2021-02-14-1935-27
主人公の雪光君含め男女問わず性転換するラブコメディ。

騒がしく、あらゆる言動・行動が非常識な本作。
他人に対する慮りが足りないところもあり、おや、と思う部分もあるが、非常識だからこそ通常の考え方では思いつかないような鋭い観点なんかも存在して楽しめる作品だった。

メインキャラクターの大半は奇矯な振る舞いを見せるが、一方で自分のことを冷静に見つめている。また、本当に最低限だが相手への敬意は欠かさない。
その事実に気づいてからは全体的にキャラクターを好きになれた。

(元から同性愛者だった場合を除いて)異性の状態でいると、自然と異性を好きになっていく、という設定のおかげで難しいことを考えずに済む。
性別を自由に選択できる世の中……。色々な問題は当然出てくるだろうが、個人的には悪くないなと思う。

ノリの良さが武器な一方で、笑える場面は少ない。微笑ましく登場人物たちを見守るのがベターな楽しみ方なのかなと思う。

雪光は男状態でも女状態でも可愛くて癒やされるが、かなり優柔不断なので作品全体にテンポの悪さを招いていた。個別ルート間で展開が重複するのもマイナス。



全体的にグダついているが、だからこそスパッと言い切れる雪光の親友・銀聖の良さが光る。「男でも女でも、俺は俺だ」と言い切れるところが格好いい。
ついつい男だから~、女だから~と主語がデカくなってしまいがちな人間の性を冷静に捉えていたところが好きだった。