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死に戻りしながら陵辱を受け続ける異世界転生もの。

シナリオのテンポがやけに早く、ボリュームの割にポンポンと読み進められる。序盤でオークに嬲られ続けるシーンはギャグ調になっていて思わず笑ってしまった。

僚機となるウルとの掛け合いを楽しみながら、色んな人と出会い、犯され、助け合う。おおよそマトモとは言えない作風ではあるにしろ、18禁の媒体だからこそ見いだせる魅力が存在することを再確認させてくれた。

 

物語のスケールは小さく、駆け足で到達する結末も荒唐無稽ではあるが、序盤のバッドエンド(フローチャート5エンド)等の伏線を地味に回収していて面白い。

良心的な存在と出会うことが稀であるから、他人を慮る思慮の存在が一際尊いものに映る。トキノ・大蜘蛛の母子関係や、イジュと村の関係などは結末すらも凌駕する程心に残るエピソードだった。

女戦士として主人公を務めるカイの心境の変化に着目して物語を楽しむのも面白い。ゲームの初期ステータス絡みもあるにせよ、何度屈辱を受けようとも堕ちることなく、志を持って行動していることが一貫して伺える。

恥辱の限りを尽くされてなお、あの世界で起こった出来事全てを嫌悪せず自らの中で価値あるものとして受け入れる。この姿勢に強く惹かれた。悪いことばかりの現実で、わずかに残存する良いものへ価値を見出す。現実に絶望しないためには、それが必要なのだ。