昨年11月に横浜市内で起きた窃盗事件で、神奈川県警が現場の遺留物と警察庁が管理するDNA型データベースのDNA型が一致した男性の逮捕状を取ったものの、データベースに登録されていたのは別人のものだったことが県警への取材で分かった。県警が登録段階で取り違えた可能性が高いという。DNA型データベースは捜査の有力な手がかりになるだけに、警察庁は「今回の原因を調査して、同様のことが起きないよう指導していく」とコメントしている。【池田知広、長野宏美】

 県警刑事総務課によると、横浜市旭区の飲食店で09年11月、70代の女性経営者が客にバッグを盗まれる事件が発生。女性の証言に基づき、店内の犯人の遺留物からDNA型を採取、鑑定してデータベースで検索すると、男性の名前で登録されていた型と一致した。

 このため、県警旭署は今年1月に窃盗容疑で男性の逮捕状を取るとともに、自宅を家宅捜索した。しかし男性は否認を続けたため、県警が男性から任意提出を受けた検体のDNAを鑑定したところ、データベースの型と一致しないことが分かったという。逮捕状は執行されなかった。

 男性は07年に横浜市神奈川区で起きた別の事件で逮捕され、県警にDNAを採取された。この検体は神奈川署から県警科学捜査研究所(科捜研)に送られ、科捜研が警察庁のデータベースに登録したが、同署が科捜研に検体を送る際に別人のものと取り違えたとみられる。

 同課によると、窃盗事件の現場に残されていた遺留物と同じ型の人物は今も不明で、事件は未解決。逮捕状を取った男性のDNA型はデータベースに登録されていないという。

 常盤一夫課長は「警察署で起こったヒューマンエラーの可能性が高い。間違われた方には大変申し訳なく、大変遺憾。再発防止に努めたい」と話した。

 ◇04年12月に運用開始

 警察庁では04年12月から犯罪現場に容疑者が残したとみられる血痕や体液などのDNA型記録を登録し検索するデータベースを運用し始めた。さらに05年9月には、容疑者の身体から採取された資料の記録も登録して検索の対象とするシステムを開始した。

 現場に残された資料や容疑者のDNAは、都道府県警が検体を採取し鑑定、オンラインで結んだ警察庁管理のデータベースに登録する。新たな事件が起きた際などにデータ入力すると、自動的に照合することができる。

 警察庁によると、2月末現在で容疑者本人のDNA型情報は8万209人分、現場で採取したDNA型情報は2万1808人分が登録されている。約1000万人分(09年末現在)が登録されている指紋に比べると少ないが、DNA型データベースの充実を目指している。【長野宏美】

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