■素人目線で“付録”が“主役”

 「もう、ラーメンは男子だけのものじゃない!」

 そんな帯の文言にひかれ、思わず手に取った女性も多いだろう。昨年10月、“女性部員”8人とともに、女性向けラーメンガイド本『女子ラーメン部』(ぶんか社)を出版した。

 カラフルな無農薬野菜が盛りつけられたタンメンを表紙に持ってくるところからして異色だが、中身も独自路線。こだわりポイントは、「カロリー」「店のインテリア」「デザート」など従来は“付録”のように扱われてきた要素ばかり。徹底した女性目線で、女性が1人でのれんをくぐれる首都圏の49店舗を紹介した。「ラーメン店は男性が行く場所」という既成観念を覆し、売り上げは好調だ。

 「マニアとまではいかないけれど、女性にも『ラーメン通』は意外と多い。ラーメンは誰でも盛り上がれる話題なんですよ」

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 ライターとして音楽や映画の記事を担当する傍ら、商品企画やテレビ・ラジオ番組のプロデュース業に携わってきた。

 10年ほど前にはスノーボードに凝り、雪山にこもった。趣味では飽きたらず、プロボーダーのビデオを制作。スノボーに似合う音楽を集めてCDまで作ってしまった。

 1年前、編集していたフリーペーパーで「女性の好きなラーメン」を特集したところ、予想以上の反響があった。もともと、そんなにラーメン好きではなかった。しかし、そこから20代後半~30代のラーメン好きな友人を集め、ブログと連動しながら女性でも行けるラーメン店を探し回った。

 激しい生き残り競争が進む業界だけに、調べてみると女性を新たなターゲットに見据える店が多かった。デザートを出して長居を許したり、従業員の多くが女性だったり、女性客への気配りがみられる店も見つけた。

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 「ラーメン部」のヒットを受け、さらに多くの店を紹介した本の出版計画が進んでいる。ラーメン通からは「どうしてあの店が入っていないの」と指摘されることも。でも、「カフェを紹介する感覚で作ったのが今回の本。これまでも素人っぽい感覚を大事にやってきたので、専門家と闘う気はないんです」と受け流す。

 特別なことをしているつもりはない。自身の「ひらめき」に敏感で、いつだって自分が好きなものを形にしてきただけだ。

 「流行の服も好き。音楽も映画も見る。おいしいものも食べたい。大抵の女性はそうなんじゃないかな。一つのテーマにこだわることが少ない分、しがらみがないから真実が見える。ラーメンの次は、女子カレー部なんてどうでしょう」

 “素人目線”はすでに、次の「ひらめき」に向かっていた。(道丸摩耶)

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【プロフィル】松本きより

 まつもと・きより 長野県松本市出身。大手レコード会社退社後、フリーのライター・プロデューサーとして活動。スペースインベーダーのコラボ商品企画などを手がけたほか、映画情報誌「strobo」、お出かけパパ&ママのマッピングサイト「Baby Stage」の編集長なども務める。

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