■首相は懸念 調整難航も

 民主党が取り調べを録音・録画する刑事訴訟法改正案(可視化法案)の提出を突然打ち出したのは、小沢一郎幹事長の資金管理団体の土地購入事件が重大局面を迎え、検察当局への牽制(けんせい)を狙ったためのようだ。党執行部は「捜査情報の漏洩(ろうえい)(リーク)問題対策チーム」を発足させるなど、なりふり構わぬ“暴走”を続けており、政府側は困惑を隠さない。可視化法案が政権内の新たな火種になる可能性もある。

 「連日過剰な報道が繰り返されるが、国民もようやく本質がなんであるか気づきつつある。可視化法案を出すべきだという意見をいただいている。執行部もきちんと対応していきたい」

 輿石東(あずま)参院議員会長は20日午前、参院議員総会で唐突に可視化法案の提出をぶちあげた。平田健二参院国対委員長も同日午後の記者会見で「できるだけ今国会で成立する方向で検討するのは当然だ」と語った。

 もともと可視化法案について、中井洽(ひろし)国家公安委員長・拉致問題担当相が昨年10月の記者会見で法案提出まで2年かかるとの見通しを示しており、政府・与党の今国会提出予定法案リストにも入っていなかった。

 にもかかわらず、輿石氏が可視化法案を持ち出したのは、法案を検察当局の揺さぶり材料にしようとした可能性が大きい。ある党幹部は「衆院選のマニフェスト(政権公約)に沿っているだけだ」ととり繕うが、別の党幹部は「幹事長室がすべて音頭をとっている。検察への対決姿勢のひとつだ」と打ち明ける。

 輿石氏は、16日の民主党大会で小沢氏から「幹事長の表向きの仕事は任せる」との指名を受け、党務ナンバー2にのし上がった。よほどうれしかったとみえ、その後は小沢氏擁護に奔走。19日は東京・赤坂の小沢事務所を訪ね、「党は一致して支える」と激励。報道陣には自らのホームページに寄せられた小沢氏激励のメールのコピーを配った。

 輿石氏ら党執行部は検察当局のリークを流布することにも熱心だ。高嶋良充筆頭副幹事長は「検察がマスコミに情報をタレ流している。基本的には世論操作だ」と断じるほどだ。

 このような党執行部の“暴走”に政府・与党から困惑の声も上がる。

 ある閣僚は可視化法案提出の動きを聞き、「そんなバカな話があるか」と絶句。党中堅は「与党が数の力で小沢氏のためにやっているとみられ、集中砲火を浴びてしまう」と不安を隠さない。国民新党の下地幹郎政調会長も「このタイミングで可視化の問題を表に出すと誤解を招く。何で言うのか」と苦言を呈した。

 このような声を受けて、鳩山由紀夫首相は20日夕、可視化法案について「政府として提出は考えていない。事件が起きたからといって反作用的に行動すると検察批判と受け止められる可能性がある」と慎重な姿勢を強調。さらに「党もここは捜査の行方を冷静に見守るべきだ。あまり熱っぽく行動することは控えた方がよい」と党執行部の動きを牽制してみせた。

 さすがの輿石氏もまずいと思ったらしく、「私は『冷静に検討を』と言っただけだ」とトーンダウンした。だが、輿石氏らは20日夜、小沢氏を囲んでちゃんこ鍋をつつき、小沢氏擁護に向け、決意を新たにした。捜査の進展次第では再び暴走し始める可能性は否定できない。(山田智章)

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