2014年02月

2014年02月03日

『ポール・リシャールに捧ぐ』・・・ブラームス/ヴァイオリン・ソナタ第3番、ほか小品集(マリー=クロード・チュヴニィーviolin、シルヴィ・メルシェpiano、ジャック・マリシャルorgan)(仏ディスク・ピッツィカート PC1001−2)

646eb6ed.jpg風邪が悪化しました。先日の新年会では元気そのもので、いつものように“怪気炎状態”だったのです(苦笑)。昨日無理をして竹馬の友C氏(昨年6月2日の項をご参照ください)と一緒に西宮北口の兵庫県立芸術文化センター『神戸女学院小ホール』で曽根麻矢子(念願かなって初めて、でした)が中心になったバロック・コンサート(白眉はバッハの『音楽の捧げもの』で、これもナマで聴くのは初めて、と初めてづくしだったのでした)を聴いた際も、「おまえ、この前めっちゃ元気やったのに、かなり具合悪そうやなぁ・・・」と半ば心配半ば呆れられてしまいました。コンサート会場に居たら他の聴衆に迷惑がかかる・・・実際そんな感じだったのかもしれません。

今日は会社を休んで医者に診てもらいました。このところ忙しかったのもありますが、これまで親身に診てくださっていた先生が昨夏に急逝されたことで、新しい診療医の方を見つけることに億劫だったのかもしれません。幸い今日初めて行った医院の先生はベテランで非常に良い方で(あまりにロココで・・・もとい献身的良心的で、ただし出社前に立ち寄るのは向いていないようです)、私が週末札幌出張を控えている(それもあって本日お休みをとってまで急遽診てもらったわけです)ことを伝えると全ての可能性を調べてくださいました。おかげで非常にストレスなく、明日から職場復帰できそうです。

午後は家でゆっくり。このところロクに聴けていなかったレコード三昧。でも長い曲を聴く体力はありませんでした。癒しのレコードとして何度もかけたのがこの盤。私はよく知らない画家ポール・リシャールの追悼のために身内だけに配られたプライベート盤だとか・・・よくよくお世話になっている神戸元町のオーディオショップの御大に、無理を言って譲っていただいたものです。彼がひょんなことでブラインドでかけてくださったこのレコードを聴いて、あまりの優しい雰囲気に呆気にとられてしまいました。1977年に制作された盤のために特別に録音されたもののようで、スタジオの空気から奏者の気持ちまでまるごと封じ込めたような世界です。よほどのヴァイオリニストなのか?とジャケット裏面のクレジットを見ても???・・・「MICKEYさん、デュクレテの8インチのドビュッシーのソナタ(2006年1月30日の項をご参照ください・・・今から8年以上前ですか・・・)で、アンドレ・レヴィのチェロ・ソナタの裏面のヴァイオリン・ソナタをやっている人やで」と言われ、やっと思い出しました。

先日の新年会で“とんでもない名手が、よくわからない企画盤に参加していることがあって、コレクター泣かせだ”ということが話題にのぼりました。国内盤でも巌本真理が妙なセットでソナタを弾いている、なんて話を聞いた時にこの盤の話をしました。そのことを思い出して、繰り返し聴きました。何という柔らかなブラームス・・・彼ほどのメロディ・メーカーはいないだろう、と私は思っているのですが、そのことを十二分に感じさせる演奏。小品はすべてオルガン伴奏・・・バックがオルガンなのが当然という説得力があります。何よりこれだけの優しい想いが込められた追悼盤を制作してもらえたポール・リシャールという人に興味を持ちました。ネットで調べても出てきません・・・向こうでも無名の人だったのでしょう。

音楽も美術も、有名・無名と芸の間には何の関係性も無いようです。今夜は早く寝て、明日に備えます。

e86013 at 18:36|PermalinkComments(4)TrackBack(0) ヴァイオリン | 神品
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