靴の自作工房hiro - 職人の独り言

工房のオーナー講師斎藤のひとりごとです。思いつくまま、木型についての考察や日々の発見、感じたことなどを時々更新しています。

踵が抜けやすい理由

パンプスが自分に合っていないと感じる内容を踵が抜ける、つま先が痛い、足裏が痛いの3点に絞ってその原因をわかりやすいイラストで解説してみました。
1. 足をいれると踵に隙間がある  これは足の親指の付け根から踵までの距離が靴のその位置より短い事があげられます、靴のサイズ表示が自身の足の足長と同じであっても指が長い人の場合親指の付け根から踵までの距離は短くなり、指が短い人はその距離(踏まず距離とします)は長くなります、従って足長が靴表示のサイズと同じでも合わないケースが多く見られます。   
幅が広いからといってサイズが大きな靴ではその踏まずの距離がより大きく違ってきます、買った直後は良くても革が伸びて広がれば足は前に滑り踵は抜けやすくなっ  てしまいます

  解決はそお踏まずの距離を短くする必要があります、自作工房までお持ちください。修理店ではできません

2. イラストで見るとおり、踵のカーブが靴の踵カーブと違っており、アキレス健が押され歩くたびに足画前に押れ
   踵に隙間が生じ、踵が抜けやすくなります。 踵を柱や壁につけアキレス健と壁との隙間が5mm以上無い
   場合そのカーブを足の踵のカーブに合わせる必様があります。 低いヒールの靴は向きません。
   6cm以上のヒールのある靴を選ばれると良いです、この調整も自作工房でおこなっています

3 この状態が理想です。

4. これは靴のアーチと足のアーチが合っていないために生じます、足が前に滑るために踵に隙間が生じます
  この違いは踵骨の長さが起因します、日本人の平均はかかとから6~6.5cmですが、長いかたは7~8cm
  も最近は多く見受けます、

5. 調整にお持ちになる靴の多くはこのヒールの高さが本来の高さより高いヒールが取り付けられているのを多く  見受けます。 ヒールの高さを適正な高さに調整することで足裏の痛み、踵の抜けが解消されます
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BERA-S 3cmヒールパンプス

IMG_0637浅クリカットのパンプス、BERA-S(ベラーs)3cmヒールパンプスです、
フラットにすると疲れやすいために少しだけ細めのヒールをつけ、パンツでもスカートにもあう形になったと思います。
嬉しいことに昨日、調整においでのお客様にも好評で早速オーダーいただきました、足が細いためになかなか浅くりのパンプスがなかったとの事、
写真は黒のスェード、ヒールは3cmのピンヒールです。

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極浅パンプス BERA-v

BERA-V2浅いカットパンプス、6cmのピンヒールパンプスを作ってみました、履けないから履けるようにリセッティング
して欲しいとの依頼で調整したルブタンの5cmヒールパンプスのデザインがほんの先端のみ覆う極浅のパンプス
なのですが日本人の足には少し無理があり、底面の加工が必要であった。
このデザインに類した極浅のパンプスを日本人でも履けるようにと木型を削り、底面を修正したパンプスができあがりました、名づけてBERA-V、工房の生徒さんたちに試着を願い数カ所を修正することで脱げない極浅パンプスが完成です。

浅いエグリのパンプス製作スタート

IMG_0608IMG_0607浅いエグリのパンプスの製作を開始しました
今まで使用していた木型ではできないために
新しく設計,製作する必要があり、一挙に3cm
6cm2機種、8cmヒールの木型を用意しました

やはりと言うか既製化は各人の踏まず距離や
足幅、カーブ等の違いがあるためカスタムとなります、足を覆う部分が極端に少ないため踏まずの距離がピッタリ履く人の長さにあっていないと
かかとが抜けやすく、くわえてアーチカの適合が不可欠となります。
ヒールの形状はピンヒールとやや太めの2種類から選択できます。

製作工程はフルオーダート同じ工程となるため、お渡しまでに1ヶ月を要します、ご自分の専用木型を保存して
おきたい方には製作木型を基に専用木型を用意する事が可能です。 
エグリのカットはS(スクエアー)、U(写真のカット)とAまたはVのカットが選択できます。9月末にはすべてのデザインが展示されます。


パンプス調整用パット

オーダー靴の納品時に必ず微調整が必要となる事は以前にも述べたが、まずは靴を履いて歩行、その際に生じる
わずかな不備、履く人の歩き癖、足の歪み(回内,回外等)からくる不和である、採寸時は直立静止状態であり、且つ、平坦での立脚であるためにカカトを挙げた状態との違い等を補正するパット補正が不可欠となる。

出来上がった靴に足を入れるまでに踏まず距離、外側アーチ形状、踵のヒールカーブ、先寸のあまり具合、踵から立方骨までの距離等を確認し、それらがトレースやフットプリントに合致している事を確認しておくことは言うに及ばない、踏まず距離設定がトレース上で合っているにも関わらず踵が抜けやすいまたはゆるい(歩行時に踵が上下する)ならばいくつかの事が想像される、一つは捻じれ、一つは測定腱膜、一つは立方骨位置までの距離、履き口エグリ部位とヒールカーブの傾斜角度などである。

マスターコースでの授業の中に歩行の歳の不備や不和の見分け方を6~8ヶ月に渡って指導し、その対策をその都度伝えてはいるがその調整用のパット作り、及び取り付ける位置指導を行う事にした。

現在靴内に入れるインソールは様々な形で販売されているがその多くは簡易的な処置道具でしかない、最たるものは踵の上に貼り付けるかかと抑えのようなものとかシリコン製の滑り止め等が見受けられるがその全ては履く
人の苦痛を取り去るものでは無い、紐靴の様に甲を抑える構造の靴には現在店頭で見られるインソール、パット類は使用出来てもパンプスには害はあっても改善するパットではありえない、今回提示するパットぱ問題の根本を修正し得るものであり、パンプスには必要不可欠な処置となることと言える。

14個の大きさ、厚さ、形状の異なる14個のパットがセットになっており、問題の内容に即した使用方法と貼る位置を示したイラスト付きの説明書が添付される。工房で受講した生徒ならばその活用の重要度は理解されるであろう。

オーダー靴製作におけるアーチ形成

IMG_0566オーダー靴がオーダー靴たる所以は履き歩行してかかとが抜けない、指先が痛くならない、長時間の歩行に際して疲れない等の基本的要因が求められる。
【木型上での配慮】
これらを可能にする為に考慮しなくてはならない木型上での配慮は多種多様であるが、まず挙げられるのは踏まずの長さ、アーチ形状だと考えられる。
特に注意するケースとして凹足、つまりハイアーチへの対応が挙げられる。
アーチが高いということは体重がかかった時点での変化が大きく、踏まずの距離やアーチ形状の変化がある。体重がかかればアーチは潰れ、足長は長くなる。立脚時と歩行時に差が生じる点である。
特に注意する点は足のねじれ、ショパール関節をもとにして足が内側にねじれる。つまり回内する事が多く見られる。
写真の様につま先立ちをしたとき、多くの場合かかとが内側に曲がる。これは靴を脱ぐ時にする行為に類似している。故に踵は抜けやすい状態での歩行となる。
また、アーチが潰れるということは、足底腱膜が引っ張られ足裏に張り出すという点も考慮する必要が生じる。この場合アーチが高い為に立脚時の踏まずに隙間ができ、アーチパットが挿入されている事が多い。が、このパットに腱膜があたり足を前に押しやり、靴の中で足が前に押されることが多い。
足のねじれに対しては靴の前後に2~3mmのパットを挿入して捻れを軽減する必要がある。足の測定時にこれらを確認しておく事が肝要である。
保存保存

パンプスの難しさ

オーダー靴には調整が絶対と言って良いほど必要である。
一旦納品し、数週間後その履き具合を確かめ、不具合が出ればお持ち願いよりその適合性を高める必要があると信じる。

例えばこのような例、
【ほぼ一日歩くと足裏に痛みを感じたと靴をお持ちになった。

店内で歩行を確認するとほんのわずかだが足が前に動いて踵が微かに上下していた。ヒールの高さが2mm程高くなっていたのでその着地位置をわずか数ミリ後ろに下げ、足が所定の位置で着地できるように調整をほどこした。
ご本人はその変化を認識できないでいたほどわずかな調整だが、また長い時間歩いて戴いてその変化を認識していただけるはずである。


靴内のわずかな凹凸が歩行時の足の動きを受け入れ且つ固定する。つまり、着地、固定、推進と足は歩行の状態で変化する。
蹴り出すには親指側に力が加わるためにショパール関節から前がねじれ楔状骨下がさがり、親指で強く蹴り出す事が可能になる。その際小指側は数ミリ浮き上がる事になるためにかかとはわずかだが外側に移動する。
このメカニズムが靴内で起こるわけであるから足のサイズに合わせたオーダーパンプスはその各人の動きの大きさに寄って調整する必要が生じる。 
足が柔らかな場合、親指に力が入らず外側の3趾で蹴りだすことになり踵は内側に動き、かかとが脱げやすくなる、この場合親指の蹴り出しを強くするパットの挿入が必要となる。

これらを歩行から読み取り適切な処置を施す技術と経験、知識が不可欠、ゆえにオーダーパンプスは難しく、それらの知識がない作り手はお客からの信頼を勝ち得る事は難しく、リピート率は低下し、生業として成り立たない状況に陥る。

どこそこで作った靴だが、と言って調整依頼を受ける事が少なくない、履いているうちに良くなると言う具にも着かない言い訳でやり過ごす業者もいるようである。
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保存

フラットパンプス

最近フラットパンプスのご依頼が多くなっている。
脱ぎ履きが簡単で夏の装いにあっている。短めのパンツに素足で履いて大股で歩く姿はとても素敵である。
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行き帰り電車の中でもフラットパンプスを履いている女性が目立つ。ヒールのあるパンプスを履いている人より多いくらいである。
では颯爽と歩いているかと言うとそうではない。
踵がパカパカの状態でとても歩きにくそうな人も少なくない。

もう一つ目に付くのが踵が内側に倒れ込んでしまっていること。
フラットで内側に倒れ込んでいると言う表現はわかりにくいであろうが、つまり踵が内側に寄って靴の踵位置に踵が乗ってない状態とでも言えば想像がつくかもしれない。

足のねじれ、ショパール関節からのねじれであろう。またパンプスの踵芯が軟弱なためかかとを支えきれてないのも原因であろう。しっかり踵芯が入っているものが好ましいが市販されているフラットパンプスにはお目にかかった事がない。靴全体が柔らかく出来ており、丁度小学生の部屋履きズックと同じ様な作りのものが多い。安く販売する為なのであろうか、一夏履いて捨てる感覚かもしれないが好ましいとは言い難い。
保存保存
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tel:03-6231-1871
東京都中央区日本橋横山町5-18

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