【鳩山首相元公設秘書 初公判】(2)
《鳩山由紀夫首相の元公設第1秘書、勝場啓二被告(59)に対する初公判。検察側の冒頭陳述の読み上げが終わり、証拠調べに移った。勝場被告はうつむき加減で口元を引き締め、検察官の声に耳を傾けている》
検察官「では、検察官請求証拠の要旨です…」
《まずは、鳩山首相の資金管理団体「友愛政経懇話会」や地元の政治団体「北海道友愛政経懇話会」の設立にかかわる資料や、それぞれの収支報告書の写しなどについて、検察官は早口で説明。それが終わると、関係者の供述調書の読み上げに入った》
検察官「甲8号証は、鳩山議員の母、姉の個人資産を管理する『六幸商会』の代表取締役社長、△△氏(法廷では実名)の供述調書です…」
《「六幸商会」は、もともと大手タイヤメーカー・ブリヂストンの創業者、石橋正二郎氏と家族の資産を管理する会社として設立された。鳩山首相の母・安子さんは石橋氏の娘。六幸商会はその後、鳩山首相の資産も管理するようになった》
《△△氏の供述調書は、鳩山首相の母と姉が、北海道友愛政経懇話会に毎年寄付していた各150万円について、寄付を受けていないように偽装した虚偽記載に関係する調書だ。ほぼ起訴状や検察側の冒頭陳述に沿った内容だ》
《続いて、北海道友愛政経懇話会の会計責任者だったS氏(法廷では実名)の調書が読み上げられる》
検察官「北海道友愛政経懇話会の平成16年分の収入は収支報告書に記載したが、17年分については『(鳩山氏の母と姉の)2人からの寄付については、上げないで』と(勝場被告から)指示され、記載しなかった。18、20年分の2人からの各150万円の寄付についても、被告から『記載しないように』との指示があり、記載しませんでした…」
《S氏が、勝場被告の指示のもと、収支報告書の偽装を行っていたことを裏付ける証言。政治資金収支報告書の虚偽記載は、勝場被告の“独断”で行われたことが、裏付けられていく》
検察官「続いて甲11号証、鳩山議員の『ご説明』と題した書面です…」
《鳩山首相が、東京地検特捜部に対して捜査段階で提出した上申書が読み上げられる》
検察官「私は、個人資産については、手元に置いているものもありますが、大部分は六幸商会に指示して、私の個人口座から出してもらい、勝場に預けていました…」
「一議員としての政治活動にかかわるものや、プライベートなものもありますが、やりくりと処理は、すべて勝場と元政策秘書(政治資金規正法違反罪で有罪確定)に任せておりました…。どれくらいの収支なのか、私は全く把握していませんでした」
「母から何年もの間、年間1億8000万円の寄付を受けていたとの指摘がありました。初めて聞く話で、これまで全く知りませんでした…」
「収支報告書の提出に当たっては、何も説明を受けていないし、相談や報告もありませんでした。(勝場被告と元政策秘書の)2人を信頼し、すべて任せていました。何も報告を受けていないので、何も知るよしがありませんでした…」
《鳩山首相は上申書の中で、政治資金の処理について「秘書に任せていた」と強調し、実母からの資金提供についても「知らなかった」と繰り返した》
《鳩山首相に資金を提供していた実母、安子さんの調書の読み上げが始まった。調書の中で安子さんは、資金提供が始まった時期を「7、8年前」と振り返り、関係者を介して、勝場被告側に毎月1500万円を渡した経緯を説明する》
検察官「このことは、由紀夫に話したことはありません。自分が腹を痛めた子供を助けるのは、母として当たり前です。話せば恩着せがましくなるので、いいませんでした。由紀夫も知らなかったはずです」
「『何に使ってもいい』という形で渡していました。政治資金とは思っていません。鳩山由紀夫個人への援助です。政治資金については、(北海道友愛政経懇話会への)年間150万円でしたか、別途渡していました」
《安子さんの調書では、偽装献金の原資となった資金提供について、鳩山首相に伝えていなかったことが強調された》
《続いて、勝場被告から「資金繰りが苦しい」と相談を受け、安子さん側へ取り次いだ人物らの供述調書が読み上げられた。いずれも、検察側の冒頭陳述の内容を裏付ける内容だ》
《さらに勝場被告本人の供述調書も読み上げられる。故人らの名前を勝手に使った偽装献金が、次第にエスカレートした経緯について語られる》
検察官「当初は過去の寄付者の名前を勝手に使った。クレームがあっても『勘違い』と弁明することができると思っていた。しかし、実際にはクレームがなかったので、感覚がマヒして、一度も寄付したことがない人の名前を手元の名簿や名刺から使ったり、存命かどうかの確認も怠るようになった…」
《一通りの証拠を早口で読み終えると、検察官は「以上です」と結んだ。続いては被告人質問だ。平木正洋裁判長に促され、勝場被告が証言台に進む》
弁護人「では、お尋ねします。まずはあなたの経歴について…」
《勝場被告は小さな声で、鳩山事務所で働き始めた経緯などについて語り始めた。弁護人から「お金については、鳩山さんから信頼されていたのですね」と尋ねられ、「そうだと思います」と答える勝場被告。声には力が感じられない》
=(3)に続く
【関連記事】
・ (1)虚偽記載のきっかけは地元新聞記者からの指摘 検察側が明かす 鳩山首相元公設秘書初公判ライブ
・ 鳩山首相元秘書初公判 勝場被告に禁固2年求刑
・ 鳩山首相秘書の初公判 政治とカネ…くすぶる火種
・ 鳩山首相秘書の初公判 勝場被告、起訴内容認める
・ 元秘書判決確定後の資料公開を首相に要求へ 自民・川崎氏
・ <皇太子ご一家>長野で静養 愛子さま春休み(毎日新聞)
・ ヴィンチェンゾ・ナタリ『SPLICE』ワーナー配給で全米6月公開決定!
・ 雑記帳 クラゲの水族館、来館者数がV字回復 山形・鶴岡(毎日新聞)
・ 「ガンブラー」、サーバーは独仏など5か国(読売新聞)
・ 治験体制整備、5カ年計画終了後の財源確保が課題(医療介護CBニュース)
《鳩山由紀夫首相の元公設第1秘書、勝場啓二被告(59)に対する初公判。検察側の冒頭陳述の読み上げが終わり、証拠調べに移った。勝場被告はうつむき加減で口元を引き締め、検察官の声に耳を傾けている》
検察官「では、検察官請求証拠の要旨です…」
《まずは、鳩山首相の資金管理団体「友愛政経懇話会」や地元の政治団体「北海道友愛政経懇話会」の設立にかかわる資料や、それぞれの収支報告書の写しなどについて、検察官は早口で説明。それが終わると、関係者の供述調書の読み上げに入った》
検察官「甲8号証は、鳩山議員の母、姉の個人資産を管理する『六幸商会』の代表取締役社長、△△氏(法廷では実名)の供述調書です…」
《「六幸商会」は、もともと大手タイヤメーカー・ブリヂストンの創業者、石橋正二郎氏と家族の資産を管理する会社として設立された。鳩山首相の母・安子さんは石橋氏の娘。六幸商会はその後、鳩山首相の資産も管理するようになった》
《△△氏の供述調書は、鳩山首相の母と姉が、北海道友愛政経懇話会に毎年寄付していた各150万円について、寄付を受けていないように偽装した虚偽記載に関係する調書だ。ほぼ起訴状や検察側の冒頭陳述に沿った内容だ》
《続いて、北海道友愛政経懇話会の会計責任者だったS氏(法廷では実名)の調書が読み上げられる》
検察官「北海道友愛政経懇話会の平成16年分の収入は収支報告書に記載したが、17年分については『(鳩山氏の母と姉の)2人からの寄付については、上げないで』と(勝場被告から)指示され、記載しなかった。18、20年分の2人からの各150万円の寄付についても、被告から『記載しないように』との指示があり、記載しませんでした…」
《S氏が、勝場被告の指示のもと、収支報告書の偽装を行っていたことを裏付ける証言。政治資金収支報告書の虚偽記載は、勝場被告の“独断”で行われたことが、裏付けられていく》
検察官「続いて甲11号証、鳩山議員の『ご説明』と題した書面です…」
《鳩山首相が、東京地検特捜部に対して捜査段階で提出した上申書が読み上げられる》
検察官「私は、個人資産については、手元に置いているものもありますが、大部分は六幸商会に指示して、私の個人口座から出してもらい、勝場に預けていました…」
「一議員としての政治活動にかかわるものや、プライベートなものもありますが、やりくりと処理は、すべて勝場と元政策秘書(政治資金規正法違反罪で有罪確定)に任せておりました…。どれくらいの収支なのか、私は全く把握していませんでした」
「母から何年もの間、年間1億8000万円の寄付を受けていたとの指摘がありました。初めて聞く話で、これまで全く知りませんでした…」
「収支報告書の提出に当たっては、何も説明を受けていないし、相談や報告もありませんでした。(勝場被告と元政策秘書の)2人を信頼し、すべて任せていました。何も報告を受けていないので、何も知るよしがありませんでした…」
《鳩山首相は上申書の中で、政治資金の処理について「秘書に任せていた」と強調し、実母からの資金提供についても「知らなかった」と繰り返した》
《鳩山首相に資金を提供していた実母、安子さんの調書の読み上げが始まった。調書の中で安子さんは、資金提供が始まった時期を「7、8年前」と振り返り、関係者を介して、勝場被告側に毎月1500万円を渡した経緯を説明する》
検察官「このことは、由紀夫に話したことはありません。自分が腹を痛めた子供を助けるのは、母として当たり前です。話せば恩着せがましくなるので、いいませんでした。由紀夫も知らなかったはずです」
「『何に使ってもいい』という形で渡していました。政治資金とは思っていません。鳩山由紀夫個人への援助です。政治資金については、(北海道友愛政経懇話会への)年間150万円でしたか、別途渡していました」
《安子さんの調書では、偽装献金の原資となった資金提供について、鳩山首相に伝えていなかったことが強調された》
《続いて、勝場被告から「資金繰りが苦しい」と相談を受け、安子さん側へ取り次いだ人物らの供述調書が読み上げられた。いずれも、検察側の冒頭陳述の内容を裏付ける内容だ》
《さらに勝場被告本人の供述調書も読み上げられる。故人らの名前を勝手に使った偽装献金が、次第にエスカレートした経緯について語られる》
検察官「当初は過去の寄付者の名前を勝手に使った。クレームがあっても『勘違い』と弁明することができると思っていた。しかし、実際にはクレームがなかったので、感覚がマヒして、一度も寄付したことがない人の名前を手元の名簿や名刺から使ったり、存命かどうかの確認も怠るようになった…」
《一通りの証拠を早口で読み終えると、検察官は「以上です」と結んだ。続いては被告人質問だ。平木正洋裁判長に促され、勝場被告が証言台に進む》
弁護人「では、お尋ねします。まずはあなたの経歴について…」
《勝場被告は小さな声で、鳩山事務所で働き始めた経緯などについて語り始めた。弁護人から「お金については、鳩山さんから信頼されていたのですね」と尋ねられ、「そうだと思います」と答える勝場被告。声には力が感じられない》
=(3)に続く
【関連記事】
・ (1)虚偽記載のきっかけは地元新聞記者からの指摘 検察側が明かす 鳩山首相元公設秘書初公判ライブ
・ 鳩山首相元秘書初公判 勝場被告に禁固2年求刑
・ 鳩山首相秘書の初公判 政治とカネ…くすぶる火種
・ 鳩山首相秘書の初公判 勝場被告、起訴内容認める
・ 元秘書判決確定後の資料公開を首相に要求へ 自民・川崎氏
・ <皇太子ご一家>長野で静養 愛子さま春休み(毎日新聞)
・ ヴィンチェンゾ・ナタリ『SPLICE』ワーナー配給で全米6月公開決定!
・ 雑記帳 クラゲの水族館、来館者数がV字回復 山形・鶴岡(毎日新聞)
・ 「ガンブラー」、サーバーは独仏など5か国(読売新聞)
・ 治験体制整備、5カ年計画終了後の財源確保が課題(医療介護CBニュース)