339
戦闘要素が多分に含まれた萌え×燃えゲー。

共通パートから3人のヒロインの個別シナリオへ分岐していくオーソドックスなタイプの作品だが、同一の事件を3つの側面から追っていく構造になっている。

それによって、味方となるヒロイン3人だけでなく対峙する敵にも焦点が当てられ、短いプレイ時間でそれなりに掘り下げられた設定を吟味しながらシナリオを楽しむことが出来た。

※シリーズ前作「絆きらめく恋いろは」未プレイの状態で本作をクリアしています。また、前作をプレイしていなくても本作を楽しむ上で特に支障はなかったように感じました。




月橘姫芽

142
主人公が所属する組織の同僚だが、メイドとして主人公に甲斐甲斐しくお世話する歪な関係にあり、おっぱいがでかい。

人間の言葉を喋れないのにめちゃくちゃ可愛い本作のマスコットキャラクターに位置づけられるミカの出自に大きく関係していて、おまけシナリオではミカが大きくなった状態での3Pもある(フェラのみで本番行為は無し)。

三者の同意を得て行為に及んでいるとは分かっていながらも、言葉を喋れないヒロインを巻き込んでのHは足りない子を騙しているみたいで謎の興奮が生じた。

主人公の師匠にあたる人物の妹であり、その辺りの設定も掘り下げられていた。故人の遺志を受け継いでいこうとするシーンはいかなる作品であっても胸の奥が熱くなる思いに駆られる。

本作の大ボスが(覚醒が不完全だったとはいえ)ここで倒されてしまうので、茉莉花ルートでいまいち燃えきれない要因の一つになってしまっていた。

東雲瑠璃

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とんでもない制服の着こなしをしている女の子(これ本当にどうなってるんだ?)。無表情でクール口調からは想像もつかないぶっ飛んだ台詞を放つ。

紗月へ入隊した切っ掛けとなったエピソードで主人公に助けられたことで、邪な感情を含みつつも憧憬の念を抱いている。そのことから瑠璃ルートでは「守る」側面を重視した強さを追求していく展開を辿ることとなる。

問題が解決してから恋愛へ……という道程ではなく、主人公と瑠璃が一緒に問題と向き合っていくのは本ルートの良い部分だと思う。彼女にとって主人公が、ただただ好きなだけの対象から無くてはならない存在へ変質していく部分が克明だった。

風嶺茉莉花

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良家の出であり、その名に恥じぬ才覚を持つお嬢様。

終盤の大立ち回りが印象に残ると思うが、私はそれ以上に序盤で親交を深めていくシーンで衝撃を受けた。

この女……自信あり過ぎでは……!?

好意を抱いていることを隠さず、好意を打ち明けることに臆面もない。自らが抱く純度120%の恋慕が両者にとって正しいものだと信じて疑わない真っ直ぐな双眸を目にした私は完全に撃ち抜かれた。

決して大きいとは言えない身体で、見た目は完全にあどけない少女であるにも関わらず、名家であることを笠に着ない溢れ出るカリスマ性と積み重ねた鍛錬で獲得した武術が背景にあるからその自信が無鉄砲なものに感じない。そこに彼女の魅力が集約されている。

しかもその後行われた初デートで魔女こいにっきで登場した舞台が出現した為、あまりの興奮で目の前が真っ白になり視界がきらめいた。死ぬかと思った。

シナリオが進むと、愛であると微塵も疑わなかった告白時の姿勢は彼女にとっての後悔へ変質してしまうが、是正せずその想いが誤りでないことを証明していく展開に運ばれたので安堵した。一目惚れで瞬間的に発熱した激情が嘘である道理はない。

本作で一貫して取り扱われていた事件の大ボスと死闘を繰り広げるシーンはザッピングが多用されていて目まぐるしさも覚えたが、挿入歌「UN:knowNE-Against all odds-」や大胆な構図を構えたCGといった演出面に圧倒された。

ただ一点気になるのは自分の正義を信じて人間の悪意に抗っていたはずの呉葉が最期に「悪こそが我の正しき道……!」等と言い出したこと。復讐心の塊である彼女が、敵対する相手を悪の反対(=善あるいは正義か)だと決めつける姿勢に違和感がつきまとう。

彼女を悪と定義するのは人間側の都合であって、悪役は自らを悪だと認めてはいないんじゃないかと思う。最後の最後で誰の視点で物を語っているのか分からなくなってしまっていて、本作のシナリオ面の印象はかなりマイナスな方向へ転じてしまった。

考えようによっては、茉莉花の中に居たことと長い対峙を経て自らが悪い存在だという認識が確定されたのかもしれない。ただそれは、これからも呪詛を続けるという言葉に結びつかないだろう。自分が正しいと思う心は、決して自らを悪と定義しない。

まあ正義:悪の論はさておいて、序盤で魅力を感じた、茉莉花の瞳に宿る強い意志の力が蘇っての終幕は私個人として拍手を贈りたい。これからも持ち前の自信で、自分の信じた明るい未来へ突き進んでもらいたいものである。