靴の自作工房hiro - 職人の独り言

工房のオーナー講師斎藤のひとりごとです。思いつくまま、木型についての考察や日々の発見、感じたことなどを時々更新しています。

オーダーパンプス

パンプスのオーダー製作

【 甲が空いている故の難しさ 】
パンプス及びローファーは甲が空いている故に足の甲で足の動きを抑制出来ないため製作の難しさが
他の靴に比べ高い。

【 甲を覆う靴との違い 】
甲を覆う紐靴は「足が前に滑るトラブル」に加えて「歩行時におこる甲の上下の動き」をも抑制できる。これは歩行癖をなくす働きももつ。甲が抑えられると歩行時に起こす足のねじれを起こさせない。

【 動きに対する対処 】
親指で蹴り出すことが出来ない人は小指側で蹴る動きをするか、もしくはすり足となる。この際、甲が上がり踵が内側に傾き踏まずの距離が短くなる、が故にパンプス等甲が空いている靴では踵が脱げやすくなるのだ。 これを抑制するには足の捻れを止める必要があるが、木型上でできることではない。靴内にパットを貼り、その動きを抑制する事が必要となる。

【 採寸データだけでは対処できないこと 】
オーダー靴では足の採寸をスキャナーで読み取りその数値を数値化し、それを基に木型を構築する技術が脚光を浴びている。確かに測り間違いや見落とし等をなくすことには効果的であろうが靴内で生じる足の動きを抑制出来ない、これがパンプス製作の難しさである。
出来上がった靴を履いて歩行を繰り返し、そこで生じる足の動きをみて、パットによる補正が不可欠となる。
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納品時の確認

オーダー靴は足のサイズに合わせて製作する、これは基本中の基本であるが、なにをどのように合わせるかは製作者各人それぞれの考え方があって当然であろう。
靴に求められる合わせると言う内容は、歩行する人が歩くことに躊躇、もしくは懸念を抱くことなく歩行できることにある。
足の踵周り、踏まず幅、踏まず距離、踏まずカーブ、足長、ワイズを木型に反映、且つ歩行に際しての足の動きを考慮し、動きに対しての余裕を設け、歩行に支障がないようにする事が肝要である。

立脚時の足の状態と歩行時の足の状態には少なからず差が生じる、歩行時には体重が片足に載り、瞬時にその体重が反対の足に移る、足のアーチは荷重時には体重で押されアーチは下がる。

つまり下がった分足に変化が生じる。立脚時には問題なくても歩き始めると足が前に滑る、または履き口に当たるはこの変化に対して靴が順応できてない事が原因となる。

足にあわせて製作した後、足を入れ、歩行し、その動きを、歩行する様子を見ながら観察し、その動きを和らげる対処が必要となる。
例えばアーチカーブの変化であり、ねじれであり、内倒れ、回扇、横アーチの潰れ、PIP、DIP関節の動き回内、回外である。

これら変化の全てに木型では対応しきれない、部分パットなどが必須となるが、靴製作者には残念ながらこれらの知識は十分とは言い難い。これらの知識はオーダー靴製作者には必須であると考える。
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オーダーパンプスは納品時が始まり

足を覆う紐靴などに比べ、パンプスのオーダー製作は納品後のフォローの必要性が圧倒的に多い。
パンプスの場合、納品した時点が始まりでもある。
製作は、あらゆる目視できる情報(採寸図、フットプリント、写真、測定靴)と、触診によって得た情報や感触(関節の動き、筋肉の柔硬、各部の健の動き、角質の有無)などを基に、歩行状態の想像を加味して作り上げていくが、それでも街で実際に歩行しなければ生じない問題も存在する事が少なくない、故に納品時が始まりだと言える。
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依頼したお客側にも考慮してもらわなければゴールに到達することは難しい。つまり『納品時が始まりである』ことを。
歩行して生じた問題は出来るだけ速やかに作り手に伝えていただき、調整する機会を持つことである。

履いたことで現れる現象は生じた部位と遠く離れた部位や反対側がその原因であることが少くない、指が痛くなったのは長さが足りないのではなく踵に問題がある場合もある、いやむしろそのほうが多いであろう。そしてそれは履き手の足が原因の場合もある、それを理由に責任回避するのではない。それを解消するための処置をするためである。
オーダー靴はそれらの足の問題を解消し、履きやすい履物を提供するのが目的だからである。
我々が一番恐れることは履いた後、問題が生じ、やっぱり合わない、市販靴と変わらないなどと自己流判断をされることである、どれほどの情報を得て作ったとしても履く前にその問題を完全に解消することは不可能であり、履き手の情報が靴の完成化に絶対不可欠な要素であることを認識していただきたい。

オーダー靴制作では踏まず、踵の測定が必須

自身の足を知るの1~3はオーダー靴制作の祭にする足の採寸に欠かせない内様です。この情報なくしてオーダー靴は作れません。

踏まず距離測定、踵形状確認、踵のヒールカーブ形状確認が必須項目、その他はフットプリント画があればおよその状態はわかります。足囲、足長は測定しますが、荷重、つまり体重をかけた状態の数値、椅子に掛け、体重が全くかからない状態での数値がわかるとその人の足の柔らかさ等がわかり、木型の幅や厚み等の加減に役だちます。 
最近開発したジェニー6の木型をベースにして私の足に合わせて6cmのパンプスを本科の生徒さんが作ってくれました、足長は26cmですが、彼が選んだ木型のサイズは25cm、ただしジェニー6の木型の踏まずは2サイズ小さい設定で設計されていますので、私の足の踏まず距離は市販靴の規格から言えば24cmとなります、履いてみると踵は安定し、前に滑る懸念は一切ないのと踵がしっかりホールドされ見事な出来具合でした。

工房移転

昨年11月に突然工房の明け渡しを通告され、工房の移転を余儀なくされていた、年内中に新しい移転先を求めNETや知り合いの不動産業者等を当たっていたところ日本橋馬喰町に頃合の物件を見つけ、一目で気に入った。
馬喰町は知る人ぞ知る問屋街、故に開発もされず、いわば都内で穴場的存在なのだが、地下鉄やJRが周りを取り囲み周りは馬喰町、馬喰横山町、東日本橋、浅草橋、小伝馬町と徒歩2~8分の位置にある申し分の無い立地である。 
新しいビルは5階建て、その全フロア(1棟)を借りることにした。もろもろ厄介な事はあったが、2月末に引越しの段取りが付き、ひと段落したところである。
1階は理学療法士2人が治療院やフットケアー、インソール製作、治療を兼ねた販売店舗となり、2階から上は靴製造、教室、オーダー靴製作者養成として足・靴全般にわたる総合組織として3月より業務を開始することなる。 製造現場や販売現場を目の当たりにすることが出来、そこでの実習などを通してオーダー靴、教室運営に必要な知識と経験を積んでもらう、養成機関としては理想的な環境ではなかろうか。
引越しに伴う工房の休講等の日程は追ってHPに掲載、関係者の方々には不便をお掛けすることになるが、ご理解いただきたく願う次第である。
靴の自作工房ヒロのホームページへジャンプします。
tel:03-6231-1871
東京都中央区日本橋横山町5-18

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