2008年06月23日

257『優しいオオカミの雪原』

わたしは強いてフランシスのことを、
ダヴ・リヴァーや、アンガスのことを考える。 
まとめあげねばならない、
ばらばらになったものたち。
わたしは”終えぬ思いという病”をかみしめる。
そして、パーカーは犬とそりのほうへ向いて、
歩きつづける。
わたしも歩きつづける。
わたしたち人間に、ほかになにができるだろう?


       ――結びの文章から――

優しいオオカミの雪原 上 (ハヤカワ文庫 NV ヘ 14-1) (ハヤカワ文庫 NV ヘ 14-1)

優しいオオカミの雪原 下 (ハヤカワ文庫 NV ヘ 14-2) (ハヤカワ文庫 NV ヘ 14-2)

ステフ・ペニー著『優しいオオカミの雪原』です
この方の作品は初めて手にしました

本書が受賞しているコスタ賞最優秀作品賞
選評に「あざやかな筆致と読みやすいストーリーが
展開する 読みだしたら止まらない」と
あったみたいですが
はっきり言って 中々どうして 
前半は特に読み進みにくいのです

が しかし不思議と読後感は良いのです

舞台は1867年のカナダ辺境の地
ヨーロッパからわたって来た人々と
先住民の人々との苛酷なまでに
圧倒的な自然のなかでの暮らし
そこで起きた殺人 17歳の青年フランシスの失踪
真実を追い求める青年の母親ロス夫人

雪と氷に閉ざされたあくまでも純白のツンドラ
そこは野生動物と先住民の世界だったのです
人間の発展や進化は手つかずの自然さえも
蹴散らしていきます

e_style8 at 16:22コメント(0)トラックバック(0) 
翻訳もの 

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