バースデイ

プレイしたノベルゲーム・美少女ゲームの感想を綴っています。ネタバレはなるべく「続きを読む」以降に記載するようにしています。何かあればコメント又はTwitterまでお願いします。

カテゴリ: ランクX

クロ
概要
1つの幸せを掴み取るために、多くの絶望を味わう怪作。

主人公・豹馬は『クロ』以外の人物を認識できない状態に陥っているので、ヒロインはたった1人。
それでいて25時間以上読ませるボリュームを持ち、1人の人間に対する掘り下げが徹底的に行われる。

とにかくクロが可愛い。
人が見えない豹馬に対して献身的なサポートをしてくれる姿がなんともいじらしくて、本編開始数時間が経つ頃には大好きな女の子になっていた。
平行世界の出現によってクロは5通りに成長するが、そのどれもが愛おしかった。

クロにとっても豹馬は自身を認識してくれる唯一の存在になるため、必然的に共依存の関係になっていく。
幼少期の偶然の出会いから2人の付き合いを描くため、ボーイミーツガールと幼馴染関係を両立していて天才だった。
あまりに微笑ましい2人だけの世界に心が満たされる

……ほど、やがて訪れる悲惨な展開がキツかった。

最悪なる災厄人間に捧ぐ」。
このタイトルに惹かれる人は、自己評価の低い人間が多いのではないだろうか。
自分なんていない方がましだ。
そんな考えを持つ方に、本作を是非お勧めしたい。
あの絶望を、あの悲劇を。目に焼き付けて、人生についてもう一度だけ考えて欲しい。







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2020-12-26-1334-07
殻ノ少女シリーズ三作目にして最終作。

探偵の主人公・時坂玲人の人脈を中心として、多くの人物がそれぞれの人生を歩んでいく様が克明に描かれている。
殺人事件の加害者、被害者及びその関連人物が、事件を経てどう考え方が変化していくか。また、どう生きていくのか。
そのような着眼点だけに留まらなくとも様々な角度から考察出来るほどあらゆる人物の像が色濃く描かれており、読み応えがあった。

シリーズを通していえることだが、本作では特に、芸術的確信を以て細工された遺体の美しさに目を奪われた。
死体というと無惨な光景を想起する固定観念がどうしても存在する上で、ここまでの表現を行えることに感嘆とする。

新たに描かれる事件についても、過去作と比較してよく練られていた。犯人の心理状態も詳らかに表現されていたので、事件について興味深く考えることができた。



何よりもシリーズの終焉に立ち会えたことに感謝を述べたい。
戦後、昭和30年代を力強く生きた彼らに祝福を贈りたい。

あのラストシーン。全てを物語る、彼の表情を見ることで走る衝撃。
是非皆さんにも味わって欲しい。



2020-09-26-1247-03

概要
2020年から1920年(大正9年)の東京へタイムスリップし、探偵事務所を舞台に謎を解き明かしていく物語。

異文化もだんだんと馴染んで様々な風習・文化が芽生える大正の空気は、前後の時代と比較して穏やかに流れゆく。それと同時に、破滅を示唆する不穏な影も忍び寄る。実際の歴史を踏まえた、穏やかな空気に剣呑さが潜む雰囲気がよく表現されていた。



センス抜群のオープニングムービーは必見。画面の切り替わりの早さに対して情報量が多いので目が追いつかないところもあるが、逆に言えば何回見返しても飽きないということでもある。



やはり、というべきか。なんといっても伏線回収が見事。分かりやすく置いてある場合もあれば、予想だにしない会話から予想だにしない形で拾っていくことも。あまりに見事すぎて逆に気持ち悪いとすら感じる場面もあった。

謎解きと伏線回収のシナジーも素晴らしいが、それを大正時代にタイムスリップするという要素で彩るというのだから恐ろしい。それでいてテキストのセンスは光るしシナリオ自体も面白い。

桜を基調とした全体的なグラフィックだって鮮やかだし、キャラクターも立っている。1つでもあったら満足できる好きな要素がこれでもかと詰め込まれていた。



メインヒロインだけでなく、サブキャラクターも含めた人物像の掘り下げは充分に行われており、程度の差はあるが最終的にはどの人物にも思い入れが出来る。

そして、思い入れが出来た数や深度に比例して比翼の桜に飾られたあの演出が心に沁み込む。それは、また一つ、この世に貴重な作品が生まれ落ちたことを確信した瞬間だった。


以下核心部分に迫るネタバレ有り






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紹介

原因不明の海面上昇で緩やかに滅びを迎えつつある近未来の地球で、挫折しかけた青年とロボットの少女が邂逅する45日間の物語。

世界観は作品の土壌。高いクオリティのビジュアルによって完成された世界観を持つ本作は、まるでキャラクターの体験を私達プレイヤーも味わえる気分にさせてくれる。キャラクターの息遣いが聴こえてくるのではないかと思わせる程、世界観に没入できた。

美しい作風に当てられて芽生えたのは、どんな結末が待っていようと本作を楽しんでいきたい気持ちだった。作中で主人公は温かい日常で長閑に過ごすか地球を救う道に戻るかの岐路に立っていたが、これから世界を救ってもいいし、救わなくてもいいと思った。本気で。

だからこそ、作品に対して深く熱中出来たのだと思う。底辺社会人に似つかわしくないが、純然たる感情で、外部からの余計な干渉が無く読み進められたことに感謝したい。

※注意!以後はネタバレを含みます。





 
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カウンセリングが題材で、悩める人間達を救っていくお話。

物事が行き詰まって塞ぎ込んでいってしまう人間に対して、根源的な原因が心の内にあることを教示してくれるから、多岐に渡る過去と現在の悩みを解消し、未来で抱えるかもしれない課題を未然に取り払ってくれる効果をもたらしてくれる。

そうして登場人物達は希望を持って成長していくのだが、本作のテキストは彼らを見守る立場の我々プレイヤーとしても成長するための理論を取り込んでいきたくなる説得力を持っている。物語としても非常に読み応えがあり、確信を持って本作に触れることを皆さんへおすすめしたいと思えた。




※配布先はこちら




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