らしい(???)感情にさせてくれた。愛に塗れた謎の技術と勢いの集合で敵を薙ぎ倒した前作シナリオよりは静かなものだったが、その分将来に渡ってずっとバカなことをしていこうと約束するエピローグが素晴らしかった。

それもこれもコンプレックス等度外視して何もかもを受け容れてくれる美岬の優しさがあってこそだと思う。美岬となら何処までだってたどり着けるだろう。無限大な勢いを感じさせる淳之介と美岬の門出を見守ることしか出来ないのは本当に残念である。2人の楽しい一生をずっとずっと見ていたかった。

▽文乃
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時代錯誤で古き良きな言動と人物像を持つ小動物ヒロイン。

旧時代的と揶揄されがちな”尽くしてくれる”タイプの女の子であり、批判の対象としてやり玉に上げられがちな女性像に対しては、やはり何処か満たされる感情があることを否定させてくれない。彼女がいるからこそ頑張っていけるだろうという感情にさせてくれるし、それは彼女が居る場所こそが「還るべき場所」となることを確信させてくれる。むべむべ。

やはり誰かのために努力できる人は魅力的に映るものなのだろうか、「ぱそこんをおぼえます」等、随所に見られる自らが不慣れなものに慣れていく姿勢が愛おしい。物静かな言動ながら意志の強い彼女の人間性も愛おしい。

彼女と一生を共に過ごす未来があるなら、彼女と共に過ごす平穏な時間を大切にしてほしい。生きている時間の一秒一秒が、かけがえのない宝物になっていくだろうから。

▽麻沙音
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世界一可愛い言動の可愛くない妹。

オナニーという共通の趣味で築き上げた兄・淳之介との強固な絆は歪でしかないが確かな信頼関係で結ばれていることが分かる。それは異世界で対立してしまう構図となってからも如実に分かる。あの憂いを帯びた寂しげで凛々しいアサちゃんの表情こそが、皮肉にも彼女の寂しがりな性格を最もよく表していた。

前作では常に淳之介をサポートする理解者であったからこそ、本編(パッコマンシナリオ)で麻沙音を取り戻す展開には熱く燃えた。絶対に取り戻すんだという淳之介の熱い意志は、前作を見てきたプレイヤーにとっても主人公・淳之介と近い温度差で共感できるだろう。当たり前だ。「無くてはならない存在」がいないのだから。

麻沙音が唯一の肉親である淳之介にとっては何よりも大切な存在だから、その情熱は淳之介がナンバーワンであることは疑いようがない。本編を終えてから体感する麻沙音ミニシナリオは至福の時間であった。完璧なオナニーを追求している内にうっかり肉体関係を結んでしまったというロジック無視のシナリオでも、麻沙音が傍にいるという嬉しさが上回ってしまう程に。

▽礼
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礼といえばヒナミ、ヒナミといえば礼。両者の認識・深いつながりをぬきたし2でより一層強く感じさせてくれた。

元々この2人の微笑ましいやり取りは結構好きだったが、ヒナミが礼の淳之介に対する恋を後押しする姿を見てから尊いかけがえのない質に変貌を遂げた。

生真面目な委員長キャラがドスケベ条例を遵守するというキャラ付けがあまりにも面白かったが為か、その条例と戦うことが主題と離れた今でもその姿が散見されて面白い。

そんな礼の過去は思ったよりも壮絶で、特にぬきたし内では数少ない強姦……いや”分からせ”回想シーンでは涙無しに勃起できなかった。

1のヒナミルートでは礼に食われてしまっていたが、礼ルートではヒナミに食われていることで1に対する数少ない不満が解消された。ああ、これは2人の関係がそれほど大切で根深い問題なのだと強く思わせてくれるから、だからこそお互いを強く干渉させるのだなと。愛だけではなく友情の尊さも教えてくれるゲームなのだと思わせてくれたのだ。

そんな礼は主人公と恋をするわけだが、ドタバタな日常の中で確かに存在する信頼関係が見えて眩しい。礼が見せる照れた表情の数々はあまりにも可愛くて、何枚も何枚もキャプチャしてしまった。特に主人公に痴態をメディア媒体に保存されてチラつかされた時のあの慌てふためきようと言ったら……それでもSSで活躍していたのかと思ってしまう程に取り乱していて、思わず笑みがこぼれた。

▽郁子
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攻撃全振りのヒロイン。一人称の「イク」が印象的。

元々性交に超積極的で、照れる表情に乏しく淳之介を手篭めにしてこようとする所謂「敗北を教えてくる」タイプの女の子であるという印象は様々な深い衝撃を与えてくれた桐香ルート等とは違い、ルートを通しても印象通りだった。

ただそんな彼女にも知られざる顔があり、その中でもコンプレックスや過去との向き合い方は特徴的だったと思う。悲惨な過去をシリアスを交えずに伝えたいという姿勢は健気さと同時にやはり根源的な強さを感じる。

そんな彼女のルートは最後にとんでもない展開を迎えることになり、そのアホらしい展開に死ぬほど笑わせてもらった。射精管理で君の名は。のような絶望的状況が生み出され、比喩抜きに滅びかける人々が見れるのは間違いなくこの世でぬきたしだけだろう。




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私の人生で唯一バズらせてくれたイクイクセーシの活躍も見れて涙が止まらない。

▽桐香
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前作ではボスとして君臨していた女がヒロイン。1の時は好きになれなかったので、どういう感想を持つのか不安であったが……そんな自分を羽交い締めにしてぶっ殺したくなるほどに偉大な可愛さを誇っていた。こんなにも何もしていなくても可愛いヒロインが他にいるだろうか、いやいない(反語)。

どう頑張っても一度決めた行動指針が変えられないといった点や、いくら努力を積み重ねても出来ないと彼女の中で決まったことは出来ないという極端なアスペルガー症候群的性質は2で明確に彼女の欠点でありアイデンティティであることを示していた。

なかなかそういった人物を愛することは難しいと思っていたが、なぜだろうか……。彼女の魅力へ吸い込まれるように惹き寄せられ、気づけば「彼女のお世話は自分がしてあげなければ」という感情が思考を埋め尽くしてしまうのだ。

人の心が分からないという欠点も、SSのトップであることを裏付けているように頭脳明晰であることも、最早どうでも良くなってしまうほどに、彼女は一人で何も出来ない程生活能力が無いので庇護欲を掻き立てられてしまう。彼女の傍らで生活を続けていくだけでも、自分がなくてはならない存在になってしまうのだ。

最早欠点すらも魅力に変えてしまう彼女の可愛いポイントは他にも沢山ある。桐香を語る上で欠かせないのは……京都弁だろう。彼女のルート以外でも時たま飛び出すあの方言は、不意にしか飛び出ないというサプライズ的性質がときめかせるのかもしれないが……まあ原因等どうでもいい。そこにある可愛さが事実であるのだから。可愛いという概念がそこにあれば私は他になにもいらない。

後は生徒会長という役職であるにも関わらず後輩の立場に居ることだろう。そう敬語!!敬語という要素があまりにもでかい。そして呼びかけてくれる時の二人称が「先輩」なのもまた良い。後輩の女の子から呼びかけられる時は大抵これなので親近感が持てるのだ。

付き合ってからも先輩呼びを続けるため、淳之介も距離感を気にしていたが、そんなものはイントネーションの違いだけで解決するのである。あんな愛情の籠もった先輩呼びは、私はリアルで体感することなどありえない。文乃の頻出ワードを借りるなら、果報者であるという認識を強く持つべきなのだ。くどくど。むべむべ。くどむべ。はい……。はい……。すみません……。

そしてエピローグは彼女と結ばれて生まれた子供・霧香がなんとCG付きで登場する。トゥルーエンドでは声と台詞のみの登場で終わった文乃の子供・文佳よりも厚遇されているのだ。

父親と母親を捨て置いてアサちゃんの影響を受けて育ったという霧香の可愛さといったら……なんと偉大なのだろうか。なんでこんなに偉大なのだろうか。ダメな母親にお説教する娘の可愛さを理解する日が来るとは夢にも思わなかった。

それをしてしまえばあまりにもシナリオが長くなるだろうが、霧香が育っていった経緯や育ってゆく過程を描かれていれば……私は即座に人生を諦め、全身を陰茎に変質させ、幸せな気分で全力で射精し賢者モードによって自殺したくなるだろう。

それだけ桐香と霧香、そして周りの愉快な人々との日常を想像、いや、
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したならば、それはもう幸せな未来しか見えないのは間違いない。まさか1の時に登場していたヒロインの印象がここまで変わるとは露にも思わなかった。「人を知る」ということの可能性の大きさを桐香が教えてくれたのだと思う。そう、私はまたエロゲに大切なことを教わってしまったのだ。

▽スス子
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ッス口調があまりにも可愛い。サーっすの言い方があまりにも可愛い。腕にキチガイみたいな鳥を据えながらもツッコミの役割に徹した後輩女の子は出番も数多くたくさんの魅力を知ることができた。ルートがないことが残念過ぎて涙が止まらない。パンツ見せてくれたCGで精子も止まらない。

▽その他
今回の黒幕として活躍したハメドリ君こと秋野水引や貴重な友人ポジションに成り上がったシューベルト、人生を捨ててあちこちで活躍する光姫さん(31)、文乃との絡みが楽しい仁浦県知事、肝心な場面で登場しては切り札的活躍をしてくれる師匠こと手嶋俊英……エトセトラ、ヒロインという枠に囚われず魅力あふれるキャラが沢山登場いた事も忘れずにいたい。

全部拾いきれるとは到底思えないパロディの数々は場面を問わず出現し笑いと癒やし、そしていつか何処かに訴えられないだろうかという不安をもたらしてくれた。Qruppoブランドには今後も是非、面白い作品を生み出し続けて欲しいものである。

最高の時間をありがとう。