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そえださんは福岡で工房を立ち上げてから8年のプロの靴製作者。  ※前回の記事
今回自作工房に学びにいらしたのはなぜか、実際に受講してみてどう感じたか、などお話をうかがいました。

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Q.福岡から木型コース受講にいらしたとおききしました。どんな経緯で木型講座に?

A. もう10年ほど、ずっと靴を作ってきましたが、作れば作るほど「木型が大事だな」と・・・
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思うようになってきていました。
靴の種類によって木型を変える必要性には気付けたのですが、どう変えたらいいのか・・・そこが分からなかった・・・。

【 木型を学ぶには2種類ある? 】

Q.そうだったんですか。ここの木型講座を選んだのはなぜですか。

A. 学ぶ内容が、経験者に向け木型』にテーマを絞っていること、学ぶスケジュールの自由度が高いことなどが大きな理由です。受講時期や期間が学校に合わせなくてはいけなかったりするのでは、仕事をしながらは無理ですし。

そうだったんですね。斎藤も学ぶ側の身になって、仕事をしながら学んでほしいと、そしてそれを仕事にもぜひ生かしてほしいとスケジュールの組み方もあえて柔軟にしています。

それと、「木型を学ぶ」といっても2種類あると思うんです。
ひとつは既成靴のための木型。これは靴そのものの ”かたちの美しさ” を追求する分野です。一方で、不特定多数ではなく注文靴のように一人の足に合わせて作り、個別の履きよさ・歩きよさを追求するための木型僕はぜひ、こっちのほうを学びたかった。
それで、「ここに行こう!」と。
1年前から、ここに来る計画をたてはじめました。

Q.1年も前から!?

A. そうなんです。とぎれとぎれに福岡から通って学ぶより、受講期間中どっぷり集中してはまろうと思って。その期間のためには自分の工房も休みにしないといけないですから。

Q.なるほど。受講前に一度、見学にも来られていましたね。

A. 一度お伺いしないと雰囲気は分からないので。直接お会いすべきだと思っていました。
見学に来てよかったです。斎藤先生とも具体的に相談させていただけたし。
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【 1ヵ月どっぷり集中の受講スケジュール 】
Q.受講はどんなスタイルに?

A. 約1か月間東京でホテル住まいです。

Q.1か月ホテル住まいですか!?確かにそれはどっぷり!でも、木型講座の場合、木型を作ったら実際にそれで靴を作ってきて検証になると思うのですが・・・。通いの方の場合は、皆さんそこはご自分の工房などで作ってから検証に来られてましたが。・・・靴を作る工程はどこで?

A. 木型講座の期間中、貸工房として自作工房の環境も使わせていただきました。
都内の靴職人の友人にも協力をお願いしたり。あと、ホテルの部屋でできることは部屋でも!

Q.部屋で?型紙作りとか?

A. そう、プラ板も持ってきたので、革の裁断とかもガンガンやってましたよ。笑

Q.へぇー!例えば一日どんなタイムスケジュールなんですか?

A. そうですね、午前中はノートをまとめたり、パソコンを持参したのでそこに文章と写真を整理したり・・・。それから前日工房で作った木型に合わせて型紙をおこし、革の裁断。あと、ずっとホテル住まいなので洗濯とかも午前中にすませます。それから午後2時から夜10時くらいまで貸工房の設備で靴づくり・・・といった感じです。

【他の教室と内容が随分違う! 】

Q.本当に期間中どっぷりですね。それで、実際に学んでみてどうですか?・・・って聞き方も漠然としていますが、インタビューをしている私自身が他の靴学校の経験がないので、ここの靴づくりがどんな点で他のところと違うのか、木型講座が実際にそえださんの求めている内容だったか、などいろいろおききしたくて・・・。

A. 確か、僕が最初に靴つくりを学んだ学校では採寸は5か所だったと思います。そういった採寸の仕方からずいぶん違うと感じましたね。ここではもっと細かく、何か所も採寸します。それに、その数値の活かし方が違います。それから、木型。ここの木型は厚みがうすい感じですね。あと、木型の底面が違う

Q.「靴づくりといっても、教えているところによってずいぶん違うんですね。そういった基本的な部分のディテールが違えば完成する靴は当然違うものになる・・・。

【 足の動きを理解して作るパンプス木型 】

A. そうですね。最初に習ったところではヒールは2~3cmくらいまで。それ以上のヒールの高い靴は足に悪いということで学ぶ機会はなかった。けれど、ここのやり方を学んでくると、自分の今までのやり方ではパンプスは通用しないんだな、というのがわかります。パンプスって特殊な履物なんです。
今までは足の動きをインソールで調整していたのですが、パンプスはインソールを入れる隙間がなかったりします。足の骨や関節、筋肉、そして足の動きを理解した上で正しい木型理論を用いなければパンプスはきちんとフィットするものを作ることは出来ないんだってことがよくわかりました。
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Q.いろんな発見があったんですね。

【 履き心地を追うと、必ず木型の重要性に気づくときがくる 】

A. そうです。僕みたいに足に出来るだけ合わせて作りたいと思いながら靴づくり続けていたら、木型の重要性って絶対気づくと思うんです。でも、どう変えていいのかわからない・・・。ずっと苦しんでいたので。
ここで学んでいろんなことがすごくクリアになってきました!

Q.本当にうれしそうに話してくださって、木型講座に集中していらっしゃるのが伝わってきます。
期間中は何足くらい作られましたか?

A. 自分の足も含めて5人かな。いろいろな足のタイプをなるべく沢山経験したかったので、ほとんど片足ですけど、6足作りました。

Q.写真に撮らせていただいたのですが、最初は自分用に紐靴なんですね。

A. そう。まずは自分の足で確かめてみたかったというのもあります。そのあとずっとパンプスを製作しました。どれもなかなかうまくいかなかったのですが、それがよかったです。
ここで学んだことを自分の工房に持ち帰らないといけない。そこで大事になってくるのは、木型や靴を作れることと同時に不具合があった時キチンと見極めれるかということです。そういった意味でうまくいかなかったことで、問題の見方、解決方法、検証など出来るだけ多くの経験をさせていただけた方が勉強になります。
毎回全部違うタイプの足で、沢山いろんなケースを経験させていただけて本当に良かったです。
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そえださん、貴重なお時間に沢山お話きかせていただきありがとうございます。

その日は木型講座の最終日。そえださんは作っていたパンプスの試着確認最終回でした。足モデルとなってくださった方など本科生も一緒に試着確認していきます。ある程度、問題点の見極めやその解決について予想を立てていき、最後に斎藤先生も一緒に、その見方・考え方で合っているのかどうか検証しました。写真はその時の様子です。

まる歩靴工房