2017年11月22日

ますます深刻度を増す人手不足、廃業を考える所長も!

高齢の税理士が経営する事務所では、長年勤務した職員が退職すると途端に仕事が回らなくなる。

というのも、後任の職員がなかなか見つからず、パートも雇えない状況に陥る。

先だっても、マンションの一室の事務所に、高齢の先生をお訪ねした。

数か月前まで50代の女性事務所員がおり、月次や決算業務をこなしていた。

しかし、家族の介護で手が離せなくなり、やむなく退職。

その後任を派遣業者などに依頼したが、税務会計に詳しい人材は皆無。

しかも、人材会社の職員から、最近の女性はマンションの一室での仕事に来たがらないという。

知人などにも声をかけているが見つからず、あきらめかけてもいた。

そんな時、ひょんなことからオールドボーイが現れた。

かつて会計事務所で外回りなどを経験し、定年になりふらふらしていたという。

履歴書を見ると、確かに名のある事務所に勤務し、仕事もできることを確認。

ひとまず、時間給の職員として、事務所内での仕事を担当させた。

それにより、高齢の先生はお客回り、記帳代行は専ら”新人”任せになり、一安心。

ところが、仕事が回りだすと、そのオールドボーイ、仕事に口を挟むようになった。

いわく、こんな狭い事務所に一日中いると息が詰まるので、外回りがしたい。

併せて、記帳代行だけでは面白くないので、何とか1,2件担当をくれないかというのだ。

若い職員で税理士試験を受けようという人なら、後継を考え、外回りもいいかと考える。

しかし、前期高齢者に首を突っ込んでいるオールドボーイに任せる気はしない。

それこそ顧問先から自身の健康問題などをそれとなく言われてきた所長も、慎重になる。

だが、外回りは長年自分でやってきたので、任せるわけにはいかないと明言。

その一言があってから、オールドボーイは口数が少なくなり、数週間後に退職していった。

そんな状況で、当支援室に相談があり、お客の大半を若手税理士に譲ることになった。

もし、記帳業務を担当する人がいれば、顧客をを譲ることなく、当支援室に相談もなかっただろう。

幸い引き受け手が見つかり、先生は相談業務だけの仕事を続けることになった。

人手不足と高齢、今回はこんな状況に税理士がまだまだいるのではないかと推測される事例だった。

事業承継・M&A支援室長
大滝二三男

e_syoukei at 16:40コメント(0) 

2017年11月21日

地裁が税理士の事業承継で、一部営業権を認める判決!

今回の裁判は、死亡した税理士の事業承継で、その相続人が対価の支払いを請求し、争いとなった。

顧問先を引き継いだ税理士法人は、故人から事業承継を依頼されたことはないと主張。

事実、故人とA税理士が面会したのは、死亡する前日。

その際、酸素吸入器を着けた故人は、「今後のこと、事務所のことを頼む」という趣旨の発言をした。

これに対して、被告であるA税理士は「わかりました」と答えたという。

原告の父である税理士が死亡後、被告である税理士は事務所を承継し、自分の事務所と統合。

故人の顧客だった法人・個人合わせ80件を承継したが、故人の相続人には対価は支払わなかった。

そこで、原告である故人の相続人は、承継の対価として年商相当額4000万円余を支払うよう提訴。

裁判所は、故人と被告との間で、事業承継の依頼の意思表示をできる状態ではなかったと判断。

さらに、通常税理士の死亡に伴い顧問先との委任契約は終了すること。

法的には、事業を承継したからといって、対価を請求できるようになるとは認めがたいと判断。

その一方で、故人から包括的に顧客の引継ぎが行われ、顧客との間で顧問契約が結ばれたとも考えられる。

このような場合に委任契約の性質に拘って、営業権の対価が一切発生しないとするのは相当でない。

従って事案によっては、営業権の対価の発生を認める余地があるとした。

これまでの裁判では、いわゆるのれん代、営業権は認められなかったが、今回は一部これを認めた。

税務上も税理士の事業承継の対価は、営業権の対価ではなく、顧客の紹介料として雑所得の判断。

今回の判決が確定すれば、のれん代が認められることになり、課税問題に影響するだろう。

なお、この裁判では、原告の請求は4000万円余としたが、判決ではその対価を300万円と認定。

この対価全額がのれん代か否かは定かではないが、画期的な判決になる可能性もある。

事業承継の仲介者としては、死亡後の承継は難しくなるので、元気なうちに話をまとめること。

そうすれば、裁判になることもなく、遺族もそれなりの金員を手にできるので、喜ばれるだろう。

なお、この裁判は双方が不服として控訴しているので、結論はまだ出ていない。

この事例は、TAmaster 2017年11月20日号特集記事 「地裁、顧問先を承継した税理士法人に
対価の支払い命ず」を基にまとめました。詳細については、同号を参照ください。

事業承継・M&A支援室長
大滝二三男








e_syoukei at 21:11コメント(0) 

2017年11月20日

勤務税理士に引き継いだが、対価金額の明確な契約がない?

日本人のお人好しが現れた典型的な事例を紹介します。

勤務歴3年の税理士に事業を承継、対価を設定せずに顧客を渡した。

税理士本人は、高齢でここ数年は仕事は職員任せにしていた。

もちろん実務は職員に任せるものの、申告書などはチェックをしていた。

ただ、税理士を雇ってからは、その実務も勤務税理士任せになっていた。

というのも、75歳を過ぎてから、体力気力の衰えを感じ、ほとんど職員任せ。

併せて、奥さんに先立たれた5年前から、仕事をする気概もなくなってきていた。

そんな時に税理士を事務所に迎え、日ごろの業務を任せるようになった。

そして、一昨年に顧問先を譲る契約をし、2年が経とうとしている。

ここに来て、事業承継の契約をしていなかったことに気づき、当支援室に相談。

確かに顧問先を譲ったことは明らかだが、その対価は契約書には一切ない。

ただあるのが、数か月間は、相談者が顧問となり、その顧問料が明記されているのみ。

その金額は、承継した顧問報酬額を基にした対価を基にしているものではない。

通常の対価を数年間で支払うといったものでもなく、顧問契約は1年も待たず破棄できる。

譲った先生はいつまでも顧問としての報酬をもらえるものだと思っている、これまた認識不足。

契約書には1年後には顧問契約を破棄できるとなっているので、切られても文句は言えない。

契約する段階で、弁護士などのチェックを受けない、なぜなんでしょう?

お人好しの日本人の典型的な例ですが、譲り受ける方もやっぱり日本人的。

お互いに、話せばわかる、後で争いたくないというのですが、いざとなると、訴訟。

なぜか第三者を入れたがらない、それが後で禍になる、そんな典型的な事例でした。

まだ、契約の解除まで行っていませんが、近い将来きっとそうなるような気もします。

事業承継・M&A支援室長
大滝二三男



e_syoukei at 21:24コメント(0) 

2017年11月17日

事業承継、中高年から若手にバトンタッチ?!

税理士生活数十年、その年齢も70代から80代。

所長が80歳超だと、職員も60代後半なる。

そこに事業承継が起こると、ある問題が生じる。

事務所の引き受け手は、当然所長より年下。

さらに、ベテラン職員も相手よりも年上。

そう、若い新所長の下で、ベテランが働く。

新所長も、自分よりはるかに年上を指導・監督。

年下の職員と同様に、ベテランを使いきれるか?

それ以上に、職員の士気は上げられるのか?

不満を感じる職員が、承継そのものに反対する。

これまでの慣れた環境が変わるのは、嫌だ。

だからと言って、簡単に仕事は辞められない。

待遇は現状維持との約束も、不信感は残る。

所長も彼らの同意がなければ、交渉はアウト。

こうなると、誰のための事務所経営なのか?

そう、職員の反対で仕事を辞められない、高齢のお人好しの所長には何人も会っています。

「先生、私たちも頑張りますから、死ぬまで続けてください」、職員が言うので、承継を断念。

実際に、過去12年間で、こんな事例を3件経験していますし、今も問題解決に奮闘中です。

職員の雇用を守る努力をしていますが、承継の反対勢力には、所長の力に頼るしかありません。

所長が経営から手を引いたら、職員だけでは事務所運営はできない。

それでも反対を貫くのは、自己保身だけのエゴとしか見えません。

はて、今後はどうなるのでしょうか、時間が解決してくれるのでしょうか?

解決のためには、冷静な判断が、期待されるところだ。

事業承継・M&A支援室長
大滝二三男




e_syoukei at 17:37コメント(0) 

2017年11月16日

超高齢の税理士さん、65歳の職員にまだまだ若いと!!

本当の元気のいい税理士さんは、いるんですね。

65歳を超えた勤務税理士を前に、{これを後継者にしたいんだが、、、}

話を聞いていて、主従関係に従順な勤務税理士に唖然。

65歳と言えば、税理士でも引退する人は少なくない。

勤務税理士であれば、とっくに独立しているはず。

しかし、今回の相談では、65歳の税理士を顧客に認知させたいという。

実際の話、90歳を超える所長が早く引退し、勤務税理士に任せればいいこと。

でも、そんなことは聞く耳を持たず、私がいなければお客は離れるの一点張り。

それを聞く勤務税理士も一切口を挟まず、ただ聞いているのみ。

やる気があれば、もうとっくに独立し、所長のお客を”奪って”も不思議ではない。

しかし、所長との面談に同席したその職員には、独立する気はまるでない。

もっとも、65歳まで勤務税理士だった人だからこそ、所長も雇用を維持。

そして、今や体が動かなくなった所長が、やっと後継者として65歳の勤務税理士を指名。

そんな歳まで、お山の大将でいたいのかと、唖然とすることも。

同時に勤務税理さんおふがいなさにも、考えさせられた次第。

本当に現実は小説より奇なりなんですね。

事業承継・M&A支援室長
大滝二三男





e_syoukei at 23:50コメント(0) 
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