本科マスターコースは生徒同士、片足の試着靴を作り、足入れをした結果を基に、その過不足や不備不適の原因を見極め、その修正をし、履き手が納得するまで繰り返し行う授業なのだが、その作業、授業は際限が無い、
どこがそのコースのゴールなのかと聞かれることがある。
ゴールと定めている定義は試着靴を履かせてみて、その不備、不適の原因を見極める過程を追えるか否かである、つまり、その指摘が間違っていても、その過程(消去法)をたどれる事をゴールとしている。
例えば、つま先がきついとの訴えに際し、 まず、何故、つま先が痛いのかを見極める、1.木型のサイズの確認し、寸法に誤りが無ければ、2.次に考えられるのは足が前に滑っているか否か、足のポ-ル位置と靴のそれがあっているのか、そこに誤差があれば、何故前に滑っているのか、3.踵のヒールカーブ、4.幅、5.クリ、6.踏まずの長さ、また、7.足を入れた瞬間に前に滑るのか、歩き始めてから前に滑るのか等を見極める等の経緯を踏み、原因に近づくプロセスを踏めるか否かである、1足試すたびにその道が延びていく、全てを見極められなくとも多くの足に触れていくことで原因を見極められる確率は高くなっていく、その思考方法、そのプロセスを習得する事が本科マスターコースのゴールである。