■仕入れ・販売・決算…店舗運営実践

 将来のファッション業界を担う人材の多くは専門学校で育つ。ただ、実際に企業などで働き始めると、学生時代のイメージとは大きく違って大変だった-という経験のある人は業界を問わず多いだろう。大阪文化服装学院(大阪市淀川区)は企業の協力を得て、学生に店の運営を経験させる学科を設けている。大阪・キタにあるショップで、学生たちはモノを売る難しさを実感しつつも、日々工夫を重ねている。(青木勝洋)

 大阪市北区中崎西のJR高架下にある商業施設「チェルシーマーケット」。この中の約40平方メートルのスペースで、同学院ファッション・プロフェッショナル学科の学生たちが「GEEK LAB.(ジークラボ)」という店を運営している。スタッフは、店長の升川拓さん(21)ら6人。商品の買い付けを担当するバイヤーや広報を担当するプレスなどそれぞれ役割が決まっている。

 服も置いているが、ぬいぐるみや帽子、かばん、文房具など雑貨中心に約300点の品ぞろえ。ターゲットの客層は、18~22歳のシンプルだが小物でアクセントをつけるおしゃれな人だという。

 オープンは昨年9月18日。「最初は服中心で考えていた」(升川さん)が、同じフロアには人気セレクトショップが隣接。この店との差別化を図らなければ自分たちの店が埋没してしまう。そこで雑貨の比率を増やした。「でも、雑貨は商品単価が服と比べると安いので、売り上げ増になかなか結びつかなくて」(升川さん)と試行錯誤の毎日だ。

 同学院が大手アパレル専門店チェーンのパル(本社・大阪市中央区)の指導協力を得て、この学科をスタートさせたのが平成12年4月。升川さんたちは10期生で、昨年4月から8月までは、販売実習などを経験する一方で、出店予定地のリサーチや企画書作り、商品の仕入れなど出店準備を進めてきた。

 2月には決算と卒業論文が控えている。これまでの店舗運営について、升川さんは「店を持続させることは難しい。変化をつけないとお客さんもあきてしまうし」と振り返る。升川さんらを指導する同学院教員の播岡充さんは「学校にいたら経験できないこと」と学生たちの成長ぶりに目を細める。実践教育とは、本来このようなことをいうのだろう。

 厳しい経験を重ねる中で升川さんは「ステップアップしていって、最終的には自分の店を持つのが夢」としっかりと将来を見据えている。

 ジークラボは今年8月までの予定。9月ごろには、11期生のショップがオープンすることになる。学生たちの真剣勝負の発想が、次はどんな形で具体化するのか楽しみだ。

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 GEEK LAB.(ジークラボ)

 大阪市北区中崎西2の4の20チェルシーマーケット内

 TEL06・6292・1448

 営業時間は午前11~午後9時


 

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