静まりかえった法廷に、2人のやり取りだけが響く-。宇都宮地裁で21日開かれた足利事件の再審第4回公判。菅家利和さん(63)の“自白”する様子が録音された取り調べテープが再生され、生々しいやり取りが法廷に流れた。18年前のつらい記憶をたどるように菅家さんは硬い表情で聴き入っていた。

 午前10時すぎに開廷。佐藤正信裁判長の指示で、テープが再生されると、法廷内のスピーカーから当時の取り調べの生々しいやりとりが流れた。

 雑音とともに、ドアを開くような音。そして、「元気かい」と検事とみられる声が響く。記者や傍聴人らは録音内容を一言も聞き漏らすまいと、身を乗り出してテープを聞いていた。

 グレーのスーツにクリーム色のネクタイを締め、弁護人席の最前列に座った菅家さんは、テープ再生直後、背広のボタンを留め直したり、目を閉じて体を左右に揺らすなど、落ち着かない様子を見せていた。

 その後は、普段通りの落ち着きを取り戻し、テープの内容を書き起こしたとみられる資料に目を落としながら聞いていた菅家さん。

 再生開始から約40分後、「体調が悪い」との理由で急遽(きゆうきよ)退廷。関係者によると、一時は血圧が下がるなどの症状を見せたが、午前11時すぎには再び法廷に姿を見せた。

 今回の公判から、菅家さんは昼休みなどに記者の質門に応じることも取りやめており、当時の録音テープの再生は、菅家さんにとってかなりの精神的負担になっているものとみられる。

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