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ChuSingura46+1本編に登場し、ChuSingura46+1武士の鼓動ではメインヒロインの一員となった山吉新八郎に再度スポットライトが照らされた。

人気のあるヒロインであることに疑いはないし、私個人としても大好きな女の子で本作の発表当時はこっそり狂喜乱舞していたものだが、それにしてもまさかの選抜だった。

ファンディスクの増発は考えられないわけではなかったが、もしあったとしても小夜のようにクローズアップ出来ていない女の子を取り上げるのだとばかり思っていたので。

久々に触れたあの300年前の世界に郷愁を覚えた。私は後追い組だったので本編をプレイしたのは発売当初よりもだいぶ後なのだが、それでも久々ではあったので懐かしい気持ちで胸が一杯になる。

登場する人物が限られているので新八が必要以上に説明役に回ってしまってはいるが、やはり主人公が未来人であるから、今では消滅してしまった江戸時代(時期は元禄16年=1703年)の文化や暮らしを知りつつ、その生活を体感するということで当時の知識を得られやすく、プレイヤーにとって価値があった。

本編では戦闘の熱さを体験+歴史の勉強になるという魅力の二本軸が存在したわけだが、燃えがそのまま萌えに変質したと考えていい。ベクトルは変わっているが、ChuSingura46+1シリーズの楽しさは全く色褪せていなかった。

 
先程も触れたがやはり主人公の直刃が現代から来た存在であることが作中での大きなアドバンテージになっている。しかも複数回のループを経ているため直刃にも力量があり、カップル揃って武術に長けているから、治安のよくない江戸での日常生活が簡単に瓦解しないという安心感に説得力を持たせていた。

ヒロインが新八1人かつ既に関係が出来上がった状態で本作の物語(=武士の鼓動の後日譚)が開始すること、新八がかなり嫉妬深い性格であることから、地味にこれまでのシリーズで確認できたモブヒロインのエロ描写などが存在しないのはちょっとだけ残念だった。

少し触れるだけでは分からないような元禄の江戸について緻密に調べられており、新八の説明越しになっている場面こそ多いものの興味深いと思わせる場面が多かった。歴史上でも語られる有名な出来事に始まり、医療、身分制度、慣習、果ては俗な流行までジャンルも様々である。

「知らなかったことを知る」ということに物語の魅力が存在することをよく知っているからこそ、萌えと知識の両立を成したこの物語を成立させることができるのだろうなぁと感嘆した。

シナリオも平穏なだけではなくちょっとしたイベントなんかもあって、一切退屈しなかった。是非、2人の子供が生まれてからの日常も見てみたいものである。